注目のキーワード株探TMJ投資顧問525%上昇↑

ブラックウェンズデー通貨危機が引き起こされる情勢の歪み

 | 0件のコメント

ブラックウェンズデー通貨危機が引き起こされる情勢の歪み

低迷の英国-ERM加入による英国への止め

マーケットの歴史の1ページに、ブラックウェンズデー(暗黒の水曜日)と呼ばれた日がある。1992年9月16日である。この翌日の1992年の9月17日に英国は、欧州為替相場メカニズムを離脱することとなる。

 

英ポンドは、第二次世界大戦後、ブレトン・ウッズ体制の元、対米ドルで固定相場制を採用していたため、国際収支の水準によって都度、緩和と引き締めを繰り返すストップアンドゴー政策を採らざるを得ない状態にあった。

 

経済低迷の「英国病」

これが1960年代以降、社会保障制度や基幹産業の国有化等の政策により、英国は社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下、さらに既得権益の増大により、国際競争力を失くしていった。いわゆる「英国病」と呼ばれる経済低迷状態に繋がっていく。

 

英国病は、1980年以降に英国が、北海油田の原油を輸出できるようになったことで脱却を成しえたが、それでも国際収支は赤字体質となっていた。

 

そこに1973年に起きた第1次オイルショックが追い討ちを掛け、低迷している景況に物価が上昇していくというスタグフレーションに陥ることとなる。

 

失業率・倒産件数の悪化

1979年になるとサッチャー政権が発足し、国有企業の民営化、税制改革や規制緩和等を施工していく。この拡張的金融政策にて、米国の失業率は改善傾向にあったが、1990年のERM(欧州為替相場メカニズム)に参加後、再び悪化することとなる。

 

1990年に東西ドイツが統一されて以来、旧東ドイツへの投資が拡大したため欧州の金利は高くなり、ERMに属している英国も伴って金利を上げざるを得なくなっていた。

 

これが英国経済に打撃を与え、1992年には10%近くまで失業率が上昇し、景気は大きく後退することとなる。企業の倒産件数も1931年以降最多となった。

ジョージ・ソロスの大規模な英ポンド売り

ジョージ・ソロス書籍

ジョージ・ソロス書籍

欧州通貨との連動により、実景況と見合わない高金水準となっていた英ポンドは、ある投資家に目をつけられる。それは、現在でも著名な「ジョージ・ソロス」である。

 

当時ソロス氏は、もう一人の著名投資家である「ジム・ロジャース」氏と供に「クォンタム・ファンド」を運営していた。英ポンドはこのクォンタム・ファンドに売り浴びせられることになる。

 

ジョージ・ソロスの持論

ソロス氏は「相場は必ず間違っている」という持論を持っており、これが現在ヘッジファンドの代表的な手法の根拠となっている「乖離の収縮」という概念の走りとなっている。

 

当時の英国の実勢と英ポンドの水準は明らかに乖離があったため、ソロス氏には格好のターゲットと映ったのであろう。クォンタム・ファンドは、大規模なポンド売りを仕掛けた。

 

イングランド銀行の抗戦

その売りは激しさを増していき、1992年9月15日には欧州通貨に対する英ポンドの変動制限ラインである2.25%を超えた。英国の中央銀行であるイングランド銀行はこれに対抗し、英ポンド買いによる介入で抗戦した。

 

加えて英ポンド買いを他所からも誘うため、9月16日には肯定歩合を10%から12%、さらにその日のうちに15%に引き上げるという異例の措置を採った。

 

しかしそれでも売り圧力は止まらず、英ポンドはERMの規定水準を維持できず、9月17日に正式に脱退することとなった。

 

なぜ通貨危機は起こるのか?

変動相場制に移行してからも英ポンドは1995年まで売られ続けこととなる。ちなみにこの時には、英国と同様にイタリアもERMを脱退している。

 

売り浴びせられた通貨は英ポンドだけではなく、ERMに加入しているいわゆる弱い通貨も同様である。この時の弱い通貨とは、主に独マルク以外のERM加盟通貨を指す。

 

ERM加盟国通貨のようなバランスの偏り

元々、ドイツは東西統一による財政負担とインフレ圧力に晒されていたため、金利は常に高い水準にあった。したがって、ドイツの高金利は実勢と合っているということになる。

 

対して他の欧州国は、英国と同じようにERMによって実勢に見合わない高金利政策を採らなければならない状況にあった。

 

したがって元から、ERMの中では「独マルクが独歩的に買われやすく、他の通貨は売られやすい」という構図ができ上がっていた。

 

この当時の英国のような情勢とレートの乖離や、独マルクと他のERM加盟国通貨のようなバランスの偏りは、現在でも基本的なトレードターゲットの定め方となっている。

 

まさに一部のトレードプラットフォームに組み込まれているAIとは、そういった偏りを世界じゅうから瞬時に見つけることができるのだ。

コメントを残す

10 − nine =