停滞するブライダル業界で売上を伸ばす「株式会社ブラス」の戦略とは?

公開日:  | 0件のコメント

株式会社ブラスの概要

株式会社ブラスは、愛知県名古屋市に設立した直営店型ハウスウエディング事業を展開している企業です。

ハウスウエディングにおける事業に伴う挙式披露宴に関して、企画・運営・婚礼衣装の販売・レンタル、司会・演出業などを幅広く行っています。株式会社ブラスの具体的な事業は、以下の通りです。

事業名 事業内容
ハウスウエディング事業 完全貸切ゲストハウスにこだわり、ハウスウエディング事業を続けています。
ウエディングコスチューム事業 ウエディングドレスや和装、小物などのレンタルや販売を主に行う事業です。
レストラン事業 ゲストハウスにおいて、施設内でのレストラン事業を幅広く展開しています。
司会・演出事業 披露宴の司会や披露宴の関する企画や演出など、細かなサービスを提供するための事業です。

売上高は年々伸びており、将来性の高い企業であると言えます。

そんな株式会社ブラスは謙虚さを忘れず、地域社会に貢献しながら成長し続けていくことを理念に掲げ、新郎新婦にとってかけがえのない最高の結婚式の実現を目指しているのです。

平成10年の設立後は、平成15年に愛知県一宮市にてルージュ・ブラン、翌年のには同県日進市にオランジュ・ベールを開店しています。

その後も岡崎市・名古屋市・安城市・城滑市・岐阜県羽島市・三重県鈴鹿市など、愛知県で年々大きく成長を続けているのが特徴です。

 

一部上場後もさらに成長

また、平成28年には東京証券取引所マザーズ市場と名古屋証券取引所セントレックス市場に上場しており、翌年の平成29年には東証一部市場と名証一部市場へと昇格しています。

株式会社ブラスは他社との違いを明確にし、しっかりと戦略を立ててお客様に喜ばれるような事業を展開することで競争に勝っていくことを念頭に置き、日々努力しているのです。

これまでは東海エリアを中心に出店していましたが、一部上場を機に今後は関西と関東方面においても本格的な進出を予定しています。今後も成長を続けていく株式会社ブラスは、将来的に全国に出店し、事業展開にさらに取り組んでいくのではないでしょうか。

 

株式会社ブラスの競合他社

株式会社ブラスの競合他社として挙げられるのは、以下の通りです。

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズは、東京都品川区に1998年に設立した企業です。現在東京証券取引所市場第一部に上場しており、全国展開だけでなく台湾にも現地法人とサロンを設立しています。

成長戦略をしっかりと見据え、効率的に配置していけるよう事業展開を進めており、ハウスウエディングだけでなく、ホテル業界に「ソーシャライジングホテル」という新たな市場を生み出しているのです。常に新しい市場を創るということを念頭に置き、社会貢献していこうと努力している企業と言えるでしょう。

 

株式会社エスクリ

株式会社エスクリは、東京都港区に2003年に設立したブライダル事業です。設立からわずか7年の2010年に、東京証券取引所市場第一部に上場しており、確かな実力を誇ります。

そんな株式会社エスクリは創業15年を機に第2の成長期を迎えるべく原点に振り返り、人材育成における投資を行っていこうと考えています。

徹底した経営強化を図ることで、顧客満足度や今後のブライダル市場のシェア拡大も見込んでいると言えるでしょう。

長期視点に立って、新規事業の開発投資や業績拡大へと繋げているのです。

上記の2社は、株式会社ブラスの競合とも言える企業ではないでしょうか?株式会社ブラスは今後も成長が見込まれる企業であると言えますが、上記で紹介した2社の業績にも注目してみましょう。

 

株式会社ブラスの競合他社の業績

株式会社ブラスの競合となるウェディング会社をご紹介しましたが、上記で紹介した企業の業績はどうなっているのかまとめてみました。

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
ウェディング業界大手のテイクアンドギヴ・ニーズは運営効率の改善を目的に、2012年有限会社TAKE・SECONDの株式取得・吸収合併を行っています。

今までM&Aの実績は多くありませんでしたがこの合併は見事に合併しており、選球眼や課題解決手段としてのM&Aの使い方が優れていると評価できるでしょう。

また、2017年11月にはマリーゴールドが関西エリアで運営する婚礼衣裳事業の4店舗と固定資産、人材譲受を取得し、内製化による収益向上を目指しました。テイクアンドギヴ・ニーズは既存事業を強化することで利益率を上げる経営を行っていることが分かります。

2010年から2014年にかけ、連結売上高は約4600億円から約6000億円を超えており、連結売上高総利益は約2400億円から約3200億円にまで増益しており、2015年以降は連結売上高に多少の減収はありますが、横ばいの状態が続いています。

18年3月期第2四半期累計(4月~9月)の連結決算の発表では、国内店舗での受注が好調で、商品もマージン改善やコスト削減に取り組んだことにより第2四半期経常損益は2億の赤字予想でしたが、経常損益は黒字の4億9100万円でした。

売上高に関しては従来予想が305億円だったところ、310億8200万円で前年同期比7.7%増という結果になっています。急騰は7営業日まで続きましたが、その翌週は利益確定の売りが集中して大幅に反落していました。なお、5月25日の取引終了後は、古物商と有料職業紹介事業を追加を発表したことで好感買いが入っており、業績の貢献に期待されています。

株式会社エスクリ
株式会社エスクリは割安成長株として個人投資家に人気があります。

2014年頃はエリア拡大型として急成長を見込まれていましたが、それに伴い人材不足から2016年3月期の業績は好ましくない状況となり、株価が暴落まで追い込まれています。

その後、反省を踏まえて既存店舗のリニューアルに力を入れシェア拡大を緩やかにすることで、単価アップや稼働率上昇に踏み切り、再び成長を期待され業績もV字回復となりました。

2018年5月15日の大引け後に決済を発表しており、18年3月期の連結経常利益は前期比49.5%増の183億円に拡大しています。また、19年3月期は前期比12.0%増の205億円に伸びると見込まれており、14期連続で増収、3期連続増益となるでしょう。

株式会社ブラスの株価推移を考察

2016年3月から東証マザーズなどに上場しているブラス株式会社ですが、当時は目先筋の売買により乱高下していました。午前9時19分に公開価格の4370円を6.4%上回る4650円で初期値を形成し、5350円のストップ高になるまで買いが進みました。

株式会社ブラス チャート

株式会社ブラス チャート

初期値上昇率はあまり高くなりませんでしたが、セカンダリー市場でパフォーマンに期待が集中したと考えられます。その後は売りが集中し、10時14分には4520円まで下落し、緩やかな下落が続きました。

ただ、同年5月27日から6月10日までの間は627円から755円に一時的に上昇しています。

5月15日に8月に開かれた「世界コスプレサミット2016」とのコラボレーションイベントのお知らせが告知され、普段は難しい結婚式会場での撮影会・交流会の開催に関心が寄せられた可能性があります。

また、28日には中日新聞に社会面にクルヴィット名古屋に関する記事掲載、アイドル専門チャンネルの撮影協力としてブルーブランが使用され、話題に上ったことも関わっているのでしょう。しかし、その後は再び緩やかに下落しますが、9月9日から上昇しはじめています。

 

2017年からの株価推移

2017年に突入し特に推移が上昇したのは3月31日です。前年の9月9日は559円だったところ、1,242円に上昇しました。4月から貸し切りゲストハウスの新出店の予定が告知されており、東海地方を中心に事業展開が進み、拡大していく動きに注目が集まった可能性があります。

また、メディアに紹介されたり、テレビ番組のロケ地に使われたり認知度が上がったことも推移に影響していると考えられるでしょう。

3月28日に4月7日付けからマザーズから東証1部、名証セントレックスから名証1部に昇格することが発表され、市場変更でのパッシブファンドなどの資金流入の期待が高まり、昇格の影響から直近に買われて3月31日までに急騰したようです。

これ以降は再び急落するものの、緩やかに上がり下がりを繰り返しほぼ横ばいの流れが続きます。

 

経営利益発表後の株価推移は?

6月14日には17年7月第3四半期累計の経常利益を発表していますが、そこでは前年同期比69.7%増の7億1800万円に拡大していました。

前期に出店した2店舗の業績が好調であったため、28.4%に大幅増収したことが関係しています。

通気計画7億7800万円の進捗率も92.3%に到達しており、期待により買い傾向になりました。

9月14日の大引け後に17年7月期の決算が発表され、経常利益は前年比38.8%増の7億9200万円に拡大しており、業績は安定していました。一方、2018年3月14日に大引けの後の決済発表では、18年7月期第2四半期累計の経常利益が2億7700万円で前年同期比52.9%減と大幅に落ち込んでいます。

日本は人口減少や結婚しない人の増加でブライダル全体が低迷傾向にあり、競合争いも激しくなっているので、推移の下落はブラス株式会社に限ったことではないでしょう。

 

株式会社ブラスの業績面を考察

株式会社ブラスは、2018年7月期2Qまでの推移は以下の通りです。

株式会社ブラス 業績推移(単位 百万円)

株式会社ブラス 業績推移(単位 百万円)

株式会社ブラスでは新規店舗開業を発表していますが、どちらも2019年開業予定であり、店舗数が増加したものの施行組数の増加にはつながっていません。

また、受注件数も減少し前期比99.1%に留まっています。ただ、平均単価は前期よりも18万4,000円増加しており、業績としては好影響を与えていると言えるでしょう。

もう一つ、株式会社ブラスを含め多くのブライダル企業ではオフシーズンにプランの値引き販売を実施していますが、ブラスでは今期値引き販売を抑制していました。

この影響で施行組数・受注件数は減少しているものの、営業体制を柔軟に変更していき平均単価を19万7,000円まで増加させています。そのため、値引き販売の抑制による業績への影響は少ないと考えられます。

直近通期決算である2017年7月本決算と、2018年7月本決算の業績予想は以下の通りとなっています。

 

2017年7月期本決算

売上高 8,966百万円
営業利益 818百万円
経常利益 792百万円
純利益 532百万円
1株利益 88.15円
配当 10円

2018年7月期本決算

売上高 9,614百万円
営業利益 900百万円
経常利益 887百万円
純利益 532百万円
1株利益 93.23円
配当 12円

参考指標

時価総額 4,853百万円 PER 9.12
発行済株数 6百万円 PBR 1.49
最低購入代金 85,000 ROE 17.33
単位株数 100 EPS 93.21
売上高成長率 +7.23% BPS 570.13
経常増益率 +12% 1株配当 12.00
最終利益変化率 +7.5% 配当利回り 1.41%

株式会社ブラスの業績は2017年7月期に比べ、2018年7月期の業績予想では約6億4,800万円の増益を見通しています。

現在、結婚しても結婚式を挙げない、もしくは費用をなるべく掛けない「ジミ婚」や「ナシ婚」を選択する人が増えているものの、ハウスウエディングの需要は底堅く、ハウスウエディング(一軒家もしくは戸建てレストランを貸し切り、挙式から披露宴を行う結婚スタイル)での費用は年々増加傾向にあります。

株式会社ブラスではこうした世間の需要を読み取り、ハウスウエディングのスタイルをメインに取り入れることで業績を伸ばすことに成功していると言えるでしょう。

特に、今回は新規店舗の改修工事・人件費が掛かっているにも関わらず、1件あたりの単価が増加しているので業績悪化の回避につながっています。

株式会社ブラスでは今後ドレスショップの展開を強化していくことによる単価増と、年間2店舗の新規出店によって経常利益ベースで対前年比1億円の増益を目指すとしています。今後も安定した財政状態が続くと考えられるでしょう。

PBRを見ると、同業種(サービス)の中でも割安な位置に分類されています。また、PERも9.12倍と割安な数値を示していますが、投資活動によるキャッシュフローは対前期比97百万円増加しているので、来期以降経常的な1株あたりの利益は高くなる可能性があります。

 

まとめ

近年、ブライダル業界では独身者の増加や少子高齢化、さらに結婚式を挙げないスタイルが増えている背景にあり、業績を上げるのが難しくなってきています。

しかし、株式会社ブラスではこれまでご紹介してきた通り、年々業績を伸ばしてきているのです。

このような結果となったのは現在の背景を受けて、ハウスウエディング事業による需要拡大が大きく影響していると言えるでしょう。

株式会社ブラスは現在愛知県内を中心に静岡・三重にも店舗展開していますが、2019年には大阪に2号店がオープンすることから、着々と近畿地方やその他の地域に店舗展開を行い、ドミナント戦略を行っていくとしています。

明確なビジネスプランを持ち、年々業績を伸ばす株式会社ブラスは将来的にさらなる進化を見せてくれることでしょう。

コメントを残す

17 − 12 =