ドイツ社会民主党内での思惑と疑念、連立政権はどうなるのか

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連立政権に向けた動き

ドイツのメルケル首相は、連立政権への合意と4期目の就任を果たすため、財務相をキリスト教民主同盟からではなく、社会民主党に譲ることが決まった。これにより財政黒字の活用権を社会民主党に委ねたことになり、さらに欧州改革を取り入れる形となる。

ショイブレ前財務相時代はドイツ以外のユーロ圏諸国にとって厳しい財政運営を強いられてきていたが、今回社会民主党から選ばれるということで、長きに渡ってつながれていた鎖から解放される可能性が高く注目を集めている。

社会民主党のシュルツ党首はキリスト教民主・社会同盟との連立政権の合意について、強制的だった緊縮財政は終わらせると発言している。

連立政権的には今までのEUの財政ルール通りに進めると表明しているが、欧州安定メカニズムの機能強化や欧州通貨基金創設へと進められるよう求めている。

ドイツだけではなくEUにとってもキーマンとなり得る財務相だが、就任はハンブルク市長を務めるオーラフ・ショルツ氏が選ばれると見込まれている。

ショルツ氏は欧州統合推進派であり、メルケル首相が掲げた政策に対して批判の声を挙げたこともある。

一方、社会民主党投手のシュルツ氏はというと、外務相に就任する予定だ。シュルツ氏はフランス・マクロン大統領とも交流があり、フランスと協働した外交が注目されている。

社会民主党内からは疑念の声も

連立政権に向けて、メルケル首相が社会民主党に対し考慮している点が伺えるが、実は大連立が合意されるかまだ分からない状態なのである。

決定的でないのは3月4日に行われる社会民主党内での大連立を行うかどうかを決める投票が行われるためだ。

党員投票でもしもキリスト教民主同盟との大連立が否決されてしまえば、メルケル首相の政治生命も終わりを迎えてしまうか、もしくは総選挙が再び行われるまでの短期間だけ続投する形となるだろう。

ただ、この大連立において社会民主党内ではうんざりする声も挙がっている。また、大連立が再び結成されれば第3党にまで上り詰めた極右政党の「ドイツのための選択肢」の動きをさらに強めてしまうと懸念されている。

社会民主党的には連立政権内でポストを確立できたものの、これはあくまでも社会民主党の政策によるものではなく、政府内のポストを確立するためのものではないかという疑念が党内で浮かび上がってきているのだ。

また、党首のシュルツ氏2017年9月に行われた総選挙にてメルケル氏との大連立に参加しないことを表明している。さらにその場でメルケル政権で閣僚を務めることはないと宣言しているのだ。

しかし、シュルツ氏今回の大連立に合意し、さらに自ら外務相のポストを手に入れている。こうした方針転換が党員の不信感を募らせる結果につながったのだ。

結局シュルツ氏は辞任を表明、連立政権はどうなる?

シュルツ氏の入閣が決定した時点で党内からは大きな批判の声が挙がっていた。こうした批判を受けて、党の指導部はシュルツ氏に党首退任を求め、13日には辞任を表明する形となったのだ。

今回の辞任で党指導部は党内で起きている混乱の早期収束を図る目的とみられるが、この動きがかえって党員に「指導部は人を裏切る、現指導部は一新させるべき」というイメージを持たせる形になってしまったのは言うまでもない。さらにシュルツ氏辞任という点だけで大連立への賛成票を過半数得るのは難しい話と言えるだろう。

党員投票は2月20日から開始され、3月2日まで期間を設けられている。大連立賛成派は何とか過半数を超えるように説得を試みているが、キューネルト氏が率いる反対派は既に2万人以上の新党員を勧誘し、その多くが反対票を投じるのではないかとされているのだ。

今回の党員投票には世論調査が存在しないものの、大連立に向けて過半数の票を得ることは難しいとみられる。

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