赤字続きでもアメリカが郵政公社という形を取り続ける理由

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世界各国が郵政民営化していく中でアメリカは郵政公社

日本は2007年に郵政民営化が行われ、現在日本郵政グループが発足している。民間運営となってから約10年以上経過したわけだが、実は日本は諸外国の中でも遅かった部類に入る。

特にドイツでは1995年の時点で郵政民営化が実施されており、他にもオランダやオーストリア、イギリス、ベルギーなどは民営化されてきていた。

しかし、この郵政民営化がされている諸外国の中にアメリカは含まれていない。アメリカという国のイメージからとうの昔に郵政民営化されているように思えるかもしれないが、実際は現在でも連邦政府によって運営されている郵政公社である。なぜ、アメリカでは郵政民営化がされていないのだろうか?

一番の原因はやはり経営状況が芳しくないということが言えるだろう。現アメリカ大統領のトランプ氏はその原因が世界最大手のeコマースサイト・amazonにあると指摘した。

郵政公社というと税金によって運営がされていることになるのだが、amazonの商品を配達するコストがかかる一方、それに見合った報酬が得られていないとしている。トランプ氏によるとamazon商品1つを配達すると平均1ドル50セント損失しているという。

ただ、amazonと郵政公社では既に料金で折り合いが付いている。また、郵政公社はamazonに対し忖度しているような動きも見せているのだ。例えば、郵政公社では基本的に土日配達は行なっていないのだが、amazonの一部商品に関しては日曜日の配送を実施している。このような動きが見られる中でトランプ氏はamazonに対する批判を行なっているのだ。

郵政公社の赤字の原因は他にあった

amazonに対する批判があった中で、一時期はamazon株も40億ドルの値下げにあったのだが、今ではすっかり元の株価に戻ってきている。なぜなら、郵政公社の赤字原因はamazonではなかったからだ。

実質、郵政公社が取り扱っている小荷物は増えており、売上もしっかり挙げている。民間の配送業者に比べて配送にかかる料金がおよそ半額で利用できる郵政公社を、多くの消費者が選んでいるのだ。

ただ、小荷物配送量は増えたが、手紙やはがきを取り扱う一般郵便の売上が大きく下落している。これはメールやSNSなどが活用される時代になり、手紙やはがきなどを送るシーンが減ってしまったからである。

日本でも活用するシーンが減っているとはいえ、例えば年賀状などで利用する人や暑中見舞いなどの季節ごとに利用する人は一定数存在する。しかし、アメリカではこのようなイベントもないためより売上の減少につながってしまっているのだ。

また、最も大きな問題点としてあるのが、人件費と社会保障費である。アメリカの郵政公社には約65万人以上もの職員が働いており、売上に対して人件費が高騰している。

また、退職者に対して支払われる年金なども赤字を作り出す要因と言えるだろう。これらの問題点から郵政民営化について議題が出ることもあるが、法律改正が行われない限りは民営化への道は難しい。

アメリカは今後郵政民営化は行われるのか?

アメリカの郵政公社では日本郵便とは異なり、「郵便事業」だけを取り扱っている。日本郵便では郵便事業以外にも郵便貯金事業や生命保険事業なども行なっているが、アメリカでは郵便の配達や荷物の配送に特化しているのだ。

昔はアメリカの郵政公社でも郵便貯金事業を実施していたのだが廃止になった。また、アメリカでは2002年に郵政事業だけを民間企業が担うのは不可能であるという結論を出し、郵政民営化に断念したと言える。

だが、これはあくまでも2002年の話だ。メールやSNSの普及や民間企業の配送技術改革など、様々な進化を遂げている。環境に柔軟に対応するためには今後郵政民営化の流れになることも十分に考えられるだろう。そのためには現在の古い時代に作られた法律を改正しなくてはならない。

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