物価目標2%と賃上げ率の相互性

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昇給

簡単にはいかない賃上げ

賃金改定率の推移は、労働者から見て考えれば賃金水準は毎年の定期昇給分のみ上がっているというのが実態だ。

よく、労働市場全体における賃金の上昇率定期昇給込みの賃上げ率を混同している人がいるが、間違いである。

超高齢化が進む中で、定年退職者が増加しているが、その代わりとして若い世代が入社してくる。

そうした流れによって、労働市場全体の平均年齢は大きく変わらない。賃金上昇率においても、定期昇給分を除いて見る必要があるだろう。

今年度の春闘賃上げ率は2.11%とされており、定期昇給は1.69となっている。

これを見ると、ベースアップは0.4%となり、今年度の一般労働者の所定内給与は前年比0.4%で、ベースアップと同じとなることがわかる。

ただ、名目賃金を消費者物価で割り引いた実質の賃金は、労働者の生活や消費行動に直接影響すると言える。

アベノミクス開始されてからは、消費者物価の下落する可能性は少なからずあった。

しかし、実際は緩やかな上昇が見られている。消費者物価は消費税引き上げの影響で6%上昇している。

この期間は、名目賃金上昇率は2%弱となるので、実質賃金は4%ほど低下していることになる。

2018年は賃上げする好機

失業率は完全雇用の3%ほど下回り、2%後半まで低下するなど、労働需給は良い状態が続いていると言える。

企業収益においても、過去最高更新が続いており、好調である。また、2016年にはマイナス圏で推移が見られた消費者物価上昇率は9月以降伸び始めてきている。

労働需給や企業収益、物価は賃上げ率に大きく影響するが、いずれも改善が見られているのだ。

2018

2018

こうした中で、来年度は賃上げする絶好の機会とも言えるのではないだろうか?

安部政権も経済面において3%の賃上げを掲げており、来年度の賃上げ促進税制の拡充を図るとみられる。

ただ、企業側にとってみれば、賃上げはなるべくなら避けたいものである。

というのも、経営者は企業の収益を増大させることを目的としているため、そのためには賃金を上げずに働いて欲しいという考えがあるからだ。

しかし、賃上げしなければ労働者が退職したり、雇用確保を強いられることになる。賃上げもやむを得ない状況となることは明確なのである。

賃金は上がるのか?

日本銀行は消費者物価上昇率2%の物価安定目標を2年で達成するため、2013年から異次元緩和を実施している。

現在の段階では達成できていないが、今後も物価目標を撤回する可能性は低いだろう。

日銀は、生鮮食品及びエネルギーを除く総合を重視しており、この上昇率もプラス圏にいき、物価上昇圧力も高まってきているのが実態だ。

消費者物価上昇率は、今後またマイナスになる可能性は低いのではないだろうか。円安や原油高が進めば、上昇率は2%に届く可能性もあるだろう。

ただ、実質賃金が上がらなければ、消費の回復も期待できない。2%の物価目標が今後達成されれば、実質賃金の伸びがプラスになるにはベースアップも2%以上必要となってくる。

ベースアップは、長い目で見れば消費者物価上昇率を上回ることが多いのが特徴だ。しかし、ベースアップ2%を一般的に用いられる定期昇給込みの賃上げで表すと4%となる。

実際に目指すべき賃上げは4%と言っても、世間や経営者は納得する人の方が少ないだろう。実際、安部政権が掲げている3%の賃上げ達成も長期的なものとなると予測される。

その一方で、2%の物価目標と賃上げ率はあくまでも4%となり、たとえ安部政権の3%が達成されても時間がかかることは明確である。

ベースアップだけを見ても、目標が達成されるのは短期間では難しいだろう。日銀の物価目標と整合的なのは4%だが、これが受け入れられるかどうかも焦点となるだろう。

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