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2018年春闘、賃上げ3%は実現できるのか?

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2018年は3%の賃上げが期待できる?

先日、経団連や経済同友会、日本・東京商工会議所の3団体による新年祝賀会が開催された。

祝賀会後に行われた記者会見にて、安倍首相から今年の春闘で経済界に要請している賃上げ3%の件について、引き上げの勢いを強化していきたいとコメントし、消費喚起を促しつつデフレ脱却を目指すという意向を示した。

この3%の賃上げについては昨年10月に行われた経済財政諮問会議でも訴えており、祝賀会中でのコメントでもその言葉を述べている。

この3%を実現するためには中小企業の働き手の確保が急務であると日本商工会議所の三村会頭は答えた。

経団連側の意見を見てみると、榊原会長は3%の賃上げに対して社会的にそういった要請があることを意識し、前向きに対応していけるよう呼びかけたいという発言をしている。

3%の賃上げに対して積極的な動きが見られる可能性が高い。法人税率25%の決定を受けて経団連側では3%の賃上げに向けての方針を固めているのだ。

実は既に3%の賃上げを打ち出している企業もある。

例えば大和証券グループ本社では、全ての社員に対して月収ベース3%以上の賃上げを実施する方針であるとしていて、2018年6月より月収が引き上げられる。

サントリーホールディングスでは、年収ベースで3%程度の賃上げを目指しているとしており、こうした企業側からも賃上げへの前向きな対応が見られているのだ。

賃上げの推移が変わらない可能性が高い…その理由とは

上記のように春闘に向けて前向きな賃上げを検討している企業も多く見られるが、中には賃上げが難しい企業も多く、上昇率は昨年度同様もしくは抑制される可能性が高いと懸念している人がいるのも事実だ。

なぜ、賃上げができないのか。その理由として挙げられるのは業種による問題である。

例えば飲食業や運輸業など、人手不足が深刻化している業種では人手不足にも関わらず賃金は上がっていない。

賃金が上がらないのは効率化を実施していなかったため、これから設備投資を行う可能性が高く賃金を上げるよりも設備投資にお金を使ってしまうからだと言われている。

しかし、これ以外にも理由が存在する。それが、古くから受け継がれている雇用慣行だ。

日本には未だ「年功序列」の雇用体系が根付いており、若い内は給料が安いが、年々増えていくというものだ。この雇用体系は日本独自のもので海外ではほとんどそういったものは見られない。

また、この他にも団塊の世代と呼ばれる人が正社員を引退した後、一気に非正社員として労働市場への参入も影響があったと言っても過言ではない。

通常であれば人手不足によって若年非正社員の賃金アップを目指せるはずだったが、高齢者の非正社員が増えたために労働供給が高まり、若年非正社員の賃金アップが難しくなってしまったのだ。

企業はどれだけ政府の要請に対応できるか

上記でも示したように、安倍首相は優遇税制を取り入れ3%の賃上げ実施を目指しているが、様々な理由から全ての企業で3%の賃上げを実施するのはかなり難しいと言えるだろう。

さらに、現在ではIT化が進む中で労働力も代替されてきている。例えばスーパーではセルフレジを導入し、人件費を削減する傾向も進んでいるのは身近に感じられる。

また、特定の企業が市場のシェアを広げ、ほぼ独占・寡占状態になっている業界ほど労働分配率が下がりやすいと言われている。

製造業ではこのような企業の影響が大きいと言われており、どのような対応を取るのかが問題点として指摘できる。

こうした環境が現場にまだ根付いている以上、賃上げ3%の実施は難しいだろう。

今後、デフレ脱却に向けて賃上げしていく必要があるが、日本企業はどこまで賃上げに対応できるのだろうか。