日銀の金融緩和における出口戦略、今後の政策はどうなる?

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日銀の政策変更について

日銀は、2013年4月に量的・質的金融緩和が導入されて以降は、毎年政策変更を少しずつ行ってきたが、昨年2017年の1年間は政策変更を全く実施していない。

物価上昇が高まらずという実態も、これまでのように追加緩和が実施されなかったのは政策の基本姿勢がすでに変わっていたからではないだろうか。

きっかけとしては、2016年1月のマイナス金利政策の導入が主に挙げられる。

マイナス金利は、物価上昇率2%に向けて勢いをつけるための起死回生策としてしていたものの、この政策は日銀の予想通りにはいかず、円高、株安といった悪い反応を引き起こしている。

 

こうした悪影響は、マイナス金利政策導入後には様々な方面からの強い批判を招く結果となってしまった。

そんな状況の中、2016年9月に発表された総括的な検証と短期金利に加え長期金利も操作するというイールドカーブ・コントロールの導入である。

従来の政策を多様な手段で金融緩和を推し進める「攻め」の政策と呼んだ場合、この政策は「守り」という位置付けにあなる。

そのため、よほど経済環境が悪化しなければ追加緩和措置は見送られる可能性が高く、2017年はそのような背景があったために、政策変更がなかったのだと言えるだろう。

長期金利目標の短期化

2018年には、長期金利目標を1年から5年の短期化措置が実現される可能性が高いと言われている。

目標の短期化によって、長期金利のコントロール力が高まり、国債買い入れ増加のペースを着実に縮小させ、買い入れの限界を回避することが可能になるとされる。

しかし、たとえ短期化しても水準を0%で変えない限り、日銀は政策変更ではなく技術的調整として説明する可能性が高い。

今回は2%の物価目標との整合性が問われないという利点がある一方で、事実上は正常的な政策であると言えるだろう。

 

この措置で5年以上の金利を上昇させ、イールドカーブを右肩上がりにさせることで、金融機関の収益を改善させることもできる。

日銀は、長期・超長期金利の低下が経済に良い影響を与えないことを認めている。

生保・年金の資産運用を悪化させ、銀行の利ザヤを縮小させ金融仲介機能を低下させてしまうことが理由に挙げられる。

10年金利を政策目標としている限り、長期・超長期金利の上昇余地は限られ、金融機関の収益改善は実現できないだろう。

銀行の収益性と今後の金融政策

日銀は、2017年10月、半期に1度の金融システムレポートで、銀行の低い収益性に焦点を当てビジネスモデルに根ざした問題点について指摘した。

このレポートは、日銀は銀行の収益力に配慮して金融政策の正常化をさらに進める考えを持たないというわけではない。

日銀としては、すでに大手銀行で始まっている構造改革が、地方銀行も含め広範囲で持続的に進められていれば、金融政策も銀行の収益性に配慮して運営するという真の意図があるのではないだろうか。

実際、金融機関の収益は金利が回復すれば改善するが、日銀は銀行自らが身を切る構造改革とのセットでなされるべきと考えているのだろう。

 

銀行の低い収益性に焦点を当て、そのビジネスモデルに根ざした問題点について指摘している日銀は、通常と比較してもかなり踏み込んだ内容と言える。

今後政策の正常化は、安易な銀行救済につながりかねないという見方もきっと出てくるだろう。

また日銀だけでなく、世論からも銀行の構造改革に対する圧力が高まる可能性も十分にある。

長期的な金融緩和に関してはやはりリスクがあると考えている意見が多く、多少の円高リスクを受けても経済状況を踏まえ緩やかな金融正常化を目指していく必要があるのは間違いないだろう。

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