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世界経済を揺るがす中国経済の水増しにおける影響とは

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中国経済の水増しと李克強指数

中国経済は今年に入ってから中国の内、モンゴル自治区・天津市が域内GDPの水増しを認めるという出来事が起こっている。

中国のGDPの統計における疑念はこれまでも同様であったものの、ほかの地域や国全体の統計にも少なからず不正があるに違いない。

2015年〜2016年にも、水増しが行われていたが、その影響は現在においても残っている可能性が高いとされている。こうした過去の水増しの影響を2018年の世界経済にリスクとなるのではないかと問題視されているのだ。

中国のGDPに連動すると言われる李克強指数との連動性は2015年頃から徐々に失われており、2015〜2016年の公式GDPの伸び率は李克強指数よりも高かったが、2017年は公式統計の方が弱いという結果になっている。

中国GDP成長率としては、李克強指数が示しているように2015年は2〜3%台、2016年においても4〜5%台まで鈍化していた可能性が高い。昨年は逆に成長率が加速していたと見られている。中国経済鈍化が世界経済に与える影響は、こうした李克強指数をベースに考えることができる。

公式統計で推計するとリスクは少ない?

中国の2018年の経済成長率目標は昨年と同様で6.5%前後となる見込みとされるが、公式統計を信じ、仮にこの目標を達成できた場合2018年のGDP成長率は昨年の6.9%から0.4%の鈍化となる。

そのため、世界経済全体に対して中国経済の動向がそこまでリスクとしての見方をされていないことも多い。中国GDP成長率の公式統計が、各国・地域の成長率に与える影響をベクトル自己回帰モデルという方法で推計してみると意外なことがわかっている。

具体的には、過去の各国・地域の成長率データを用いて、中国経済鈍化のショックを与えてその応答を見るというモデルを言う。

推計によれば、中国経済の成長が6.5%の政府目標程度に鈍化した場合、世界経済全体に対しての影響はマイナス0.10%となることがわかっている。日本はマイナス0.12%、EUがマイナス0.14%、米国がマイナス0.08%などと予想されている。

マイナス0.1%であれば、ほとんど世界経済全体へは影響がないと言えるだろう。IMFの試算によると、世界全体の成長率は2016年で3.2%、2017年で3.7%となっており、世界同時回復と言われた昨年は前年対比プラスで成長が加速しているため、マイナス0.1%の鈍化におさまれば、高成長の段階であると言っても良いだろう。

李克強指数では世界経済へのリスクが大きくなる

ただこの試算を中国の公式統計であるGDP成長率ではなく、李克強指数に替えて再推計するとどうなるだろう。

日本はマイナス0.80%、EUがマイナス0.74%、米国がマイナス0.49%と予想されるが、公式統計を用いた結果よりも影響が大きくなり、2017年の成長加速分が失われるほどであることが予想されるのだ。

この試算に用いた李克強指数は、2017年の李克強指数の上振れ分が2016年の水準に会期するという仮定によるものでもあり、一段とし下振れれば世界経済全体への影響も大きくなることが容易に判断できる。

中国経済が政府目標通りに鈍化した場合の影響は、公式統計で推計したものと李克強指数で推計したものとでは違いが大きい。

中国の政府高官は、6.3%程度の成長鈍化まで許容されると発言しているが、そう考えると世界経済全体に与える影響は最大でマイナス0.8%となるだろう。世界経済への影響がここまで大きくなると、世界経済の成長率は金融危機以来初めてとなる2%台にまで鈍化する可能性もある。

今回は中国経済鈍化の一定の影響のみを考慮した分析ではあるものの、中国経済に大きな影響を与える金融市場への影響は対象外だ。金融市場に与える影響を考慮してさらなる分析を図れば、今後の世界経済全体へのリスクは大きくなるだろう。

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