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郵政民営化で顕在化している米国と日本のパワーバランス

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世界最大の金融機関郵政民営化

近年の日本においても、従来国営で行われてきた郵政事業を組織構成を組み換え、民間企業に改編するという改革が行われている。

 

いわゆる郵政民営化であるが、日本において郵便局は、預金や保険などの金融業務を行っており、年金積立金管理運用独立行政法人と並んで世界最大の金融機関となっている。

 

過去と比較しても大規模な民営化案件

過去の日本においても民営化案件は、電力、鉄道、航空などのインフラ関連をはじめとして多々存在した。

 

郵政民営化は、これらの案件の中でも非常に大規模な改革であり、当時の日本では様々な議論も起こり議論されていた。

 

事の起こりは、日本政府が1990年代末から2000年代にかけて行っている郵便・簡易保険・郵便貯金から構成される郵政三事業を民営化することを目的とした政策である。

 

民営化以前の郵便局では、郵便配達以外に郵便貯金と簡易保険、いわゆる銀行業務という保険業務を行っていた。

 

この銀行・保険業務による資金は、日本全国合計350兆円も集まっていた。

 

郵便局の資金のゆくえ

そしてその資金は、郵便局からこの資金が日本国政府に貸し出され、「財政投融資の原資」としてさらに、旧日本道路公団や住宅金融公庫などの特殊法人へ貸し出される事となる。

 

しかしこれらの特殊法人は、膨大な郵便貯金を当てに出来るため、収益性などを考慮を軽視されがちであった。

 

無駄と言われるような、赤字の道路インフラ多数が国内に造られているのは、こういった背景もある。

 

市場競争に晒される郵便局

そこで、郵便局が扱う資金を日本国政府が利用する仕組みはやめ、旧日本道路公団や住宅金融公庫等の特殊法人は、民間企業として自身で収益を上げるべきだということが日本国政府の主張である。

 

同時に、郵便局の仕事自体も民間の仕事とし、郵便局が銀行業務や保険業務として扱う資金は、自らの創意工夫で収益を上げるべきだという事が郵政民営化の意義であった。

 

それだけ聞くと、もっともらしい内容であるが、郵政民営化後は、日本郵政が今まで払っていなかった税の徴収対象となり、また一般企業として市場競争に晒される事になる。

 

また、資金を預かる事のない郵便局窓口でのいわゆる「郵便業務」を別事業として区分するという目的も付随している。

 

民営化後も暫くは日本郵政株は100%日本国政府保有となっていたが、2015年11月にゆうちょ銀行とかんぽ生命保険と供に東京証券取引所第一部に上場された。

 

郵政民営化によるメリットとデメリット

郵政民営化の実現に向けた動きが本格化したのは、小泉政権となってからだろう。

 

既に「公務員を削減する」というスローガンであった。郵便局の職員はそれまで全員が国家公務員であったため、「24万人の公務員を削減できる」というものであった。

郵便局員の人件費

これは、「国家公務員である24万人分の職員に当たる人件費を税金から拠出しなくてよくなる」という事を、国民に伝えたかったのだろうが、郵便局は全部独立採算制である。

 

つまり郵便局の職員の人件費は、元々税金から払われていないという事実があり、この食い違いが今でも疑問視されている。

 

ただ「小泉純一郎」氏は、「国家公務員を減らせると言っていたのであって、税金拠出が減らせると言っているわけではない」という意見もある。

郵政民営化の評判

実際のところ「日本郵政は民営化して良かったのか」という議論がされる事も未だに多いが、実際の評判は芳しくないようだ。

 

同時に、民営化によって国の税収が増えるという事も述べていた。その理由は、民間企業になる事で、「法人税をはじめとした租税が掛かるようになる」という事であった。

 

しかし、民営化される以前は国営企業であるため、利益余剰金は国に収めていたが、これが民間企業となると、その利益から納税額を算出するという事になるので、国の税収は増えても、収受は減るという事となる。

 

ここにも、言葉のトリックと思えてしまうような食い違いが存在している。ちなみに、株式会社は利益が出れば、株主に配当金を支払わなければならなくなるので、その収受はさらに減る事となるだろう。

 

サービスの低下が指摘されている

また民営化後は、メディアでも頻繁に取り上げられていたが、日本郵政が民営化された事によるサービスの低下が取り沙汰された事があった。

 

小泉政権は郵便局の数は減らさないと公言していたが、実際には特に地方に点在している簡易郵便局などの統廃合が行われ、郵便局の実数は減少している。

 

他にも料金の値上げ配達の遅延希望時間に集荷を頼めないといった苦情が殺到している。

 

また分社化したことにより、各社間の連携が無くなったため、特に窓口が少ない地方では、配達員に貯金や保険業務に関する用件を依頼する事が出来なくなっている。

 

日本郵政グループの人員不足による懸念

日本郵政グループは、民営化される事で、元々雇用されていた職員の帰属に問題が生じていたため、相当数の職員が、退職をしていたという。

 

そうなると人員数の低下のため、配達時間が長くなったり、希望時間の集荷を頼めないといった事象を起きるのも必然である。ちなみに、これは昨今、某大手運送会社でも起こっている現象である。

 

料金の値上げに関しても、人員不足が関係するだろうが、日本郵政は自身で営利を追求する民間企業に変わったので、顧客にとって不利な金額が要求される事も十分考えられる。

 

退職を選択した元職員

職員の帰属の問題は、分社化されている事もあり、それ以前の民営化企業より懸念は多いだろう。いわゆる職場や職務内容が変わるという懸念だ。

 

これに加え、正規雇用者が非正規に改められるという事態も起きていたという。

 

日本郵政グループの中には、組織自体が変わるため、一度解雇をして再度雇用するという形式を採っていたところもあった。

 

雇用契約中であれば、先述のような荒業は使えないだろうが、一度解雇しているとなれば、雇用の裁量は企業側に裁量がある事となる。

 

そうなれば当然、賞与などは支給対象外となるし、期間契約社員となった元職員などは、自身の意思に関わらず解雇されかねないという不安も生じる。こういった事を鑑みても、退職を選ぶ職員も多くなるのも無理はない

 

販売ノルマの実態

当時の小泉政権下による派遣法の改正により、日本国内の企業に従業員の非正規化を推奨していたが、正規雇用者を非正規雇用とするというケースは稀であろう。

 

また残った職員、改め社員にとって日本郵政は非常に厳しい職場となっているようだ。ノルマの強要である。

 

郵便局のノルマとしてよく挙げられる年賀状だけではなく、「小包」「切手」など1年中ノルマに追いまくられているとの事であった。

 

元々、民営化以前から販売ノルマは存在していたようだが、現在のような強烈な強要はなかった。しかし今では、非正規雇用者にまでノルマが及んでいると言われている。

 

しまいには、自爆営業も発生しているようで、民営化日本郵便本社は、自爆営業の強要はしていないと否定しているが、目標値という名目のノルマ達成のために自爆する販売員の存在は、過去の日本において幾つも存在した事実である。

米国からの圧力

Joint Press Availability with the Prime Minister of Japan.

そもそも郵便事業に関しては、営利目的の事業ではなかったため、ノルマなど設ける事自体がナンセンスなのではないかと思われる。

 

そもそも、小泉政権がなぜ民営化を強行に近い形で、推し進めたのかと言うと、偏に米国からの圧力によるものである。

 

米国政府、及び米国の保険業界や経済団体は、1990年代初頭から毎年、規制緩和要求や保険協議などで郵貯・簡保の廃止、民営化の要求を日本政府に一方的に突きつけていた。

 

その熱心さたるや、2004年9月22日の日米首脳会談で、ブッシュ大統領自身が直接、小泉首相に「郵政民営化が進んでいるか」と確認したほどである。

 

米国の狙いは?

これは当時、郵便貯金の100兆円以上の貯蓄残高を、米国の機関投資家が手を着けられる様にするためであり、郵政公社という日本の巨大な市場を開放させる事が本当の目的であったとされている。

 

現にウォール・ストリート・ジャーナルは、郵政民営化で米国債株式市場が大勝利者になると述べている。

 

民営化前の郵政公社の窓口にも、ゴールドマン・サックスをはじめとした、米国の運用会社が運用する投資信託商品の資料が置かれえていた事もある。

日本郵政社長 西川善文氏とは?

ちなみに民営化後の日本郵政社長には、三井住友銀行の頭取であった西川善文氏が就任している。

 

西川善文頭取は、三井住友銀行時代にゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたと言われている人間である。

 

加えて、民営化以前の郵便貯金資金の委託運用先、簡易生命保険資金の委託運用先を見ると、三井住友系企業、ゴールドマン・サックスの比重が異常に高かった事も分かる。

郵政民営化の中心にいるゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、米国の代表的な投資銀行であるが、自身のグループにおいて米国の年金基金等、様々な公的年金を運用している。いわば、米国の財源を運用にて作っているような企業である。

 

郵政民営化が、米国政府の圧力によるものであるのは、今や周知の事実となっているが、これらの要素を鑑みると、ゴールドマン・サックスが郵政民営化の中心にいると見ることが自然であろう。

金融における日本市場の開放

米国政府は、第二次世界大戦以降、何度も日本に圧力を掛けてきた。その中で多い要求は、貿易不均衡の是正と主に金融市場の規制緩和である。

 

後者の例では、日本のバブルを増長させた規制緩和があり、この時に債権や株価指数が日本国内でも導入され、外資系金融機関が一気に日本になだれ込んで来た。

 

そして主に、外資系金融機関が生み出した様々な金融派生商品が、日本国内で出回る事となっている。規制緩和圧力とは、いわゆる日本の市場の開放の要求に他ならない。

 

ゴールドマン・サックスが「日本郵政を実質支配する」?

米国の金融機関が、自身達の餌場を増やすためと考えるのが自然であろう。民営化の要求も、日本郵政に限らずいくつもの企業で行われてきた。

 

これらも、民営化に伴うIPO等により米国の機関投資家が、その企業の株式市場に参入できる事、IPO自体で利益を得ることが出来る。

 

特に日本郵政上場にあたっては、幹事は11社という異例の多さであった。外国からも、合計4社が指名されていたが、その外国勢の筆頭は、やはりゴールドマン・サックスであった。

 

陰謀論の様な、ゴールドマン・サックスが「日本郵政を実質支配する」、などという企みが本当にあるのかは定かではないが、少なくとも郵政の資金が、米国をはじめとした海外に開放された事は事実である。

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