投資顧問ID 元証券マンが「広告通り」の実力があるのか検証

 2019/05/12

投資顧問ID
ID(アイディー)
https://id-method.com/

投資顧問IDは、お世辞にもいい評判の投資顧問ではありませんが、公式サイトの情報によると、紹介した121銘柄が1年間の内に株価2倍以上とか…。

yahooファイナンスの広告で目にすることも多く、特に投資顧問IDが株価高騰に繋がる理由に挙げている、株価を動かす国内・海外のニュースを報道前に把握できるという点は非常に気になります。

そこで、元証券マンの管理人が投資顧問IDの紹介銘柄から、銘柄の選び方や買い判断を分析。

投資顧問IDの実力と投資結果を紹介しながら、どんな手法を得意とする投資家に向いているのかを探ります。

 

投資顧問ID 紹介3銘柄の株価動向

投資顧問IDが推奨していた3つの銘柄情報を見る前に、1つだけ忠告させて下さい。

投資顧問IDは金商登録をしていない無登録業者なので、本来は投資対象となる銘柄や売買のタイミング等まで踏み込んだ投資助言は行ってはいけません。

そのため、投資助言を受けるには金商登録をしている投資顧問サイト から選ぶことをおすすめします。

yahooで表示される広告でも、違法に近い運営をする投資顧問業者もいるので、注意が必要です。

それでは、無登録業者という評判は別に、買い判断から約1ヶ月までの結果を含めて実力検証します。
※検証期間は4月1日~GW直前の4月26日まで

 

紹介銘柄①:改元関連銘柄の筆頭格

1つ目に投資顧問IDが注目したのは、改元関連銘柄の筆頭格と言えるレイ(4317)です。

レイは立体ARやパブリックアート、映像制作やイベント・プロモーションの制作、映像機器レンタルなどを取り扱っている企業で、投資顧問IDは4月2日に注目銘柄として取り上げていました。

4月2日はレイの株価は窓を開けて上昇しましたが、理由は2点考えられます。

1点目は、改元関連銘柄として注目を集めたことです。新元号の「令和」にちなんで「レイ」や「れい」が社名に入る会社が物色されました。レイはまさにその的でした。

2点目は、4月1日の大引け後に業績・配当修正を発表 したためです。2019年2月期の予想連結経常利益を6億円から8.8億円へ上方修正しました。投資顧問IDが注目した理由は、7期ぶりとなる過去最高益を更新する見通しが立ったことで、2020年2月期以降も伸びるのではないかと推測したのだと思います。

投資顧問ID レイ(4317)を好決算の見通しで買い推奨

投資顧問ID レイ(4317)を好決算の見通しで買い推奨

しかし、投資顧問IDの推奨後、4月3日には高値498円を記録するも、4月4日には終値411円とレイの株価は大きく下落してしまいました。

その後の4月15日に発表された決算では、2020年2月期の連結経常利益は6.5億円(前期比26.3%減)になる見通し 、年間配当も8円から6円へ減配する方針も発表され、さらなる値下がりとなりました。

 

分析からは見えなかった、不可解な買い判断

レイに関して、投資顧問IDが公言している「株価を動かすニュースを報道前に把握」していた様子は見受けられませんでした。

なぜなら推奨時の4月2日時点で、材料は既に公に発表されており、その後の約1ヶ月の間に出た材料はむしろ悪材料で、上昇気配が感じられませんでした。

また4月2日にレイを買う理由が他にあったかテクニカル面も見てみましたが、特に買い判断に至るものが見当たりません。

下記は買い推奨日の4月2日をテクニカル分析したものです。

投資顧問ID 買い推奨日は2つの過熱感あり

投資顧問ID 買い推奨日は2つの過熱感あり

この日はボリンジャーバンドで+3σ(シグマ)が近く、RSIは87%と相場に過熱感が出ていました。

本来は手を出さない方が良い相場であったため、投資顧問IDがこの局面で強気に買いに入るには、株価高騰に繋がるニュースを事前に入手し、そのニュースに確固たる自信がないと難しいものでした。

しかし事前に好材料を掴めていた様子はなく、テクニカル分析からも買いのタイミングではなかったことから、投資顧問IDの買い推奨でレイの株価が2倍以上になる可能性は低かったと言えます。

 

紹介銘柄②:バイオ人気再燃の象徴

2つ目に投資顧問IDが注目したのは、バイオ関連銘柄のアンジェス(4563)です。

遺伝子医薬品の研究開発を担うアンジェスの株価は、2019年に入ってから大きな動きを見せています。

1月30日に安値431円を付けた後、2月26日に1,320円の高値を付けました。その後はトリプルトップを形成し、3月末にはウルフ村田さんもアンジェスを推奨 していました。

ウルフ村田さんはデイトレード重視の投資家のため、アンジェスは値動きが大きく利益を取りやすい銘柄だったのでしょう。

そんな値幅の大きいアンジェスを、投資顧問IDは4月4日に情報公開をしたわけですが、その理由は買い推奨の前日に信用取引の臨時措置を4日から解除する発表 をしたことだと思われます。

投資顧問ID 信用取引の臨時措置でアンジェス(4563)を推奨

投資顧問ID 信用取引の臨時措置でアンジェス(4563)を推奨

一般的に信用取引の臨時措置が行われると、売買の自由度が回復するため株価変動が起きやすくなります。

アンジェスはバイオ関連銘柄の代表格であり、臨時措置解除で買いが集まるのではないかと投資顧問IDは予測したのだと考えられます。アンジェスのtextream板でも、投資家たちは「爆上げ開始」「ストップ高になる」とお祭り状態でした

4月4日 アンジェスホルダーの反応

4月4日 アンジェスホルダーの反応

ただ実際は、「機関投資家・個人投資家の空売り」によって、臨時措置解除後のアンジェスの株価は終値831円に留まり、翌日には782円の安値をつけ、結果として買いから売りまでの約1ヶ月でアンジェスの株価は、6.2%の下落で終わりました。

また今回のアンジェスに関しても、ニュース公開後の推奨だったため、投資顧問IDが事前にニュースを把握していたかという点は疑念が残ります。

 

紹介銘柄③:薄商い銘柄

3つ目に投資顧問IDが注目したのは、薄商い銘柄の創通(3711)です。

創通は買い推奨のあった4月12日こそ出来高21,300株でしたが、その他の日は平均の出来高が2,000株前後、中には0株の日もありました。

そんな創通は投資顧問IDの推奨後から下落を開始し、4月26日には始値2,061円の4%下落となっていました。

投資顧問ID 決算翌日の創通(3711)を推奨

投資顧問ID 決算翌日の創通(3711)を推奨

創通は機動戦士ガンダムなどのアニメーション作品の版権管理を行う広告代理店で、業績は年々下落しているものの、4月11日の大引け後の決算発表 では、2019年8月期第2四半期累計の連結経常利益が13.7億円(前年同期比1.1%増)に着地しています。

とは言え、この決算発表から創通が好調に転じ、買いと判断するのは難しいでしょう。

 

上昇の目玉は株主優待のガンダムQUOカードか

おそらく、投資顧問IDが創通の株価上昇の目玉として考えていたのは株主優待です。

4月11日の決算発表同日に、創通はガンダムのオリジナルQUOカードを贈呈する株主優待を新設することを発表しました。

人気長寿アニメでファンも多いガンダムとあって、投資顧問IDはこの創通の株主優待が起爆剤となって株価が上昇すると見込んだのでしょう。

しかし、株価が上昇したのは株主優待の発表があった翌日12日のみ。翌々日の13日からは下落し始めました。

QUOカードの優待利回りも0.25%と低かったこともあって、投資家には魅力的に映らなかったのでしょう。この株主優待は投資家の間であまり話題になりませんでした。

 

創通の株主優待「ガンダムオリジナルQUOカード」優待利回りは低い

創通の株主優待「ガンダムオリジナルQUOカード」優待利回りは低い

今回も投資顧問IDの思惑とは違う株価下落となったわけですが、また誰でも知れるニュース発表後の推奨とあって、投資顧問IDは事前に情報を把握できてないと思っていいでしょう。

しかし、中にはニュースで株価変動が起こる前に材料や内部情勢を調査するため、直接企業に赴き情報を分析している投資顧問 も存在するので、一度目を向けてみるのもいいかもしれません。

 

投資顧問ID 3銘柄の推奨に該当しない「高騰理由」

投資顧問IDは、提供する銘柄が高騰する理由を主に2つ挙げています。

・報道関係者との特別なコネクションを持っている
・インターネットで影響力を持つ層からの後押しがある

しかし、紹介された3つの銘柄では、この2点の確認が出来ませんでした。

 

報道関係者との特別なコネクションとは?

投資顧問ID 報道関係者との特別なコネクション

投資顧問ID 報道関係者との特別なコネクション

まず、投資顧問IDは「報道関係者との特別なコネクションがあり、必要な情報を提供し合う関係」と言っています。

このコネクションを活用し、海外経済の動向や報道前の情報を流してもらえるよう関係者に手配しているようですが、「レイ」「アンジェス」「創通」の実績から読み解くと、3銘柄とも株価が上昇した段階で買い推奨が出されています。

株価が上がっていない段階で買い推奨を出せないということは、報道関係者との特別なコネクションを投資顧問IDは築けていないのでしょう。

 

影響力を持つ層のサポートとは?

投資顧問ID インターネットで影響力を持つ層

投資顧問ID インターネットで影響力を持つ層

もう1つの「インターネットで影響力を持つ層からの後押しがある」とはどういう事かというと、投資顧問IDが人気ブロガーや著名投資家、芸能関係者を使って、ブログやTwitterなどのSNSに注目しているなどと記載。それを読んだ読者やファンがその銘柄を買い付けて相乗効果を出すといったものです。

つまり影響力を持つ層からの後押しがあることで、高騰が予測される銘柄のさらなる株価上昇を狙えるとしています。

しかし、この影響力を持つ層のサポートに関する裏付けが今のところ見つかりません。

仮にサポートがあれば投資家の買いが集まり、出来高が多くなるものでしょう。

先述の「創通」を例に挙げると分かりやすいのですが、買い推奨日の4月12日は出来高21,300株ながら、翌13日の出来高は約1/10の2,500株まで減少しました。

「創通」以外の紹介銘柄「レイ」「アンジェス」も下落しているので、サポートはないと思っていいでしょう。

 

投資顧問ID 利用におすすめできない投資顧問

「レイ」「アンジェス」「創通」の検証で分かったのは、投資顧問IDは「株価を動かすニュースを報道前に把握」しているとは思えず、影響力を持つ層のサポートもないこと。

そして紹介された3銘柄はどれも情報提供から間もなく株価下落という事実です。

この結果から、投資顧問IDの紹介で1年間の内に121銘柄が株価2倍以上となったというのもにわかに信じがたいです。

そもそも投資顧問IDが無登録業者である点も踏まえると、公式サイトの情報を信用するのは危険です。

どんなリスクをとってでも、投資顧問IDのおすすめする銘柄が株価2倍以上になると信じて疑わないというなら、利用するのはご自身の自由なので止められません。

そういう方にあえてアドバイスするなら、投資顧問IDの紹介銘柄は推奨後に株価が下落すると評判ですし、検証した銘柄も下落したので、逆張りしてみるといったくらいでしょうか…。

そんなハイリスクは御免という方は、投資顧問を利用する際の基本中の基本である金商登録をしている業者を選ぶこと。

例えば投資家一人ひとりに見合った投資戦略を提供する投資顧問AIP は、投資初心者~玄人まで幅広いサポートを行っています。

一度目を向けて見るのはいかがでしょうか。

 

※過去に調査した銘柄はこちら

日本テレホンの検証

ID(アイディー)という投資顧問業者は無登録業者です。

サイトの作りこみがしっかりしているので、気付かない人も多いかもしれません。悪質なやり口ですね。

無登録業者、つまり助言の資格が無い中で売買指示を出す時点でアウトなのですが、サイト上に掲載されている解説付きの推奨実績から検証していきたいと思います。

 

対象銘柄は日本テレホン(9425)です。

投資顧問IDは、日本テレホンの売買指示の経緯を公開しています。

 

投資顧問IDの投資判断は事実?

投資顧問ID 日本テレホン(9425)実績

日本テレホン(9425)実績

まず投資顧問IDは、1,020円という目標株価を定めた上で8月13日に買い推奨したとしています。しかし、その根拠については示されていません。

実際には、総務省が「中古スマホにもSIMロック解除を義務付ける」旨の発言をしたことが8月16日の朝刊に載ったため、思惑買いで急伸しています。

 

後から安いところを選んで買い推奨日とした…?

おそらくこの解説は事後作成でしょうから、投資顧問IDのこの予測はオブラートに包むものだったのでしょうか。

 

基本的に関係者ではありませんし、政府関係者の発信から市場が思惑を拡げたというだけで、インサイダーに該当するような事象でもありません。

この件を見越していたのか判りませんが、投資顧問IDが買い推奨を行ったとされる8月13日は、急伸前の最後の陰線を付けた日です。

投資顧問ID 日本テレホン(9425)株価 

日本テレホン(9425)株価

値動きの波の下限というには安値引けをしていますし、上は短期移動平均線に阻まれているので、テクニカルの視点ではこれといった買い判断に至る要素は見当たりません

これだけ見ると、後から安いところで出ている陰線を逆張り狙いという名目で選んだように思えてしまいます。

 

解説にあった急落材料は実際には出ていない

売り判断に関してですが、投資顧問IDの解説では、8月22日時点で急落する材料を仕入れたと綴られていますが、結局そのような材料は出ていません

元々、4日連続のストップ高となった後のアナリストの市場予想は1,200円が多かったですし、8月22日は売りが出ながらの高値引けであったため、翌23日に高値を付けると予想するのは難しくないでしょう。

それをあたかも、投資顧問IDしか仕入れられない情報でこの日が高値になると見込んだような解説文の記載は如何なものかと思います。

投資顧問ID 日本テレホン(9425)売却理由

投資顧問ID 日本テレホン(9425)売却理由

そもそもこの解説を見ていると、投資顧問IDはこの時期、本当に日本テレホンを推奨したのか疑問を覚えます。

 

投資顧問IDの運営概要

投資顧問IDのサイトは一見、丁寧に作り込まれているように感じますが、実際に検証してみると希薄な内容・不審点がいくつも感じられます。

 

無登録業者

自身の強みをアピールするのは良いのですが、その割合が大きい割に内容が曖昧です。

投資顧問ID HP

ID(アイディー)HP

こういった特色は違法な無登録業者によく見られるケースなので、とりあえず投資顧問IDの運営会社である「合同会社スコール」の会社概要を見てみましたが、案の定、無登録業者でした。

つまり投資顧問IDは本来は投資助言業務を行ってはならない業者になります。

 

投資助言に該当するようなサービス記載を発見

事業内容には「投資コンテンツの販売」と非常に広義な表現を用いていますが、サイト上には推奨したという具体的な銘柄名が挙がっている上に、それに対するアドバイスを会員が受けたとの記載があります。

投資顧問ID HP 投資成果情報

投資成果情報

何より、あからさまに投資助言に該当するようなサービスの手順を記していますね

投資顧問ID HP サービス手順

サービス手順

 

”無登録ではない”と錯覚させるアナリスト表記

投資助言に該当するサービス表記を見ると間抜けでしかありませんが、投資顧問IDは従来の無登録業者に見られた金商登録の有無を「隠す」のではなく、金商登録があると「錯覚させる」姿勢が見られます。

それが如実に見られるのが、専属アナリストである木下英明という人物が顔と名前を出している点ですね。

大抵の無登録業者は、それを避け「当社の優秀なアナリスト」というような表現に留めますが、投資顧問IDの場合は、名前に具体的な社名等を挙げた経歴、そして投資顧問IDにおける実績を具体的な銘柄名を挙げて公開しています。

投資顧問ID 所属アナリスト

所属アナリスト

これはむしろ、優良と評される投資顧問のサイトよりもしっかりしているように錯覚させられます。

 

投資顧問サイトを見慣れていない人であれば、この時点で投資顧問IDの利用を決意してもおかしくありません。

しかし、サイト上に挙げられている4人のアナリストの名前を検索しても、誰一人ヒットしません。

まあ、アナリストとはどこかの組織に従事している方が多数派なので、ネット上でヒットするタレントアナリストは一部の方ではあります。

しかし、サイト上に挙げられている5人中3人は独立もしていたそうなので、誰かしら検索にヒットがあっても良いハズです。

 

畠山宏茂氏の代表挨拶にも不審点

そして何より不可解なのは畠山宏茂なる人物の「代表挨拶」です。

投資顧問ID 代表挨拶

代表挨拶

普通、署名を入れる場合には、肩書の前に会社名を付けるものですが、この挨拶文にはそれが無いため、どこの会社の代表なのか判りません。

投資顧問ID 代表挨拶署名

代表挨拶署名

そもそも、こんな非常識な署名はあり得ません。

また、合同会社スコールの運営責任者は加藤和介なる人物が表記されていますが、畠山氏は一体どこの会社の代表なのでしょうか。

合同会社であれば「代表取締役」という肩書ではなく「代表社員」とするのが一般的です。

 

ちなみに「畠山宏茂」と「加藤和介」の名前を検索しても、一件のヒットもありません。

組織に従事しているアナリストとは違い、投資サイトを上げている企業の代表者であれば、一件位名前のヒットがあって然りでしょう。

ちなみに「合同会社スコール」の社名自体ヒットがありません

 

投資顧問IDの総評

先述の投資顧問IDの日本テレホンの投資助言における実績は、虚偽であれば詐欺事実であれば法令違反です。

どちらにしてもアウトですね。今回は、凝った無登録サイトもあるいう発見がありました。

【特選】証券マンおすすめのスクリーニングツール

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