エージェントは金商無しの投資顧問、詐欺などの悪徳被害は?
2017/12/19

- エージェント(AGENT)
- http://www.agent-inv.com
記事の目次
平和紙業(9929)の検証
赤井豊氏率いる株式会社ネクストが運営するエージェント(AGENT)投資顧問の2回目の検証です。
エージェントへの無料登録は済ませましたが、その後届くとされているメルマガは届きません。
1回目の検証でも、サイト上に誇大広告などが多く見受けられた点から、エージェントに対しては良い印象がありませんでした。
今回メルマガが送られてきていないことで懸念材料がまたひとつ増えてしまいましたね。
ただサイト上で公開されている推奨銘柄は更新されているので、今回はその中から平和紙業(9929)の実績から取引力を検証してみたいと思います。
銘柄名 | 平和紙業(9929) |
買い推奨 | 1月30日/510円 |
売り推奨 | 2月2日/1,002円 |
平和紙業は、高級紙、技術紙など特殊紙専門卸においてトップ級の企業です。オリジナル商品の開発、販売を行っているのが特徴で技術士育成にも注力しています。
平和紙業(9929)の業績を確認する
平成29年3月期の第9次3ヶ年計画の2年目を迎え、安定的に収益をあげられる高収益基盤の確保を、最重要課題として取り組んできました。
しかしながら、消費者の根強い節約志向や産業構造の変 化による紙需要へのマイナス影響等により、当社が主力としている特殊紙3品目のうちファインボードは前期実績を上回ったものの、ファンシーペーパーと高級印刷紙は前期実績を上回ることができませんでした。
残る品目につ いても、ベーシックペーパーが前期実績を上回ったのみで、取扱商品の売上金額全体では前期実績を上回ることが できませんでした。
その結果、売上高は195億77百万円(前期比3.6%減)となりました。
利益面では経常利益が2億66百万円(前期 比32.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億72百万円(前期比27.4%減)となっています。
平成30年3月期は、平成27年度より始まった第9次3ヶ年計画の全体方針に沿いながら、引き続きそれぞれの部門において新しい取り組みを鋭意実行していくとしています。
顧客ニーズに沿っ た効果的な用紙提案、常備在庫品の安定供給及び物流面での対応はもとより、販売機能の様々な強化策を通じて、顧客へのサービス向上と自社の業績拡大をこれまで以上に図っていくとの方針。
平成30年3月期の連結業績については、 売上高 20,078百万円(前期比 2.6%増収)、営業利益は228百万円(同 14.5%増益)、経常利益は295百万円(同10.9%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は189百万円(同 9.7%増益)と予想されています。
買値から取引日を推察
エージェントの銘柄推奨実績は、買値と売値は記されているものの取引日の記載が無いので取引期間が正確には公開されていません。
しかし、買値と売値から取引日を推察することは可能です。
投資顧問業者の売買指示は、大引け後に翌営業日の取引を対象にした内容が提供されることが多いです。
エージェントが買値としている510円で寄付いている2018年1月30日が買い推奨日と判断するのが妥当かと思われます。
ニンテンドーラボ材料視で株価が急騰
平和紙業の株価は1月30日に急騰を見せていますね。
この急騰の理由は、1月18日に任天堂のテレビゲーム機「ニンテンドースイッチ」を機能拡張する段ボール製組み立てキット「ニンテンドーラボ」が発表され、大村紙業をはじめとした段ボール関連株に買いが集まったことが挙げられるでしょう。
さらに1月30日は、直近安値から17日の変化日にも当てはまっています。これも平和紙業の買い判断の後押しとなったことでしょう。
悪くない実績だが信ぴょう性は?
エージェントの平和紙業(9929) 実績公開日から見ても、売値1,002円は2018年2月2日で間違いないと思われます。
概ね500円水準が低位圏でしたが、2月1日には750円という投資家達の想定節目を超えたことから、上昇力の強さがうかがえます。
三空踏み上げで2月2日に1,000円水準まで到達することは予想に難しくなかったでしょう。
エージェントの平和紙業(9929)の実績は、買い・売りとも決して悪くない判断とは思いますが、そもそも無登録業者であるエージェントがこのような取引指示を行うのは違法行為です。
前回のレイ(4317)の実績検証時も、サイト上に誇大表現や虚偽の記載が散見されていたため、この平和紙業の実績自体にも疑念が湧くところです。
レイ(4317)の実績検証
今回は、口コミサイトなどで良くない評判も見られるエージェント(AGENT)投資顧問の実績検証です。
エージェントが被害報告のある悪徳業者グループサイトの一つであるという口コミや評判が散見されます。
したがって、口コミや検証サイトにおける評価は決して芳しくありませんが、実際にエージェントはどのようなものか・・・。
エージェントのサイトで公開されている「厳選大化け候補銘柄」という推奨銘柄実績の中から、今回はレイ(4317)の取引精度を細かく検証していきます。
銘柄名 | レイ(4317) |
買い推奨 | 11月20日/335円 |
売り推奨 | 12月07日/820円 |
レイは、イベント、展示会、テレビCM等の企画、映像制作や編集を行っている企業です。他にも、映像機器レンタルも手掛けています。
レイ(4317)の業績を確認する
2016年度の売上高について、第3四半期以降はイベントや展示会が多く開催される秋季期間だった事やコンサート・舞台案件を中心に受注が好調に推移。
しかし一方で、競合案件の受注が不調に推移したなどの理由で売上が芳しくなかった、第2四半期までの状況を回復するまでには至らなかったことなどにより11,314百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
また、売上高が減少したことや第2四半期連結会計期間に発生した大型プロジェクトの頓挫による赤字取引が発生したことなどにより、販売費及び一般管理費等の経費抑制等の施策を実行しましたが、営業利益は363百万円(同22.4%減)、経常利益は353百万円(同 23.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は217百万円(同38.9%減)となりました。
2017年度は、受注拡大を図るため、ここ数年積極的な設備投資を行ってきた映像機器レンタル部門は、業績が堅調に推移し当社グループの業績を牽引してきました。
しかし、第2四半期までは大型案件等の受注が見込めておらず、機材関連の経費も増加しており業績は苦戦を予想しているとの事です。
また、他部門においても仕事の引き合い状況は堅調なものの、価格値下げ圧力が強まる等の要因により、コストコントロールの徹底を図っているものの、利益面においては、低調に推移するものと見込まれています。
なお、安定した利益確保を図るべく、人材の採用と育成への投資を行っていく方針は継続していくとしています。
第3四半期以降の業績につきましては、イベント・展示会が多く開催される秋季期間が繁忙期ということもあ り、堅調に推移するとの見込み。
以上のことから、次期の業績の見通しは、売上高12,000百万円、営業利益440百万円、経常利益400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は280百万円と予想されています。
5日・75日線上抜けで買い推奨
エージェントがレイを買い推奨した11月20日は、5日・75日移動平均線を上抜けた日です。
11月16日の安値が波の下限なので、25日線も近いうちに上抜けるだろうと予測できます。ただ、次の変化日となる9日目までに7営業日も残っています。
その9日目の変化日である11月30日までに波が上値を取り、いったん下降してくることも、買い推奨時に考慮する必要があったでしょう。
買い推奨するタイミングとしては少し早かったかもしれませんね。
実際、11月30日の翌日にテレビ朝日ホールディングスとの資本業務提携したとの報道がされ、株価は4連騰することとなりました。
手堅すぎて利益を取り逃がした売り
「利益日」という違和感のある日本語で表現していますが、12月7日/820円の記載は利益確定日ですね。
三空空けた株価も寄付きからストップ高張り付きだったので、エージェントは12月7日も株価が躍進すると見込んだと考えられます。
この日は寄付きと値幅上限と間に差があったので、手堅く仕切り売り判断をしたのでしょう。
しかし、2006年1月からの上値目安となっていた750円を超えてきたことを考えると、さらなる上昇も見込めたと思われます。
現に12月7日は高値引けとなっており、手堅くとも節目である1,000円手前までは狙えたでしょう。
エージェントの基本概要
エージェントは、投資情報レポートを配信している業者です。
コンテンツであるスポットプランの一部が、期間契約の料金より高いという点が理解できませんが、よほど優位性のある銘柄でも組み込まれているのでしょうか。
株式会社ネクストの運営状況
まずは、エージェントを運営する株式会社ネクストの運営状況を検証するため、下記に項目を当てはめてみます。
- 登録番号の表記がある ×40
- 代表者名の表記がある ○20
- 分析者名の表記がある ×5
- 事業範囲の表記がある ×5
- 住所表記がある ○10
- 連絡先表記がある ○10
- その他、特商法の表記がある ○10
総計で40点となりました。
エージェントのサイトには金商登録に関する表記がありません。
自己分析を行っているという表記は見当たりませんが、先のレイの推奨銘柄実績には、自己の判断にて売買推奨を行っています。
そうなると、エージェントは脱法行為を行っていることになります。
サイト文面はウソ?
サイト内の文章を読んでいると、エージェントは、投資銀行やファンドなど「法人投資家」から特別な情報提供をする立場にある、と書かれています。
まず、これは機関投資家ということを言っているのでしょうが、これ自体間違いなく嘘でしょう。
自身を調査会社だと言っているのに、依頼元と言っている企業をすべて明かしています。これは、立派な顧客情報の漏洩です。
また、例として挙げられてしまっている企業は、日米の代表的な証券系企業ですが、これらは系統が違うため、依頼するシンクタンクなども異なるでしょうし、自社の中で調査企業を保有しているものです。
サイトの文面を見ていても、そのような名門企業グループから調査を依頼されている企業の文章とはとても思えません。
エージェントの総評
他にも突っ込みどころはたくさんありますが、エージェントのサイトの中は虚偽と誇大表現に満ちた、検証するにも値しない低俗なサイトと明言できます。
したがって、先程のレイの推奨銘柄実績にも信憑性はなく、無登録業者でありながら売買指示を行っている点も加味すると、とても利用をおすすめ出来るようなサイトではないと思われます。
きっと国内最大手の投資詐欺集団、驚くほどの速さで投資サイトを作っては消してを繰り返していますよ。