メルカリ(4385)のIPO・上場後の値動きについて考察【最新版】

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フリマアプリ業界の主役!

昨今、吸収規模の乏しさや仮想通貨市場の活況により、株式市場のIPOが話題となる事が少なかったという印象があります。

 

そんな中で久しぶりに打ち上げられたメルカリ(4385)のIPOという大型案件が株式市場で注目されています。メルカリとは既に多くの人が既知している通り、日本とアメリカにてサービスを提供しているフリマアプリです。

 

2013年7月2日にAndroid版が、同年7月23日にiPhone版が配信開始されており、1日の出品数は2013年に1万点以上。

2015年に10万点以上と飛躍的な成長を続けてきています。出品されている物は様々で、総合的なフリマといえます。

 

また、本やDVDなどをバーコードの読み込みで出品ができる「メルカリカウル」や、出品者と購入者が直接会って取引をする「メルカリアッテ」といった姉妹アプリも存在。

 

さらに昨今ではTVCMでも話題になっている、写真を取るだけで査定、そして買い取りをしてくれる「メルカリNOW」も登場するなどサービスの拡大がめざましいですね。

 

フリマアプリ業界の代名詞的な存在に

楽天(4755)のラクマ、コメ兵(2780)のKANTE(カンテ)といった大手企業が続々参入している事もから「フリマアプリ業界戦国時代」と呼ばれている2018年現在。

 

メルカリは「フリマアプリといえばメルカリ」と言われるほどの知名度を維持しており、まさにフリマアプリ業界の代名詞とも言えるほどの規模を誇っています。

 

ダウンロード数は2018年5月現在で7000万を超え、日本ではダントツのユーザー数を抱えています。

ユーザー数などの規模以外では「らくらくメルカリ便」というメルカリとヤマト運輸が提携した配送サービスが特筆されていますね。

いわゆる宅急便を特別価格で利用出来るという事ですが、全国一律料金な上に価格も安く他のフリマアプリとの差別化の大きな要因の一つとなっています。また匿名での配送が可能となっている点も優位点となっているでしょう。

 

メルカリのIPOにおける注目点とは?

メルカリは、6月19日にマザーズに新規上場する事が決定しました。既にスケジュール、および仮条件等が発表されています。

IPO情報

公募株数 18,159,500株
主幹事 大和證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
売出株数 22,554,800株
単元株数 100株
仮条件 2,700~3,000円
上場市場 東証マザーズ
業種 情報・通信業

 

IPOスケジュール

ブックビルディング期間 2018年6月4日~6月8日
公開価格決定日 2018年6月11日
購入期間 2018年6月12日~6月15日
上場日 2018年6月19日

メルカリのIPOの吸収金額は、現時点のドル/円レートから換算すると10億ドルを超える規模となるため、日本のユニコーンとも呼ばれています。

基本的にユニコーンは、2013年頃からIPO規模の大きい米国企業を指す言葉としてベンチャーキャピタル等が称した事が始まりです。

 

近年では中国企業でも新規上場時に該当する事も多くなってきましたが、日本では未だ数えるほどしか存在していません。今回のメルカリのIPOが注目されているのはまさにこの吸収金額に尽きます。

 

もう一つの要素を挙げるならその業績です。

 

2015年6月期に赤字決算だったメルカリは2016年6月期に黒字転換を果たし、その売上高は前年同期比で3倍に上っています。

そして何より驚異的なのが、メルカリの売上高は全て手数料であり売上高総利益率は9割を超えているという点ですね。

 

直近である2017年6月期の決算についてメルカリは官報に決算公告をしませんでした。その理由は不明とされていますが、市場では2016年6月期黒字転換してからの進捗率に注目が集まっています。

 

メルカリの「初値」と「その後」を考察

過去のIPO案件を遡ると、今回のメルカリとやや規模が近いと思われる企業が存在しました。

それはかんぽ生命(7181)です。

 

もちろん、かんぽ生命とメルカリでは下記のようにIPOにおける環境が大きく異なります。

  • 郵政3社による社の同時上場
  • 上場市場
  • 旧国営企業
  • 主幹事、および引受証券会社の数
  • グローバルコーディネーターの存在
  • 引受証券会社の思惑

かんぽ生命のIPO募集時の概要は、調べて頂ければ判るので詳細は割愛します。

 

引受証券会社の思惑というのは、引き受けた株式数の多くをその証券会社が自己持分として確保してしまったという事ですね。この件に関しては具体的な数字は公開されていませんが、市場では概ね既知の事となっています。

 

主幹事證券会社は5社が着任していましたが、その内2社が今回のメルカリのIPOの主幹事である大和證券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券です。

 

そして共通点として挙げたいのは吸収金額と公募ですね。

 

吸収金額はかんぽ生命が1,452億円、メルカリが1,300億円前後。売り出し株数はかんぽ生命が66,000,000株であったのに対し、メルカリはオーバーアロップメント分を含めて40,714,300株となっています。

 

差はあれど遠からずといったところではないでしょうか。結局かんぽ生命は2,200円の公募価格に対し、2,920円の初値を付けました。

かんぽ生命【7181】チャート

かんぽ生命(7181)チャート

ただ、注目すべきはその後の伸びですね。

 

上場初日の株価はそのまま躍進しストップ高を付け翌営業日には4,120円の高値を着けました。つまり2営業日で株価は初値から約1.41倍、公募価格から1.87倍まで上昇したという事になります。

 

その後、かんぽ生命の株価は下落していきこの4,120円という価格は上場後2年半以上経過した現在でも史上最高値となっています。

 

シルバーホーク総括

民営化された事で利益追求を迫られるもノウハウの乏しい元国営企業、および引受証券会社の影の思惑の交錯といったネガティブ要因満載であったかんぽ生命に比べれば、メルカリの新規上場はポジティブ要素が多くあります。

もちろん、証券会社や機関投資家の確保分があるという事ならば、株価は一定水準まで引き上げられる事は容易に想像出来ます。

そのある程度の水準が4,120円辺りだったのでしょう。その後、手放されていく事により株価は1年2ヶ月にわたり下落を続けていきます。

 

メルカリに関しては、その売り出し規模や多くのポジティブな見通しから初値が公募価格より下がる事は考え難いでしょう。

むしろ規模と一部の思惑頼りの上昇ではなく、自然な市場の需要による上昇が見込めると言えるでしょう。マザーズという市場の値動きの軽さもそれを後押しすると考えられます。

 

かんぽ生命は上場直後に急伸したといっても、1.87倍という数字は決してIPOにおいて大きくありません。

近い規模という事でこれをベンチマークとするなら、様々なバックグラウンドを考慮するとメルカリの躍進がそれに劣ると考える方が無理があると思います。

 

そして利益確定の一時的な下落があったとしても、押し目ではその自力から多くの買いが入ってくる事も容易に想像出来ます。

既上場銘柄との比較を考えてもメルカリは株価が高水準で推移していなければむしろ不自然と言えるでしょう。