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保護的主義の米国に一切の譲歩を見せない無法国家メキシコ

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メキシコ国旗

ボラティリティの高いメキシコペソ

近年FXのブローカーでもメキシコペソを取り扱う業者が増えてきた。多くはドル/ペソで提供されているが、取引量が少ない通貨の中でもボラティリティは非常に高い

基本的にメキシコペソ相場は、主要な輸出品である原油価格と比例する傾向が多いが、値動きは非常に独特で、主にドルと連動する傾向があるが、昨今は逆行するケースも多い。

ペソは2014年後半以降、原油生産量の減少を背景に下落基調が続いていた。

トランプ氏の動向で揺れるメキシコペソ

2016年5月以降には、米国の大統領選でトランプ氏が、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉やメキシコ国境の壁建設をほのめかしたことを受け、メキシコペソには一層の売り圧力が強まる事となる。

これによりメキシコペソは、トランプ氏の発言や当選を匂わす報道がされる度に揺れ動くこととなる。そして2016年11月8日の大統領選挙にて、トランプ氏の当選が確実となるとが、メキシコペソは急落。

メキシコ州知事選における与党候補の勝利

ドル/ペソが数分で20PIPSもの急上昇を見せる展開となる。2017年1月15日には、米トランプ政権による対メキシコ通商・移民政策に関する懸念から、史上最安値である1ドル=21ペソ台を付けた。

しかしその後、メキシコ銀行が機動的な利上げや為替介入を実施したことにより反発。

さらにメキシコ州知事選において、主要な州で与党候補が勝利し、2018年7月の大統領選挙に向けて政治リスクが大きく後退したこと、2017年8月中旬に開始が予定されているNAFTAの再交渉で協定内容の見直しに留まる見通しとなったことなどを背景に、ペソ相場は現在まで上昇基調を継続している。

対メキシコ投資への懸念払拭の動き

加えて、メキシコ銀行は6月22日、政策金利を7.00%へ引き上げている。これらの施策は、懸念していたトランプ大統領当選に対する、ペソの懸念を払拭するためのメキシコ銀行の対抗策とも言えるだろう。

現在の市場は、トランプ大統領がメキシコに対して発言するだけで過敏に反応する。なぜならトランプ法案の内容は、メキシコにとってひとつも良い事が無いからだ。

ただでさえトランプ大統領の思考が保護主義的なので、メキシコの輸出を制限する措置を打ち出したり対メキシコ投資を阻止する発言をすれば、すぐさま一斉売りのリスクが発生する。

リスキーなペソ通貨

選挙期間中や選挙戦時のケースを見ても解るとおり、そういった時のペソは敏感で、それまでの流れすら一変させてしまう。

したがって、トレンドが如実でボラティリティが大きいという魅力があるも、メキシコペソはトレーダーにとって、非常にリスキーな通貨という認識が強い。

メキシコ国境の壁建設

トランプ米大統領のメキシコに対しての政策の中で、筆頭として挙げられるのは壁建設だろう。壁は、米国とメキシコの国境間に建設するというものである。

実際には物理的な壁ではなく、センサーと監視カメラによる仮想の壁となっている箇所もある。これに加え、さらに突破が困難な強固な壁を建設しようというのが、今回のトランプ政策である。

米国とメキシコの国境は、総距離で3145kmとなるが、都市部や砂漠を含む様々な地形を横切っている。壁は過去に最も違法犯罪や麻薬密売が集中して確認された都市部や無人の場所に設置されてきた。

これらの都市部には、カリフォルニア州サンディエゴとテキサス州エル・パソがある。

ニューメキシコ州、アリゾナ州、カリフォルニア州に建設されたフェンスは、2009年時点で930 km以上となっており、テキサス州のフェンスとカリフォルニア州のボーダー・インフラ・システムの作業はまだ進行中である。

密輸や不法移民問題

これらの壁は、メキシコからアメリカ合衆国への密輸や不法移民を防ぐことを目的としている。元々、米国にはメキシコをはじめとした中米からの移民は非常に多い。

移民達は米国内に留まり、極めて低い賃金による不法就労者となっているが、それでもメキシコにいるよりは米国の方が収入を得られる環境があるため、移民の数は増大している。

実際に企業側も、米国人よりも安い人件費で労働力を得ることができるため、違法と知りつつも移民を雇用している現状がある。

壁建設による米国景気への影響

現在のトランプ政権は、移民により米国民の雇用機会が奪われる事により増える米国内の失業率を改善するため、不法移民を抑制する目的で壁建設を推進しているというわけだ。

人件費の上昇

しかし一方では、メキシコ移民を減らす事により、米国企業は低賃金の移民を雇えなくなるため人件費が上がるという側面もある。

そうなると米国企業の収益は、間違いなく圧迫されるだろう。現在米国では、建設業や製造業等の現場では多くの移民が働いているため、それは米国の景気後退にも繋がり得る

麻薬ビジネス

もう一つの理由は、密輸である。メキシコ等、中米諸国から密輸される物と言えば、麻薬が筆頭である。

産油国であるメキシコの経済を支えているのは、表向きは石油の輸出となっているが、裏では麻薬精製、販売であり、その収入額は、ほぼ同等の300億ドルとなっている。

メキシコでも麻薬は違法であるが、麻薬ビジネスはメキシコにおいて大産業となっている。違法ビジネスなのに、ここまで大規模な展開が出来ているのか。

それは、このビジネスを担っている麻薬カルテルのメキシコという国における影響力にある。その根幹は、「金」と「暴力」である。カルテルは政治家など、国内の有力者に片っ端から賄賂を撒いて買収している。

カルテルの思惑

メキシコは世界でも有数の汚職国家であり、一部を除いて政治家も警察もカルテルの手先に成り下がっている現実がある。さらにカルテルは、その金に物を言わせ兵器を大量購入して武装している。

カルテルの強大な戦闘力

その武装たるや、防弾チョッキや重機関銃などの重装備、対空ミサイルや攻撃ヘリコプター、果ては潜水艦まで所有し、その高度な戦闘能力は今や、メキシコ陸軍にも匹敵する。

また軍人のスカウトや軍隊を丸々買収するといった戦闘人員の拡大にも余念が無い。その戦闘力をもって、カルテルは否定分子に対し、熾烈な暴力を展開する。

警官や軍人、敵対組織の売人、麻薬組織を批判した政治家や弁護士、麻薬栽培を拒否した農民を拉致・拷問・殺害・解体し、遺体を路上に晒したり、橋に吊るしたりして、その力を誇示しメキシコ国民を恐怖で縛り付けている。

深刻化するカルテルの残虐性

加えてその標的は、犠牲者の親族にまで及ぶので、メキシコではどこの家庭でも一人や二人はカルテルに殺害されているということが通例となっている。

今年の3月には、メキシコの農場で240人に遺体が発見された事でも解るとおり、メキシコは、法治国家としての体をほぼ失っている。

カルテルが持ち込む麻薬がもたらしたもの

そして、麻薬の一大マーケットは他ならぬ米国である。コカインに限定しても、世界には愛好家が1750万人いるが、その内33%にあたる570万人は米国人である。

米国では若者からビジネスマン、ハリウッドスターにまで麻薬が幅広く浸透している。

コカインに関して言えば、頭の回転が尋常じゃない程速くなり、革新的なアイディアが浮かんだり、身体の中がエネルギーに満ち溢れるという特性がある。

したがって、ウォールストリートのビジネスマンやシリコンバレーの起業家達は、この力を得るためコカインに手を染めている。

深刻な米国の麻薬中毒者数

オバマ大統領も若い頃は、大麻の常習者であったと語っている。

実際に、米国の麻薬中毒者における医療費の額は深刻だ。このような大市場である米国に、カルテルは麻薬を持ち込むため、ありとあらゆる手段を講じる。

運び屋は国境付近にトンネルを掘ったり、国境警備隊員を買収、若しくは脅して越境していくのである。

実際に米国の中でも、カルテルに買収されたり、親族の写真を送り付けられ、米国への麻薬の持ち込みや販売を強要されている人が大勢いる。

トランプ大統領とペニャエスト大統領との衝突

メキシコ国旗

トランプ大統領の壁建設は、米国がこれ以上麻薬に蝕まれるのを防ぐことと、カルテル関係者を米国内に入らせないという意図も強い。

ただ、壁建設の費用において、トランプ大統領はメキシコが負担するべきだと主張しており、これがメキシコのペニャエニト大統領との間で衝突を起こしている。

「メキシコ人が違法に国外に出ていることに対して、メキシコ政府は取り締まりを強化すべきであり、壁の建設によって取り締まりができるのであるから、費用はメキシコが負担するのが妥当」

というトランプ大統領の主張に対して、ペニャエニト大統領は「不法な移民を入国させたくないのはアメリカなのだから、壁の建設費はアメリカが負担すべき」という持論を展開している。

そして現在も、両者の壁建設費用負担に対する見解は平行線を辿っており、行き詰ったトランプ大統領はメキシコに代案を出す。それは、メキシコからの輸入品に高い関税をかけ、その税収入を壁の建設費に充てるというものだ。

NAFTAの見直しと関税問題

現在アメリカは、カナダ、メキシコとの3カ国によりNAFTA(北米自由貿易協定)を締結しており、メキシコからの輸入品には関税が掛からない。したがってトランプ大統領は、このNAFTAを見直し、関税をかけようと考えている。

しかしこれは、米国国内でのメキシコ産製品は販売価格が上がるということにもなるため、トランプ大統領にとっては苦渋の選択でもある。

それでも壁の建設費用の財源が確保できず、最終的に米国の税金を投入させる事態となるのは、何があっても避けたいところであろう。

メキシコ側の主張

一方、メキシコ国内ではアメリカ産の作物や製品が大量に販売されている事により、それが産業を圧迫しているという現状がある。

NAFTAが見直される事は、米国産の製品の輸入を抑制できる効果もあり、国内産業が復活する可能性が考えられる。しかしそれは、米国への輸出の売上が伸び悩むことにも繋がる。

現時点でメキシコは、NAFTAの見直しを受け入れないというスタンスを採っているようだ。

あくまで、自国優位の主張を展開するトランプ大統領に対して、メキシコは「自由貿易を守る立場」であることを強調しており、交渉結果がメキシコに不利なものとなった場合は、「NAFTAを脱退も辞さない」意向を示している。

そしてメキシコは、「国境沿いの壁の建設費用も支払わず、いかなる形でも協力しない」という強固な姿勢をトランプ大統領に向けている。

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