香港証券取引所での金先物取引開始の意図とは

 | 0件のコメント

香港証券取引所で金先物取引を開始

香港の証券取引所は、2017年7月に人民元建て、もしくは米ドルによる金先物取引を導入した

香港にとって、株式や金利、為替といった原証券や今までの取引法から作られた新たな金融商品・デリバティブ市場に参入しようとしたことは、今回が初めてというわけではない

中国が世界トップクラスの金鉱夫や金消費を増やし、他の国々を一気に抜いていた時期もあったが、現在では貴金属の国際取引はロンドン・ニューヨークを中心に行われているのだ。

 

ただし、これまでの取り組みが不足していた分、今回の新たな参入によって成功するチャンスがあると言っても良いだろう。

確かに、香港は長らく金先物を提供してほしいと求めていた。2006年にはドナルド・ツァン元首相が市場に交換取引の金契約を締結するよう求めている

しかし、香港証券取引所は特に関心を示さず、結局政府は証券取引所とは異なる新たな市場、香港商品取引所を立ち上げたのだ

2011年から取引が開始されたが、金価格は過去最高となる1921ドルにも上昇。

中国

しかし、その後新たな取引を扱うこともなく、金価格の減少に従って取引も減少、2013年4月頃になると1日にわずか数百ロットにまで数量を減らし、その月の取引手数料は1万米ドル未満にまで落ち込んでしまった。

その結果、取引所は崩壊し、都市再建局長を務めていたバリー・チャン氏が詐欺の容疑で逮捕されてしまったのである。

元を国際通貨として販売促進したいという狙い

香港商品取引所は四半期の収益が30億香港ドルとなっていた時もあり、財務的には非常に魅力的と言えるだろう。

今回、新しい金先物を香港証券取引所が行うことが決定したが、そのメリットとして挙げられるのが、元建てで決済が可能という点だ。

元金建てでの決済が可能になると、元(ウォン)を取引や投資などの国際通貨として押し上げるための問題解決が期待できる

企業や投資家は通貨の高騰を受け、人民元を保有し、米ドルに対し1割高の評価を受け、2014年12月には預金1兆円を超える程の利益を生み出したのである。

 

しかし、その後2015年8月には本土当局によって人民元の切り下げが発表され、米ドルに対する減価償却を開始すると預金者及び投資家は恐怖を感じてしまったのだ。

2017年6月の現預金価値を調べてみると、高額だった価値がわずか5260億ドルと半分以上減少してしまったのである。

国債投資家は預金だけを警戒しているわけではない。例えばオフショアの元債券の買い手が米ドル債券と比較し拾い上げるポイントは余分な利回りであるが、中国の為替リスクを投資家が補っていくには不十分であることが挙げられる。

金先物取引は今度こそ成功につながるか?

国際準備通貨として元を促進していきたいという中国の計画には、問題点も多い。簡単に言えば、安全な資産とは言い切れないため誰も保持したがらないのだ。

預金や債券が償却されてしまうリスクなども考えられる。さらに中国の株式市場はあまりにも揮発性であり、リスクも大きい。その結果国際化も逆転してしまっている。

香港証券取引所が新たに発表した金の先物市場がオフショア市場で人民元により取引するよう促せば、世界でも最大規模であるロンドンやニューヨークの金先物取引からの流動性を奪うことができるかもしれない。

金の先物を試すことは中国政府を喜ばせることにつながると言えよう。

少なくとも香港証券取引所に務める上級役員は、詐欺行為で裁判所に訴えられることはないということを、市場に参加している人に伝え安心させる必要があるだろう。

コメントを残す

thirteen + twenty =