ドイツの大連立政権、乗り越えなければならない問題点

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ドイツ政権の大連立、暫定合意が決定

ドイツでの大連立に向けた協議が、1月7日から始まっていたが、12日にキリスト教民主同盟とドイツ社会民主党が政権との大連立の更新を暫定合意した。

ドイツは未だ政権空白が続いている状態ということもあり、政権的にも早期に新政権発足に向けた動きをしていきたいと考えている。

今回、ドイツ政権の大連立が大筋で決まったというニュースは、ドイツだけではなくヨーロッパ諸国の各政府が安心したニュースとなっただろう。

欧州連合(EU)を引っ張るリーダー的存在だったドイツはヨーロッパ統合に向けた動きには欠かせない存在とも言える。

そんなドイツの政権空白はEUにとっても大きな影響をもたらしていた。そのこともあって、EUにとっては嬉しいニュースとなったに違いない。

ただし、連立政権の発足が確定しても、実際に実現されるのは3月以降となるだろう。3月になると、次の欧州議会選挙まであと14ヶ月となってしまう。

また、イタリアやスウェーデン、ハンガリーでは2018年内に国内選挙が実施されるのだ。

それぞれの国で選挙が開始される中でEUの統合・連携を強めたいという指導者達が顔を合わせる機会が減ってしまうという懸念も上がっている。

問題が残る大連立合意

今回の大連立合意はあくまでも暫定であり、本筋で合意というわけではない。キリスト教民主同盟とドイツ社会民主党が合意には、EU予算への拠出金増加とユーロ圏19ヶ国への資金割り当ての用意がなされている。

両党は欧州通貨基金への衣替えも支持しているのだが、新たな連立政権が発足するまでにはまだ問題が数多く残っている

今一番の問題といえば、ドイツ社会民主党が党大会内でキリスト教民主同盟との合意を進めるかどうかという点だ。

実はドイツ社会民主党内では、左派や青年部などが合意内容に不満を抱く部分があるという。しかし、合意を否決すること自体が党の分裂につながりかねないという意見も多く上がっているのだ。

万が一否決となった場合、ドイツ社会民主党のマーティン・シュルツ党首に抵抗を示しているということであり、党首の座から離れる可能性が高い。そうなると党内で混乱が起きてしまい、今後に影響を与えてしまう可能性がある。

ドイツ社会民主党の活動家の多くは、こうした党内での混乱はできる限り避けて通りたいというのが本音だ。

否決の場合は再選挙

キリスト教民主同盟との合意が否決になってしまった場合、再選挙が実施される可能性がある。再選挙となるとドイツ社会民主党の得票率が伸びない可能性も高い。

なぜなら、9月に行われた選挙で、ドイツのための選択肢が極右政党で初めて連邦議会の議席を獲得したのだ。急進左派の議席と合わせると、163座席は確保できている。

ドイツ政治がこのような展開になってきている以上、今までの「予測できる政治、退屈な政治」といった印象もガラリと変えてしまったということを言わざるを得ない。

連邦議会も現在はかなり細かく分類されており、連立が誕生するということは今までで一番低い得票率の上に成り立ってしまうことにもつながるだろう。

ドイツ国内で実施された世論調査では、ドイツ国民は大連立を何度も繰り返すよりも、新しい選挙を実施した方が良いという考えを持つ人が多かった。与党のキリスト教民主同盟とキリスト教社会同盟は昨年9月時点では第一党の地位を守ることができたが、得票率は今までで最悪の結果となってしまっている。

今回の大連立政権も国民が納得する形に果たしてなっているのだろうか?

新しい大連立政権が発足したとしても多くのハードルを乗り越えていかなければならないだろう。

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