GW後に米国の金融政策の恩恵を得られるセクターは?

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5月2日の米国株式市場概況

こんにちは、シルバーホークです。5月2日のNY株式相場は下落です。

FOMC結果公表後に一時上昇する場面も見られたものの、終盤は売りに押された恰好となりました。

S&P500の11業種はエネルギーを除いて他10業種が下落。

決算が嫌気されたモルソン・クアーズ(-15.40%)やエスティローダー(-8.51%)、ギリアド・サイエンシズ(-7.83%)、ヤム・ブランズ(-7.43%)といった生活必需品、電気通信サービスセクターの下落が特に目立ちました。

一方で、市場予想を上回る増収増益決算を発表したアップルは4.42%も上昇する事となっています。オープンから小幅安で推移したダウ平均は、FOMC結果公表にて政策金利が据え置かれた事で86ドル高まで上昇。

 

しかし終盤かけて売りが強まり、212ドル安まで下げ幅mで拡大。最終的に174.07ドル安(-0.72%)でクローズし4日続落となりました。S&P5000.72%安、ナスダック総合0.42%安と反落しています。

 

FOMCでは予想通りに政策金利が据え置かれたものの、声明文では中期的にはインフレ目標2.0%到達に自信が示され、短期的には予想を下回るインフレを懸念しないとしました。

 

概ねハト派的な結果と受け止められた事で主要3指数も上昇したという恰好でしたが、やはり上げを示唆する声明文の内容は、企業収益悪化市場に意識させる事となりました。

 

FOMCでのインフレ目標に対する見解とその影響について

5月2日に公表されたFOMCの声明文の内容には、「漸進的な利上げを続けながらもインフレの若干の過熱を容認する可能性がある」という文言が含まれていました。

つまりFOMCがインフレ目標としている2%を上回る事を進んで容認するという事ですね。インフレ率が2%目標に近づいている事が示されたという捉え方が出来ます。

 

これは金融当局がインフレ指標として重視している個人消費支出(PCE)価格指数において、過去6年間において回帰させることが出来ずにいたが2%上昇を3月に果たした事に起因しますね。

 

物価上昇が予想通りに進んでおり近い時期に2%を若干上回る水準で推移することをFOMCが容認する可能性があるという事です。この声明が公開された事により、当日も米10年債利回りは一時3%台に上りました。

 

米国への影響

これはセクターにもよりますが、株式市場全体においてのセオリーを鑑みると、基本的には悪材料となりますね。一番の当事国である米国では下記のように最も顕著にそれが表れます。

  • 金融機関からの融資による支払い利息が増加するため企業の利益が減少します。
  • 高金利により融資の難易度が上がり設備投資が減少するため、設備関連企業の売上が減少します。
  • ローン金利上昇による自動車の販売台数が減少により自動車関連企業の売上が減少。
  • 原油価格の下落によるエネルギー関連企業の売上の減少。

日本への影響

そして何より金利が上昇する事で、資金が株式市場などから低リスクでリターンを得られる債券や預金に移行します。また、日本においては為替の面での影響も色濃くなりますね。

  • ドル高、円安が進む事により輸出企業の利益が増加。
  • 輸出企業の株価の値上がりにより、日経平均株価が上昇する。
  • 円安が進む事により輸入コストが上がるため、輸入企業のコストが増加。
  • 日本国債から米国債へのシフトにより日本の長期金利が上昇し住宅ローン金利が上昇。

米国金利の上昇による米国のローン金利上昇のため、米国での日本車の販売台数の落ち込み。このように、基軸通貨を有し世界経済の中心となっている国の政策金利の推移は、世界中に影響を多大な及ぼすという事ですね。

 

また、日本の自動車セクターをはじめとした輸出企業は、米国への輸出も非常に多く、米国の利上げによるドル高、円安は好都合となるはずです。しかしその米国において販売台数自体が減少するというのですから、この辺りは要因が複雑に絡み合っていますね。

 

金利上昇が増益の源と成り得る金融セクター

一方で、米国の利上げ自体により増益を見込めるセクターもあります。それは銀行をはじめとした金融セクターです。

 

その恩恵は当セクターにおいては多くの部分にありますが、一番馴染が有る点は受け取る融資金利が上昇するという事でしょう。

 

その他には金融セクターが保有している国債の利回りが上昇するという事ですね。特に先月は、米10年債利回りが4年ぶりに3%台に乗せた事から、金融株が新局面を迎えていると言われています。

 

米長期金利上昇は政策金利の先行指標とも認識されており、それが上昇するという事は、銀行の利ザヤ改善を促し業績の改善に結びつきます。

また昨今の米10年債利回り上昇は、株価においても世界の投資家の関心を、銀行株を中心とする金融セクターに向けています。

 

米国株式市場が史上高値水準であった2月初頭は、10年債利回りも2.79%で約3年10ヵ月ぶりの水準に上昇を更新している地合いでした。

2月1日には、この上昇を受けてバンク・オブ・アメリカが昨年来高値を更新、JPモルガン・チェースやシティグループも高値圏で推移しています。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループを中心とした銀行株の値動き

フィラデルフィアKBW銀行株指数においては、1年で20数%上昇した事になります。

またこの流れは、三菱UFJを中心に米国など海外での事業強化を進めるメガバンクにも、収益拡大の機会が膨らむ事を意味します。

 

上値が重かったメガバンクをはじめとした銀行株や生保株は、2018年2月の日経平均株価の急落に同調し昨年度いっぱい売り込まれてきました。実は3月にいたっては、米10年債利回りも低下していましたね。

 

しかし新年度に入ると米10年債利回りは大きく反発し、その月の終盤に3%台に乗せる事となります。

呼応するように日本でも、三菱UFJフィナンシャル・グループ や三井住友フィナンシャルグループ 、みずほフィナンシャルグループといったメガバンクを中心に銀行株は反発しています。

 

つまり、米10年債利回りが如何に日本の金融セクターにも影響をもたらしているかが解ると思います。

東証の業種別指数で、銀行セクターにいたっては、昨年11月中旬から直近高値であった今年1月まで10数%上昇しましたが、この時もまさに米10年債利回りが上昇の真っただ中にいました。

 

金融業界で地殻変動が・・・。

市場でも、米国を中心とする世界的な金利上昇は、金利の長期低迷には終止符が打たれ、長期上昇局面に転換したと見る声は多いですね。

 

市場が「脱デフレ」を見据えるなか、メガバンクを中心とする金融業界には大きな地殻変動が発生しつつあるという事でしょう。

 

そしてこれは、新たな投資チャンスが生まれようとしている兆しとも言えるはずです。3メガバンクのPBRは0.7倍以下で、配当利回りは、みずほが3.6%台とその水準は魅力的です。

 

さらに、あおぞら銀行の配当利回りも4%台と高く、主に地元が好景気状態にある地銀にも投資妙味が膨らんでいるといえるでしょう。

また、業績面においてメガバンクとは逆に来期の伸びが期待されるセブン銀行や三井住友トラスト・ホールディングス等も注目されていますね。

 

また金利の上昇は運用環境の改善につながるため、生保にも追い風となりますね。

それは当然株価においても同様であるため、第一生命ホールディングスやT&Dホールディングス、かんぽ生命保険 、ソニーフィナンシャルホールディングスなどが現在注目されています。

 

金利上昇が業績悪化の原因になる業界も

損保株やリース株は生保に比べれば運用額も小さいため、メリットの享受割合が低いといっても、メカニズムは同様です。

 

したがって、東京海上ホールディングス やSOMPOホールディングス 、MS&ADインシュアランスグループホールディングス 、それにオリックス 、東京センチュリー、芙蓉総合リースなどを注視してみるのも良いかもしれません。

 

ただ一括りに金融セクターとは言っても、消費者金融業界には好要因とは言えません。

個人向け無担保ローンの貸出金利の上限が決まっているため、どこの利回りが上昇しようが売り上げ面での恩恵はありません。

 

対して、銀行などからの調達金利が上昇し得るので、利ザヤの縮小が業績を圧迫する事になりかねません。

このため金利上昇は、アイフルやアコム等にとって業績悪化要因となる可能性があります。

米10年債利回りや政策金利の上昇は、業態により明暗を分けながらも金融セクターの株価に大きく影響するという事ですね。

 

三菱フィナンシャルグループの株価推移を考察

先述のとおり、今年度4月に入って銀行株は反発を見せています。

この4月はまさに米10年債利回りも3月の下落から大きく反発し、4年ぶりの3%台乗せを果たした月となったわけですが、ここで頭が重くなっている事もチャート上から見て取れます。


米10年債利回りは、2012年7月と2016年の7月の低水準でまさにダブルボトムを形成していますが、現在の水準である3%辺りは、2013年12月から2014年1月で形成したネックラインとなっています。

 

これを見れば、米10年債利回りが先物市場等で売りが入り易くなってくるのも頷けます。そしてこれは同時に、日本の銀行の株価でもターニングポイントとなっています。

例えば三菱UFJフィナンシャルグループの株価は、2018年1月16日を高値にほぼ今年度は下落をしていきます。

そして3月26日に安値を付け反発して現在に至っていますね。当然、銘柄ごとの差異はありますが、この時期は多くの銀行株は米10年債利回りと概ね同様の推移を見せています。

 

特にメガバンクは3社とも株価推移が似通っていますね。銀行株の多くも、米10年債利回りのように4月の後半に上値を抑えられています。

三菱UFJフィナンシャルグループにおいては、4月26日に3σボリンジャーバンド、およびフィボナッチの1/3戻しの水準に到達して阻まれていますね。

 

注目すべきGW明けの推移は、4月26日以降反落してきた株価が反発するかどうかでしょう。連休前最終日である5月2日は25日移動平均線を浅く下抜けているようにも見えますが、この水準でも3月26日から成っている高安の切り上げを維持しています。

 

また、連休中は米国の雇用関連指標も発表されますので、反発も十分にあり得るでしょう。既に1月16日から2月以上にわたって下落を続け十分に調整されていると思われる事や、ボリンジャーバンドが上向きに転換してきている事も後押しとなっていますね。

 

三菱フィナンシャルグループの業績面を考察

もうすぐ発表されるであろう2018年3月期の三菱UFJフィナンシャルグループの業績予想は、会社側からは発表されていません。

というのも銀行業などは、その業績マーケットの状況に大きく左右されるため、業績の予想というものが立てられないという特性があります。

 

また、利益科目が多岐にわたるため、営業利益という区分けも出来難い部分がありますね。したがって2018年3月期度予想に関しては、アナリストのコンサンセスを基に見ていきたいと思います。

 

2017年3月期本決算

売上高5,979,568百万円
営業利益
経常利益1,360,767百万円
純利益1,000,540百万円
1株利益68.28円
配当18円

2018年3月本決算予想(コンサンセス)

売上高5,796,333百万円
営業利益
経常利益1,501,189百万円
純利益10,200百万円
1株利益
配当18円

参考指標

時価総額9,871,800百万PER9.84
発行済株数13,900百万PBR0.59
最低購入代金71,000ROE6.03
単位株数100EPS72.17
売上高成長率BPS1,203.73
経常増益率+10.3%(コンサンセス)1株配当18.00円
最終利益変化率配当利回り2.53%

2018年3月期のコンサンセスの予想は、増益率高さが目立ちますね。バリューが割安なのは、三菱UFJフィナンシャルグループのような事業規模の大きな会社は時価総額が大きいため、株価の商い規模が大きく売り買い一辺倒に特になり難い銘柄だからです。

これはみずほフィナンシャルグループを見ていれば特に解りますね。したがって機関投資家等、大口の取引対象銘柄にされ易い面もあります。

まとめ

GW前に持ち高調整された銘柄が明けに買い戻される事は多々あるため、その流れに乗って買い拾うという方法はよく論じられます。

 

多くの日本企業の本決算発表は5月半ばに行われますが、今期の結果、来期予想含めて強い内容である事が強く見込めているならまだしも、市場予想より弱含むに内容となってトレンドが変わる事も多々あります。

 

したがって短期トレードならまだしも、GWを目安とするのではなく本決算発表という後に控える材料を消化した上で方向性を見定めるのがベストであると考えます。

 

銀行をはじめとした金融セクターも、ほとんどが5月半ばに本決算発表が行われます。2018年3月期業績も特にメガバンクの進捗率は高く、上振れる可能性もあるでしょう。

 

ただ、5月の銀行の本決算発表では、今回の結果が良かった分、2019年3月期業績を保守的に試算し、減益予想が打ち出される可能性も頭に入れておく必要はあるでしょう。

この5月リスクを踏まえたうえで、銀行など金融株が本格的に見直されるのであれば、金融株は次の次元に向かうと見れないでしょうか。

 

目先には、貸出のベースとなる短期金利であるTibor(東京銀行間取引金利)に上昇傾向が出ていることは、銀行にとって先行きの業績改善に結びつく要因にも成り得ます。

 

そして6月は、例年から鑑みるにFOMCは利上げを敢行するという思惑が市場に蔓延しやすい事もあるため、これに歩調を合わせる格好で、日本のメガバンクを中心に銀行株が本格上昇に入る可能性も十分考えられるでしょう。

 

特にメガバンクは先述のとおり、その取引規模の大きさから商いが一辺倒に偏り難いため、レンジが形成され易いです。現時点で1月中旬から売り込まれた株価は低水準に位置していると考えられるため、投資妙味はあるといえるでしょう。

 

さらに米国でも大きな商いを営んでいるメガバンク等は、先述のとおり米国債の保有比率が高いため、米10年債利回りの影響をダイレクトに受けます。

したがって、米10年債利回りが現在のネックラインを上抜けていくのであれば、特に保有量の多い三菱UFJフィナンシャルグループは優位性があると言えないでしょうか。

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