新日本電工(5563)の検証
前回検証をした秋山成国氏が代表を務める、スターライフ投資顧問の進捗です。スターライフ投資顧問に無料登録をした後、メルマガが1日に4通程送られてくる事となります。
メルマガの内容は、比較的無料推奨銘柄の提供が多いです。その反面、精度が低くなりやすいという被害も否めません。
今回は、スターライフ投資顧問のメールの中から推奨銘柄の一つ新日本電工(5563)を検証します。
銘柄名 | 新日本電工(5563) |
推奨日 | 2017年7月31日 |
新日本電工の推奨メールが配信されたのが、7月31日なので推奨日は同日と判断します。
新日本電工は、鉄鋼向けの合金鉄の取扱いにおいて最大手の企業であり、南アフリカにマンガン、バナジウム権益を保有しています。また、2014年に中央電気工業を完全子会社化しています。
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2016年度の連結営業成績について、売上高は、石油化学セグメントは原料ナフサ価格の下 落に伴い製品価格が低下し減収となるなど全てのセグメントで減収となり、総じて前期比13.5%減となりました。 営業利益は、ハードディスクの出荷が減少したエレクトロニクスセグメントと、無機セグメ ントが減益となったものの、石油化学セグメントはアジアでの堅調な需給を受け大幅な増益となり、化学品、アルミニウム、その他、の3セグメントも増益となったため、総じて25.5%増となりました。 経常利益は、円高による為替差損の計上等により20.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ特別損失および法人税等が減少したため大幅な増益となり、1,236.1%増となりました。 2017年度は、収益性と安定性を高いレベルで持続的に維持する「個性派事業」の拡大への注力、事業モデルの変革を進め既存事業の収益力のレベ ルアップを図る事による収益力基盤の強靭化と収益の変動幅の抑制を行う事により、さらなる増収、増益を見込んでいます。 ただアナリストのコンサンセスでは、増収、増益幅とも、新日本電工側の予想より小幅に強く予想されています。新日本電工(5563)の業績を確認する
スターライフ投資顧問が推奨した7月31日は、10月27日時点でも直近高値です。この新日本電光の推奨メールが来たのは7月31日の寄付き前なので、当日はたしかにそこまでより強い上昇を見せているので、日計りでの勝負は出来るでしょう。
しかしスターライフ投資顧問は、ここからさらに値が伸びるとでも考えていたのでしょうか。既に3σボリンジャーバンドに届く水準で、しかも当日までほぼ1ヶ月一本調子で上げているため、高値買いとなるのは判りそうなものです。
また一回の上昇が高値を取るまでに日にちを掛けているので、日柄調整を考慮したら、下落速度が速くなる事も見通せたはずです。したがって、7月31日に買い参戦した利用者は、当日中に売り抜けていなければ、深手を追っているでしょう。
中期的に見れば、現時点ではまだ上昇トレンドを継続しているので、7月31日の高値を超えてくる可能性はありますが、それまで塩漬ける事となります。
スターライフ投資顧問は、以前に検証した時は詐欺を働くような悪徳業者という気配は見受けられませんでしたが、この回の新日本電工の取引には疑問を感じます。
夢展望(3185)の検証
スターライフ投資顧問はサイトの構造などが非常に低姿勢で、評判良く見えます。
果たして、実際の所はスターライフ投資顧問によって被害に遭う事がないのか、まずは銘柄から検証しましょう。サイトには銘柄推奨実績の公開がされています。掲載内容は、銘柄に加え、買い場、売り場を視覚的に表しているのでわかりやすいです。
上記3銘柄の検証をすると、買いが一段上げた後になっていることが分かります。
おそらく、前日の引け後などに材料が出ているのでしょう。
まず夢展望(3185)は、10〜30代女性向けの衣料品ネット販売を行っている企業です。
しかし2017年3月期に債務超過で、現在はRIZAPグループ傘下に入っています。これにより、今期予想は大幅な減損となっています。
急騰している部分は、株式分割の発表があった時ですね。三日間ストップ高に張り付いて、四日目に上髭付けて陰線で引けています。売りがそれ程でも無かったので、ホールドしたというところでしょうか。
その後の二空目が、結局ストップ高に張り付いていたため、三空後の寄り指しで仕切りとしたというところでしょう。
ここで気になるのは、夢展望の買い場の表示です。夢展望(3185)を見ると表記が雑ですが、3月1日付近の実際の日足チャートの地合いは、サイト内で掲載されているものと似ても似つきません。掲載のチャートは一体何なのでしょうか。
エディア(3935)の検証
続いてのエディア(3935)は、スマホ向けのゲームと生活関連情報を展開している企業です。
業績は2016年度は落ち込んだものの、今期予想は黒字転換となっています。
5月17日に「位置情報技術」と「スマホゲーム」を融合させた新サービスを提供すると発表したため、そこまで上げていた株価をさらに上昇させています。
この発表は、17日の場中にされましたが、高値引けで上昇力を確認出来たため、18日に買ったというところでしょう。
翌19日に売却していますが、この水準から上昇が始まった5月4日の値幅は、一回の上昇毎にほぼ四分割出来ます。
18日はストップ高に張り付いており、加えて三段階目に当たるため、四段階目となる19日に仕切るのは、妥当だったかもしれません。
セグエグループ(3968)の検証
最後のセグエグループ(3968)は、セキュリティ製品の輸入販売とソリューション関連事業を手掛けている企業で、SEの派遣なども行っています。
セグエグループの第1Qの決算が予想を大幅に上回ったため、15日に株価は、さらに急騰しています。
その日が買い場となっていますが、ストップ高張り付きとなっていますので、配信を受け取った顧客が買えるのは早くても16日でしょう。その後、売却した19日が三空となっていますので、それが丁度高値となったという格好でしょう。
スターライフの基本概要
スターライフ投資顧問という名前は、今まで聞いた事がありませんでした。
サイトを見た印象は、とにかく文字や画像が大きく、正直見るのに疲れます。それでいて内容は非常に薄い印象を受けます。
特に、詐欺業者にあるような不安要素などは見受けられませんが、こういったところで顧客への対応も雑になるのでは?という疑念も正直生れてしまいます。
一点、好感を持てた事と言えば、「お客様の大事な時間をよりよく使うために、投資のお手伝いをさせて頂けませんか。」というサイト上の文言です。
このような姿勢で来られると、「スターライフ投資顧問から何かの被害を被る」という連想ができませんが、そもそもスターライフ投資顧問には、バックグラウンドとなっている金融業界の有力者などはいない模様です。
運営状態を検証
では、スターライフ投資顧問の運営会社である「株式会社AKアドバイザーズ」の運営状態を検証するため、下記の項目に当てはめてみます。
- 登録番号の表記がある ○40
- 代表者名の表記がある ○20
- 分析者名の表記がある ×5
- 事業範囲の表記がある ×5
- 住所表記がある ○10
- 連絡先表記がある ○10
- その他、特商法の表記がある ○10
総計で90点となりました。
スターライフ投資顧問のサイトには、業務範囲が載っていませんでしたが、株式会社AKアドバイザーズ単独のサイトには記載がありました。
また、代表取締役である「秋山成国」という名前を検索してきましたが、口コミサイトなどにも、スターライフ投資と株式会社AKアドバイザーズに関連するもの以外ヒットがありませんでした。
スターライフ投資顧問の総評
スターライフ投資顧問は、目に止まるような取引や知識に強そうな人が、これといって見受けられません。
それは公開していないだけかもしれませんが、取引を見るとある程度かじっている素人であればレベルです。
なぜなら、材料が出てから買いを入れるという事は、情報をチェックしている人なら誰でもできます。
売りどころは上手いようにも見えますが、掲載されている銘柄だけ見ると、セオリーに当てはめたら、高値を取るのはさほど難しくないでしょう。
また、買いが高めの水準となりやすいため、どうしてもショートスイングとなってしまっています。元々、そういう取引スタイルなのかもしれませんが、配信を受け取ってから仕込む顧客はついて行けないのではないかと思えます。
また先程も述べましたが、そもそも夢展望の買い場のチャートは実際と全く異なるため、実績自体の信憑性が薄れてしまいます。もし本当だったとしても、この取引では、他の投資顧問業者と比べると大分見劣りしてしまうでしょう。