平昌冬季五輪と南北合同トレーニングにおける現金供与へのリスク

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現金供与へのリスクとは

来月9日にいよいよ開幕する平昌冬季五輪だが、ここにきて思わぬ現金供与へのリスクの高まりが懸念されている。

最近になって、北朝鮮の馬息嶺スキー場に自国選手を派遣し、南北合同トレーニングを行うという提案が韓国から出された。

しかしこの提案は、金正恩政権を正当化することにもなり、さらに現金供与へのリスクが懸念されるのだ。

合同トレーニング案は、一般市民が飢えに苦しむ中でスキーリゾートを建設するという時代錯誤な金正恩の決定をも正当化することになる。

そもそも北朝鮮の平昌冬季五輪参加は、この機会で南北の緊張緩和や北朝鮮の核・ミサイル問題におけるこう着状態を打開するきっかけにするというのが文大統領の目的でもあった。

合同トレーニングに参加する選手は今回の五輪には出場しない見通しとなっているが、韓国政府は、北朝鮮のスキー場への視察やスキー選手が移動に利用する可能性の高い空港へも訪れる予定になっている。

2013年にオープンしたスキー場は、高級リゾート開発が進む元山の近郊に位置する。

しかし、元山や葛麻空港は大規模な火器演習をはじめ、ミサイルの発射実験も多く行われている場所でもあり、国防上でも重要な地域と言える。

 

馬息嶺スキー場建設の狙いと経済的支援の可能性

このスキー場は、市場経済化が進んだ結果、海外の旅行客や富裕層から外貨を巻き上げる狙いがあると見られ、国営メディアも生活水準向上として報道している。

しかし、韓国側は数少ない国の資源を流通した象徴的な例であると批判している。

このスキー場での滞在費用は、決して安価ではない。食事やスキーレンタル料を含み1日で100ドル前後で、平均賃金の倍以上にもなる。

韓国側はスキー場への選手派遣については未だ決定していないが、万が一施設の料金やトレーニング機材を提供することになれば、国連制裁における問題発生は避けられない。

こうした経済的な支援をすることは、経済制裁効果が薄くなるばかりか、北朝鮮への制裁や圧力を与える立場としてのあり方も問われるに違いない。

韓国は、こうしたけ制裁決議に抵触しかねない懸念を払拭するために慎重に計画し行動する必要があるだろう。

そもそも文政権の目標は、南北の緊張を緩和し、北朝鮮の核問題解決に向けた第一歩として冬季五輪を上手く利用するということなのだ。

 

北朝鮮への現金供与という危険

今回の平昌冬季五輪において、北朝鮮選手団に経済的支援をすることになれば、世界的に韓国への批判も集中するに違いない。

現金供与のリスクが高まれば、それだけさらなる北朝鮮の暴走を招きかねない。馬息嶺スキー場では、その美しい景観を保つべく子供達に雪かき作業をさせていたことが明らかになった。

北朝鮮の大小のインフラ事業に対し、常習的に強制労働が行われていることは多くの方が知っていることでもある。

しかし、本来であれば学生であるべき子供たちでさえも、義務的労働として課され、働かされているのが実態だ。

こうした中で、韓国と北朝鮮は、金剛山で行われる文化イベントや両国のコンサート、韓国でのテコンドー実演など、数々の合同五輪関連プログラムを予定している。

平昌冬季五輪は、非政治的なスポーツを楽しむイベントだが、周辺のイベントがそれ以上に大きくなればなるほど、五輪の意義も政治化される恐れがあるのだ。

今後の両国との計画や動向には目が離せない状況が続きそうだが、北朝鮮の思惑通りに進むことは避けたいものである。

南北合同トレーニングは、実現するのだろうか。それに伴う韓国の経済的支援が見られる可能性はどれほどのものなのか。

世界が注目する中で、今後韓国側は本来の目的や立場を考え行動することができるかどうかが焦点となる。

一般市民や子供達が苦しむ中、平昌冬季五輪はどのようにスタートするのだろうか。

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