消費税増税と2018年度の予算案

 | 0件のコメント

2018年度予算案と基礎的財政収支

2018年度の予算政府案における一般会計の歳出総額は97兆7128億円と過去最大の規模である。2017年度の当初予算である97兆4547億円から2581億円増えているが、それは社会保障関係費が影響している。

高齢化に伴い、社会保障給付の増加が予想されるほか、厳しさを増している安全保障環境への対応における防衛関係費が背景にあると言える。税収が増加すると、一般会計の国税にも影響する。

実際、前年と比較して1兆3670億円増加すると見込んでおり、その他の収入が4313億円減ることから、結果的に9357億円の収入税が見込まれる。予算編成としては、国債発行の減額に6800億円、2600億円は前述の歳出増に充てている。

基礎的財政収支は、2017年度の当初予算である10.8兆円の赤字から、2018年度予算案では10.4兆円の赤字となり、4000億円減っている。2017年度の内閣府公表の中長期の経済財政に関する試算を視野に入れても、2018年度の一般会計の基礎的財政収支は10.5兆円の赤字を試算していた。

こうした面では、0.1兆円多く赤字を縮小できており、経済・財政再生計画で目安とされた一般歳出の伸びも5300億円に抑えることができている。また、社会保障費の伸びを約5000億円抑えることができた予算案となっている。

目標達成度と医療・介護分野の要望

2018年度の予算案は、財政健全化の目標としても達成することができた内容となっているのがわかる。

ただ、財政健全化を重視する立場にいる人たちにとっては、基礎的財政収支が約4000億円しか改善できていないことは物足りなさを感じるに違いない。

社会保障費も5000億円の増加で目安は達成できたが、個々の内容は歳出抑制可能だったという見方もできる。医療面においても、診療報酬改定では薬価制度の抜本改革を実行することで薬価を抑制でき、マイナス1.36%となれば全体としても前回に続きマイナス改定となっただろう。

ただ、診療報酬そのものが0.55%アップのため、結果としては全体でのマイナス幅は1.19%となっている。医療関係者にとっては、医療従事者の給与や処遇の改善、医療機関の経営改善のためのプラス改定が必要であり、その要望が通ったことになる。

介護報酬に関しても、0.54%のプラス改定で、介護現場の職員や処遇改善を重視した結果となった。公共事業関係費においても、ほぼ前年比と変わらず、こちらも公共を強く要望する与党側の意向を反映したものであることがわかる。

消費税の使い途と増税

12月8日の閣議決定で新しい経済政策パッケージが出された。これは、衆議院選挙時に消費増税の使途変更で2兆円規模の歳出拡大を年内にまとめると公約したものを具体化するものである。

2019年に予定されている消費税の引き上げによる財源を活用することになる。増税により5兆円強の税税収となるが、この増収分は教育負担の軽減や子育て世帯の支援、介護人材の確保、財政再建にそれぞれ半分ずつ充当するとしている。

歳出拡大についても、幼児教育の無償化や待機児童の解消、保育師の処遇改善、高等教育の無償化、介護人材の処遇改善に充てる方針だ。これらは、消費税増税と同時に実行することとしている。

しかし、消費税増税における使途変更は、2020年度の基礎的財政収支黒字化の目標には届かない見通しだ。12月に閣議決定された平成30年度税制改正の大綱では、高所得者向けの所得税改革を行い、2020年に実施が決まっている。

所得税増税の実施時期をずらした経緯があっても、2018年度予算案については消費税増税とは直接関係はない。ただ、消費税増税を延期しづらくなる縛りがあるようにも感じられる。

コメントを残す

7 − 6 =