アメリカの税制改革、いよいよ本格成立へ。問題点と相場の動き

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税制改革法案が上下院共に可決

アメリカの税制改革法案は、米議会下院にて賛成224・反対201で可決となった。上院は既に可決されているため、税制改革法案はトランプ大統領の元に送られ、署名されれば税制改革法案は完全に成立されることになる。

上下院ともに民主党議員は全員反対しており、一部の州でも共和党議員から反対の声が上がっていた。

法案成立となる前、成立するだろうという見込みとなった12月15日からはアメリカの株価は最高値を更新しており、長期金利も上昇している。

ただ、その一方でドル円の上昇は鈍さを持っておりドル実効為替レートに至っては下落している。この理由として考えられるのは税制改革によって財政赤字が拡大されるのではないかという懸念と、格下げのリスクという点だ。

税制改革法案による減税規模は10年間で1.5兆ドル(約170兆円)であり、法人税率は現在の35%から約14%下回る21%への引き下げとなる。

個人所得税も幅広く引き下がるが、財政赤字10年で1兆ドル膨らんでしまうという試算が懸念材料となっているのだ。

法人減税が引き下がることでアメリカの企業利益が押し上げられることにつながると期待する声も上がっているが、経済成長を押し上げるには力は弱いのではないかという意見も見られる。

税制改革によって個人消費拡大につながるか

法人減税によって企業のメリットは大きくなるが、個人にとってはどのような影響がみられるだろう?今回の税制改革法案では個人の所得税に関しても引き下げが0〜4%の引き下げが行われる。

しかし、地方税控除住宅ローンの利子控除などが代わりに縮小されてしまうのだ。さらに、破綻してしまったオバマケアが廃止されるため医療費・保険料の負担が大きくなる可能性が高い。

所得税が減る一方で、それぞれの家庭で今までよりも税金やその他のコストが増えてしまうのではないかという問題点が挙げられる。

コストが増えてしまえば、その分個人消費は落ち込んでしまうのは当然で、個人の消費効果が小さければ小さい程企業側も設備投資をしたところで売上は上がらず、業務縮小につながる恐れもある。

結果的にアメリカの景気は悪くなってしまうのではないかという見方があるのはこのためだ。

税制改革を行なったにも関わらず、個人消費効果につながらない、そして逆に10年で1兆ドルもの財政赤字が増えてしまうということであれば、トランプ大統領が描いたビジョンとは違った道へと進んでしまう可能性は否めない。

今後相場はどう動く?展望を予想

今回の減税は、1986年のレーガン政権以来となる大きな税制改革となるが、トランプ大統領の署名は21日以降にずれ込むとしている。

今回の税制改革の年内実現を果たすには、予算関連方の改定でペイ・ゴー原則を外す必要があるのだが、現在ペイ・ゴー原則の審議もずれ込んでおり、未だ採択されていない。そうなるとトランプ氏の署名は年内では難しく、2018年1月に行われる可能性が十分に考えられるだろう。

今後の相場展望だが、先程も紹介したように企業の設備投資は拡大する可能性は高いが、個人消費拡大にはつながりにくいと言える。そのため株高のトレンドは1月以降も続きそうだが、実質的な景気上昇は大きなものにならないだろうと予測できる。

また、税引き後利益がどれくらい増えるのかは明確に判断できず、数年後には今回の税制が廃止される可能性もあり、長期的に続くのか不透明であることに注意しないといけない。

アメリカは現在北朝鮮問題やロシアゲート疑惑などの様々な問題を抱えており、市場へのリスク要因にもなっている。

税制改革の開始によって多少リスク要因が弱まれば良いのだが、突然の暴落が発生した時にすぐ対処できるよう、あらかじめ準備しておく必要はあるだろう。

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