空き家や廃校を抱える地方自治体…今後の課題を指摘

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空き家や廃校の実態

現在空き家が問題視されているが、空き家になっているのは住宅ばかりではない。例えば公共不動産の空き家化、低利用、未利用化が進んでおり、人口減少や少子高齢化はもちろん、市町村合併に伴い不要になる庁舎が増えているのも特徴だ。

年間にするとおよそ500校が廃校になっている影響で空き校舎も激増しているのが実態だ。空き公共不動産を活用した「泊まれる公園」といった施設への利用客も増えているが、近隣市町にも同じような施設ができると、徐々にその人数も減少していく。

しかし、そうした空き家や空き校舎の有効活用をしようという考えは少なくなく、宿泊施設に姿を変えたり新たな使い方で生まれ変わる可能性は大いに感じさせるというのも事実だ。

ただ、そういった別の活用方法で利用される公共不動産は決して多くはなく、国土交通省の推計では我が国の不動産約2400兆円のうち、国及び地方公共団体が所有する不動産は全体の24%に当たる、約570兆円である。

つまり、企業所有の不動産が約470兆円であるため、それよりも約100兆円上回ることがわかる。そのうち、地方公共団体が所有する不動産は約420兆円となっている。

管理や修繕における問題点も

建物や立地、費用対効果などの問題もあり、どんなに活用したくても実現できない物件も少なくない。

ある改修工事における現場では、小学校をホテルに変える改修工事が行われているが、設計と同時に運営者も一緒に募集して欲しいとの提案がある。

民間企業は当然、経営面も見込んでおく必要があるのだ。しかし、行政の仕事では、運営者が決まっていないのに改修を先に行うプロジェクトは当然にようにあり、あらゆる自治体ではハード面を先行し、ソフト面を軽視するという考え方が未だ根深くなっているのも現状だ。

また、建物の活用以前にその管理も大きな問題となっており、例えばマンションに住んでいる人であれば、建物を維持していくためには長期修繕計画が重要となっており、定期的に大規模修繕が行われている。

その一方で、多くの地方公共団体はそのような計画を考えていないのである。公共不動産の中には、築30年経過しても大規模修繕をやっておらず、エアコンなどの設備を交換していない建物も多い。長期修繕計画がないということは、長期的に全体を見る視点がないと言っても過言ではない。

修繕費は大きな課題でもある

修繕の優先順位がないため、築40年ほど経過していても多額をかけて配管を更新し、それから10年後に建て替え、あるいは取り壊しとしった無駄になるケースも十分にあると言える。

建物を適切に維持管理していくためには、長期修繕計画はもちろん、それを適宜更新するために修繕の専門家と現場の変化を敏感に読み取っていく管理者が必要不可欠であるが、多くの自治体にはそのような人達がいないのも実態だ。

空き家や空き校舎を活用していく上で、建物の修繕と聞くと目に見えるような建築部分と考える人もいる。しかし実際には、建物そのものだけでなく電気や給排水、消防施設など多岐に渡り、それぞれに専門家が必要となってくる。

東京都や横浜市などのように大きな自治体なら専門家集団がいるだろうが、小規模な自治体ではそれも困難である。公共施設の維持や管理、支出に自治体差が出ているのも拭えない。

また、人口が少ない自治体ほど将来の公共施設更新の負担は重くなる傾向にあり、見えない壁が積み重なるケースもあるため不利になってしまうだろう。

公共施設の維持管理や使い方が自治体財政を圧迫し、サービスの低下となって住む人達に影響する将来は近いと言え、これからの空き家・空き校舎などの活用や問題はますます浮き彫りになっていくに違いない。

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