2018年ギリシャの債務問題が再び浮上?経済・金融支援事情

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2018年、再びギリシャの債務問題が浮上する可能性

およそ3年ほど前に遡る。ギリシャ情勢はとても緊迫な状態に陥っており、これをギリシャ危機と呼んで話題となった。財政破綻からギリシャ支援を巡るEUとの協議の末、支援を打ち切られるなど、様々なことが起こった。

このギリシャ危機の発端は国家的粉飾決算が発覚後、国際通貨基金への返済が滞ってしまい、金融支援がストップしたことから始まる。その後はユーロ圏での首脳会談が行われ、ギリシャに対し第3次金融支援の実施を行うこととなりようやく事態は収束化していった。

ただ、2018年を迎え再びギリシャの債務問題が浮き彫りになろうとしている。実は第3次金融支援が2018年の夏に期限を迎え終了してしまうのだ。つまり、再びギリシャの債務問題が浮上し、ヨーロッパ・ユーロ圏の金融市場に大きな負担としてのしかかる可能性が高いと考えられる。

現在、債券市場を見てみるとギリシャの国債利回りが低下し12年ぶりとなる水準を記録しており、市場関係者も回復途上にあるとしている。

2017年12月は製造業活動も拡大しており、企業の雇用・生産拡大など景気が良くなってきている傾向にあるが、金融支援が終わると現在の景気動向がどう変化してしまうのか注視したいところである。

多額の借金で支払い能力危機に陥っているギリシャ

ギリシャの国債利回りの低下はみられるものの、経済成長につながっているのかというと実際のところそこまで大きな成長につながっていないのだ。ギリシャでは基本的に輸出を中心とした動きで経済の持ち直しを図っているが、そもそも輸出自体があまり牽引力が大きいわけではない。

また、貿易赤字・財政赤字については解消されているものの、ストック面の調整は滞っており、債務残高の削減には至っていない。

ちなみにギリシャの債務残高は2012年に約3051億ユーロに減ったが、そこからは動きが停滞しており、2017年10月時点での推計を見てみると、2016年の約3194億ユーロから上がり、約3263億ユーロとなっている。

政府総債務残高の対GDP比を見ても、2013年から同水準を推移しており、今後も削減の見通しは立っていない。経済成長が見られなければこうした債務残高の削減も難しいだろう。未だにギリシャでは経済活動が多額の借金を抱えてしまったことで難しくなり、支払い能力危機に陥っている状態が続いている。

ギリシャが持つ多くの借金の内、ほとんどはEUや国際通貨基金からの借り入れとなっているため、万が一のことがあれば返済負担に対して救済措置が設けられる場合もあるだろう。しかし、これらは合意が成立すればの話であり、本当に救済措置が設けられるかどうかは交渉次第と言える。

2018年 ギリシャ問題に従事した人々の引退・退任

他にもギリシャ危機が浮上する可能性が高いと言われる理由が存在している。それが、EU内でギリシャ問題に取り組んできた人達が次々に引退してしまうという点だ。

例えば、ユーロ圏財務相会合にてギリシャ問題に取り組んできたウォルフガングショイブレ氏が財務相を勇退しており、この他オランダ財務相の引退、欧州委員長や欧州中央銀行総裁の退任なども挙げられる。

今までギリシャ問題に取り組んできた人達が次々に引退・退任してしまうことで、ギリシャ問題を今後どう取り仕切っていくのかが注目を集めている。また、ギリシャ国内でも解散総選挙が行われるのではないかという予測の声が上がっている。

現在、与党の支持率は低迷状態にあり、新民主主義党を中心とした連立内閣が発足する可能性が高いが、あくまでチプラス首相は今政権を譲ってしまうことで野党として力を付けていくだけでなく、金融支援の交渉を新たな政権に投げてしまおうという流れに持っていきたいのではないかと考えられるのだ。

EU自体も政治的混乱やユーロ危機などがある中で、ギリシャの債務問題も解決させないといけないということもあり、2018年は何かと頭を抱える年になりそうだ。