中国のAI産業、バブルへの懸念と将来の展望

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中国大手検索エンジン・百度による資金調達で見えた、AIへの期待

先日、中国の大手検索エンジンサイト・百度(バイドゥ)のAI部門幹部を務める林元慶氏は、これから事業を開始する企業のために資金調達ラウンドを利用し約2500万ドル以上もの資金を得ることに成功した。

会社自体の価値が8億ドル以上にも及んだことで、かなり多くの資金を獲得することに成功したのである。しかし、実はここまで大きな資金が集まるとは考えていなかったという。

なぜなら会社の事業というのは実業家に向けてAIを応用した事業計画ではあったものの、具体的な製品計画ではなく、従業員数も少なかった。

これらの理由から資金調達を行ってもそこまで調達できるわけではないだろうとの見方を強めていたが、それでも2500万ドル以上にも及ぶ資金調達ができたのだ。

中にはアメリカベンチャーキャピタル企業でもあるセコイア・キャピタル、ジェネラル・アトランティックなども投資参加しており、注目度は非常に高かったと言えるだろう。

中国ではこのように現在ハイテク事業、特にAI事業が活発的に行われている。ただ、今回の事例は中国AI事業でバブルが近づいている懸念にもつながっている。

世界トップを目指す、中国のAI事業

現在、中国政府では「2030年までにAI事業を世界トップクラスの水準まで持ち上げる」という目標を掲げている。バイドゥやアリババ、テンセントなど、中国の大企業を中心にAI技術者を育てるために養成学校も行っており、ますます中国のAI事業は進化を続ける可能性が高い。

ネット社会となっている中国では買い物や旅行などでトラブルが発生してしまってもAIを利用して様々な問題が解決できるようになっている。また、独立・起業を行う技術者も増えてきており、先程紹介したようなスタートアップ企業も数を増やしてきているのだ。

世界トップクラスの実力を持つ中国のハイテク・AI産業だが、実は問題点もある。それはバブルが崩壊してしまうのではないかという懸念だ。AIへの期待が強すぎることによってバブルが発生し、その後崩壊することで中国全土が危険な状態に陥ってしまうのではないかということだ。

また、実は以前にAIではないが、インターネットが普及したことにより関連銘柄が急騰、そしてバブルとなり崩壊していってしまったことがある。これは1999年代末〜2000年代初頭のアメリカで起きた「ドットコム・バブル」というものだ。

今回のバブルの状況と似たような形であり、十分注意が必要だ。しかし、バブル崩壊直後は経済的に不安定な状況に陥っていたものの復活し、今ではインターネットがなくてはならない存在になっていったことを考えると、AI事業に関してもバブルが崩壊したことによりさらなる発展を生むのではないだろうか。

中国のAI産業は今後どう発展していく?

中国はAI産業の発展を目指し、3カ年計画を打ち出している。各省や自治区、直轄市などに通知され、2018年から本格的に3カ年計画がスタートすることになっている。国務院でも既にAIに関して巨額の新規投資を行う旨を昨年より発表しているのだ。

行動目標は4つの分野によって異なり、それぞれの実用化と普及を目指していく。

AI自動車やロボット、無人航空機、臨床活用などの「製品分野」、AIセンサーやニューラルネットワーク処理チップの量産、オープンソース型のプラットフォームを整備することなどが挙げられる「インフラ分野」、AIによる製造ラインや状況把握、AI工場モデルの進展などの「製造分野」、そしてデータベースや試験の標準化、安全・試験評価システムの整備などの「関連分野」に分類されている。

具体的なところで言うと、例えば自動車に関しては高度自動運転が可能な自動運転レベル4の実現、無人飛行機の場合2020年までに機体が傾いたかどうかを0.0005度単位で感知できる技術を開発するなどの目標が設定されているのだ。

まだ中国の3カ年計画は始まったばかりである。今後計画が順調に進んでいけば、AI産業において中国がトップクラスの技術を持つようになるかもしれない。ますます中国のAI産業に注目していきたいところだ。

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