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ハト派とタカ派から見る日米が採る違う道

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鳥の羽根

ニュースでよく耳にするタカ派ハト派の意味とは

金融政策を巡るニュース等が報道される時、「ハト派寄り」「タカ派寄り」というワードが当たり前のように頻発している。そもそもタカ派とハト派が何か解らない?という人が世の中には多い。

特にFXを始めて間もない若年層が、この質問をしてくる事が多い。特にFRB関連の報道、またFOMCの内容の報道の時などは、この言葉が如実に関わってくる。

会合で飛び交った発言内容がどっち寄りかによって、特に為替相場は敏感に反応するものだ。米国に限らず、世界の中央銀行には両派が存在しており、この理事がタカ派、その理事はハト派といった具合に入り混じっている。

どんな媒体であれ、相場取引をするのであれば、少なくともこの意味は理解しておくべきだ。もう少し上級者になると、金融政策決定会合を迎えるにあたって、その勢力分布を把握するようにしている。これは特に、為替相場を予測する上で非常に役に立つ。なぜなら勢力分布によって、会合の結果が予想しやすくなるからだ。

ハト派が静なら、タカ派は動

ハト派、タカ派という言葉はもともとは政治用語で、ハト派=穏健派、慎重派、平和主義的思想を指し、タカ派=強硬派、戦争など武力を辞さない強硬的な思想を指す。ハト派が静なら、タカ派は動といったところだ。この名前の由来は、ハトは鳥の「鳩」であり、平和の象徴で穏やかなイメージとして使われている。

対してタカは「鷹」で、猛禽類の獰猛さ、獲物に対する攻撃的なイメージとして使われている。最初は、この事を教えても時間が経つと、どっちがハト派で、どっちがタカ派だったか区別ができなくなる人もいる。なので、このように「鳩」と「鷹」で覚えればイメージしやすいだろう。要するに、ハト派とタカ派は真逆の思想を持っているという事だ。

このハト派とタカ派が、経済の分野になると、ハト派は景気に対して慎重な見方をし、景気がよくなっても慎重になるため、例えば利上げに対しては否定的なスタンスを採る。逆に金融緩和に関しては、肯定的なスタンスを採る。一方、タカ派は、景気に対して強気な見方をするため、景気がよくなるとインフレを懸念し、利上げや金融引締めに肯定的なスタンスを採る。

FOMCにおけるタカ派とハト派の勢力分布は?

では、先述のFOMCにおける両派の勢力分布を見ていきたい。FOMCは米国における金融政策を決定する会合であり、もっとも注目される内容は政策金利の推移である。

出席するのは、政策金利FRBの全理事と全12地区の地区連銀総裁。その中で投票権を持つのは、現在5人のFRB理事と、5地区連銀総裁の計10人となる。以下が、2017年のFOMCにおいて投票権を持つ出席者の現在の勢力分布である。

常任メンバー
  • イエレンFRB議長(ハト派)
  • フィッシャー副議長 (中立)
  • タルーロ理事 (ハト派)
  • ブレイナード理事 (ハト派)
  • パウエル理事 (中立)
  • ダドリー ニューヨーク(地区連銀総裁)(ハト派)2017年メンバー
  • エバンス (シカゴ地区連銀総裁)(ハト派)
  • ハーカー (フィラデルフィア地区連銀総裁)(タカ派)
  • カプラン (ダラス地区連銀総裁)(中立)
  • カシュカリ (ミネアポリス地区連銀総裁)(ハト派)

このように、委員の顔ぶれによって、ハト派が多い、タカ派が多い、といったその時のFOMCの勢力図が判る。その比率によって、金融政策の方向性や実施のタイミング等が推測できるという事だ。

イエレン議長を含む5人の理事とニューヨーク連銀総裁は、常に投票権を持っているが、地区連銀総裁は1年毎に交代する。したがって、この地区連銀総裁が誰になるかによって、ハト派とタカ派の勢力図が変わり、かつ金融政策の方向性も代わって来る事になる。したがって地区連銀総裁の人事は、非常に重要となる。

2017年現在、勢力図に変化は?

ちなみに、2017年に新たに加わる4名の地区連銀総裁のうち、シカゴ連銀のエバンス総裁は筋金入りのハト派として知られている。

残り3名については、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がハト派、ダラス連銀のカプラン総裁が中立、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁がタカ派とされている。

総数を集計すると、中立派は2016年と比較して1名ずつで変わり無し。タカ派は1名純減、ハト派は1名純増となるので、全体的な地区連銀総裁の金融政策スタンスが2016年に比べ2017年は、ややハト派方向にシフトする事になると目されているので、FOMCで交わされる議論は、利上げに積極的なタカ派色が薄れるとみられている。

しかし今年は、それだけでハト派よりの金融政策が進められるかと言えば、そうもいかないかもしれない大きな要素がある。米大統領としてトランプ氏が就任した事で、FRBメンバーの変更が大きな意味を持ちつつある。

トランプ大統領の誕生で揺れるFRB

まず、トランプ政権で財務長官に指名されたムニューチン氏は、現在空席となっているFRB理事2名を指名する意向を示していた。背景には、トランプ大統領が、共和党がより積極的な利上げが望ましいとしている点をふまえ、新しい理事にタカ派の候補者を選ぶ可能性があると見られていた事に基づく。

トランプ大統領は選挙期間中、共和党の利上げに肯定的なスタンスに沿っていたと見られ、FRBへの批判は凄まじかった。イエレン議長を、「オバマ大統領の功績を高めるために、利率を低いままにしている」と非難。「恥を知れ」と発言していた事は、記憶に新しい。

対してイエレン議長は、「金融政策を短期指向の政治圧力から切り離すため、議会は独立的な機関としてFRBを設立した」と発言。「金融政策の決定に際し、政治情勢を考慮に入れる事はない」とも明言している。他にもトランプ大統領は、大統領選挙期間中にイエレン議長の政策運営が民主党を支援していると批判し、同議長の更迭を示唆していたこともあった。

現に、トランプ大統領の後任候補選びが活発化し、秋には次期FRB議長が指名される可能性があった。ただこれはあくまで大統領選挙中の話であり、共和党の意向と、オバマ前政権の批判による注目集めであった節もある。当選後のトランプ大統領は、まさに一転して低金利を支持している。先日は、イエレン議長を「次期のFRB議長の候補に挙がっている」などと述べている。

トランプ大統領はハト派?タカ派?

この時同時に、コーン国家経済会議委員長も有力候補である事も明かしたが、トランプ大統領は「金利が低水準にとどまるのを見たい。イエレン議長はこれまで低金利を維持してきた人物だ」としている。結局、当選前のトランプ大統領の公約である「米国企業の価格競争力を高める」事に対し、ドル高、つまり高金利に向かう事は懸念材料となるのだ。

しかし「低金利が望ましい」と発言していても、トランプ大統領の打ち出している政策は、ハト派思考とは程遠いものだ。たしかにトランプ大統領は、貿易不均衡の是正などのため、ドル安誘引的な発言を頻発している。しかし一方では、米国にて、企業が雇用、生産、投資を増やす事に注力している。

その動きは、ドルを買われやすくする。しかも現在、米国の消費者物価指数は緩やかに上昇し、FRBは2019年末まで年2~3回の利上げを想定している。その上に米国に企業を回帰させようとしているので、ドル高にさらに拍車を掛ける事になってしまう。これが、「トランプ大統領の政策には一貫性が無く矛盾だらけ」と言われる所以であろう。

したがって低金利思考と言っても、実際にやっている事はタカ派的であると言える。特に、一部の外交に関しては好戦的な姿勢を見せているところからも、その色合いは濃い。

日本でのタカ派ハト派の立ち位置は?

日本にいたっても、ハト派とタカ派は存在する。ただ、ハト派とタカ派と言うよりは、「リフレ派」と「反リフレ派」という呼び方の方がよく使われる。当てはめると、ハト派がリフレ派、タカ派が反リフレ派となるのだろう。

反リフレ派は、「緩和慎重派」とも称される。ただ日本においては、「リフレ派が穏健派」、「反リフレ派が過激派」、となるかと言うとそうではない。これは、両国における事情が違いが関係してくる。

米国の現状が、今後も利上げを継続しているといく方向で進んでいるのに対し、日本は、さらに金融緩和を継続していく方向で進んでいる。つまり現在のトレンドに沿った思想を、より突き進めようとする方が「過激派」、とする傾向がある。

日本においては、リフレ派が金融緩和に対して肯定的、反リフレ派が否定的というスタンスを採っている。つまり静、動のイメージが米国とは逆なのである。

安倍首相はタカ派

また「アベノミクス」という政策が示すように、日本は米国と違い、政府による金融政策への干渉度合いが高い。現在の金融緩和政策の生みの親である安部首相は、もちろんリフレ派だが、政界内ではゴリゴリのタカ派と称される。

金融政策の部分では、緩和推進思考だが、低迷していた日本経済にアベノミクスという大規模な金融緩和という革新的な政策を打ち出しているため、タカ派になるという事だろう。その他にも、憲法改革などの革新的な法案を続々打ち出したり、強行採決を頻用するといった王道的なタカ派色がうかがえる。このような点は、ある意味トランプ大統領と似通っている。

2017の日銀の人事で変化はあるか

2017年の日銀の金融政策会合のメンバーは、緩和慎重派である「佐藤健裕」「木内登英」の両名が任期満了を迎え、新メンバーとして「片岡剛士」氏と「鈴木人司」氏が加入する。新メンバーの一人である片岡剛士氏は、リフレ派の論客として知られている。

一方、鈴木人司氏は、中間派か緩和慎重派のどちらかと目されている。というのも、鈴木人司氏は、三菱東京UFJ銀行で市場部門の責任者などを務めていた経歴があり、金融機関にとって収益圧迫懸念が強いマイナス金利政策の強化には慎重姿勢を示す可能性があるからだ。

いずれにせよ、2017年の日銀人事は、2016年より「リフレ派」の色が濃くなりそうだ。今回の人事は、アベノミクスの失敗を認めるわけにはいかない安部政権からの干渉が、色濃くうかがえるものとなっている。

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