スナップアップ投資顧問 「波乱相場」で見つける低位株の選び方を検証
2018/06/15
- スナップアップ投資顧問
- https://snap-up.jp/
荒れる相場でも高騰期待株を選べるというスナップアップ投資顧問。
相場変動によって売られすぎとなった低位株を見極め、さらに3ヶ月以内に2倍以上高騰する可能性のある銘柄を提供すると掲げています。
株投資は「安く買い、高く売る」という非常にシンプルなことと言うスナップアップ投資顧問が、どんな銘柄の選び方や売買の仕方をしているのか元証券マンの管理人が検証し、勝てる投資が実現できるかを見ていきます。
記事の目次
スナップアップ投資顧問 荒れ相場で「売られすぎの株」を選定
2018年10月に、日経平均が急落したことを覚えていますでしょうか。
この月の株価の下げ幅は記録的なもので、米リーマン・ブラザーズの破綻直後と東日本大震災以来のものでした。
日経平均株価が連日のように値下がる状況で、スナップアップ投資顧問は急騰期待の銘柄情報を公開しました。
公開したのはANAP(3189)※という個別銘柄で、決算発表で売り圧力が強まったタイミングでした。
※ANAPは10~20歳代の女性をターゲットとするファッションブランド。主軸はネット通販の販売、リアル店舗も原宿を中心に約40店舗展開。
スナップアップ投資顧問が掲げる「荒れる相場」×「売られすぎとなった銘柄の見極め」の条件に該当している銘柄です。
それでは、スナップアップ投資顧問はどうしてANAPを買いと判断したのかを詳しく見ていきましょう。
スナップアップ投資顧問 株価上昇は近いと買いを判断
スナップアップ投資顧問が買い推奨を出したのは2018年10月23日だったようです。
先述の通り、日経平均は急落し、相場全体の地合いが悪化した大荒れの相場でした。
この時のANAPはというと、決算発表 で材料出尽くしと投資家にみなされ利確売りが起きて株価が下落していたので、スナップアップ投資顧問はANAPを売られすぎの株と見たのでしょう。
では、相場状況・株価状況が芳しくない中、なぜスナップアップ投資顧問は情報公開をしたのか探ってみると、おそらくボリンジャーバンドの動きで買い判断を決めたのではないかと考えられます。
ヒントはボリンジャーバンドの膨らみ
ANAPのチャートをご覧ください。買い推奨した10月23日頃、ボリンジャーバンドが全体的に膨らみはじめていることが見て取れます。
10月11日の窓を開けて株価急落した後、ローソク足は-1σ(シグマ)付近をしばらく推移していました。その後も徐々に下落したことで、23日頃から-2σに近付き、25日には-2σとローソク足が接触していました。
このサインでトレンド転換すると判断し、スナップアップ投資顧問は近々株価が上昇すると買いを推奨したのでしょう。
ボリンジャーバンドは、マイナス値が大きければ大きく反転する可能性も高く、実際に10月30日・31日は陽線で終わっていました。
しかし、31日からはボックス相場を形成し、株価はほぼ横ばいに推移していくことに。年末には相場全体の売り傾向も受け、ANAPも例に漏れず12月25日に年初来安値の550円まで下落しました。
買い判断の後から株価下落が始まったのを見ると、この時のスナップアップ投資顧問の読みは甘かったと思います。
スナップアップ投資顧問 短期急騰から3ヶ月後
スナップアップ投資顧問の公式サイトに「数週間~3ヶ月という短期において、個別銘柄の取引で2倍超高騰する、極めて大きな可能性のある銘柄をご提供させていただきます」との記載があります。
そこで、ANAPの株価は急騰したのか、10月23日(買い日)から3ヶ月後の1月23日までを見てみましょう。
短期急騰のサイン「見逃しで-15%下落」
結果からお伝えすると、1月23日の株価は691円で買い推奨から-15%下落。スナップアップ投資顧問が買い推奨を出した10月23日の終値796円を越えることは一度もありませんでした。
売りのタイミングがいつだったのかわからないので、スナップアップ投資顧問が売り判断をする時の基準はわかりません。
しかし、ANAPの業績予報が市場の期待に届かなかったことで、大きく株価が下落する可能性は考えられました。
なので、仮に10月23日~1月23日の期間で売りタイミングを挙げるならば、トレンド転換の読みが外れた+窓を開けて下落した10月25日頃で素早く損切りすると良かったでしょう。
スナップアップ投資顧問 短期急騰株を見抜くのは高難度
ANAPは「荒れる相場」から「売られすぎとなった銘柄」という条件を満たしてた銘柄でしたが、株価は上昇しませんでした。
テクニカル分析を用いて買い指標は見えたものの、大荒れ相場は読めずに下落トレンドに飲まれてしまいました。また、保有中に投資家からの失望売りが起きたことを踏まえると、スナップアップ投資顧問の企業分析は不十分だったと思います。
今回の分析を通して感じた、スナップアップ投資顧問の銘柄選定と売買タイミングの見極めに対する不安が、そのまま現れた結果と言えるでしょう。
ただ、リーマンショック同等の大荒れ相場で取引を成功させるのは、どんな投資家にとっても大変なものです。損した人もたくさんいるでしょう。
そうした荒れ相場の中でも「利益を得る」ことに成功していた雅投資顧問の銘柄の選び方 は気になるところです。なぜなら、スナップアップ投資顧問がANAPを推奨したのと同時期にMTジェネックス(9820)を提供し、騰落率140%上昇した事例が確認出来ているからです。
株式投資は「安く買い、高く売る」という非常にシンプルな事ですが、実際に実行することはスナップアップ投資顧問だけでなく、プロでも難しいことです。様々な投資法や事例を勉強しながら、その精度を高めていけるといいですね。
※過去の検証銘柄はこちら
アクサスホールディングス(3536)
今回検証するのは、スナップアップ投資顧問という投資顧問サイトです。
金商の明記があるため無登録業者ではないですし、過度の誇大かつ不明瞭な記述もありません。運営会社の代表取締役である有宗良治氏は顔や経歴も公開しているため、不穏な印象は感じられませんね。
提供銘柄の実績もサイト上で公開されているので、まずその中からアクサスホールディングス(3536)を検証してみたいと思います。
アクサスホールディングス(3536)の検証
スナップアップ投資顧問推奨銘柄 アクサスホールディングス(3536)
アクサスホールディングス(3536)の業績を確認する
アクサスグループホールディングスは、徳島県を拠点した化粧品や生活雑貨、酒類を扱う店舗を展開するアクサス株式会社と旧・雑貨屋ブルドッグの共同持株会社です。
積極的なM&Aにより展開事業を拡げ、2012年にはホームセンター事業に進出。近年では四国のみならず、大阪や兵庫にも出店しています。
2018年8月期のアクサスホールディングスの業績は、前年比で小幅な増収、事業利益に至っては減益でした。
ただ、最終利益利益は41%増となっています。
これは、特別利益に固定資産の売却益277百万円、特別損失に固定資産の減損損失111百万円、賃貸借契約解約損56百万円等を計上。
加えて、繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、法人税等調整額82百万円を含む法人税等合計60百万円を計上したこと等によるものです。
逆に2019年8月期においては、小幅な減収ながら事業利益は増益。
しかし今回の計上により、最終利益は大幅な減益が予想されています。
スナップアップ投資顧問が買い推奨をする前日の10月12日、アクサスホールディングスは、業績予想の修正を発表しました。
経常利益を25.3%下方修正するも最終利益を70.2%上方修正したため、後場から株価は急伸しました。スナップアップ投資顧問は、これを動意と見てか翌13日に買い推奨を行っています。
スナップアップ投資顧問の買いタイミングは適切だった?
私は、このタイミングでの買いは良くなかったのではと感じています。
一つ目の理由は、買い推奨日の13日は土曜日です。つまり実際の買い日は15日の月曜日となるため、週末に取引注文を行わなければならなかったこと。
二つ目の理由は、15日は15~19日の1週間の中で、最も高い始値でした。週末にわざわざ取引注文を行ったにもかかわらず、一番買わなくていい日に買うこととなります。
このあたりの買いタイミングについてのスナップアップ投資顧問の判断は残念です。
ちなみに11日は114円、12日は120円と急伸した直後の買い推奨であったため、週空け15日の寄付き後の反落も怖かったです。
このあたりをスナップアップ投資顧問はどう想定していたのかは分かりませんが…。
なんとか当日は陰線で引けていますが、一目均衡表の基準線と転換線で何とか支持されたといったところでしょうか。
売却推奨日はなし?
その後は小幅に株価は沈んでいくも、10月22日にそれまで足枷となっていた合併等による実質的存続性の喪失にかかる猶予期間入り銘柄から解除されたことにより株価は急伸。
上にあった一目均衡表の雲(青い空間)を上抜けていきました。
その翌日に、高値を取った後の急激な反落でスナップアップ投資顧問は売り判断をしたのでしょう。
今回の狙いは恐らく22日の解除一点。24日の高値も、12日の前場に付けた安値から概ね2倍ですので判断しやすかったと思われます。
しかし、ここで気になるのが「売却」についてです。
24日に高値220円を記録したことは分かりますが、特にスナップアップ投資顧問が売却指示を出したのかは不明です。
そのまま保有を続けている投資家は、わずか数パーセントの上昇率で取引を終えることになりそうです。
その点を踏まえると、雅投資顧問のように個人投資家では真似ることが難しい売買判断をしているとは感じませんでした。
ベストな売買タイミングで利益を追求する雅投資顧問の方が、プロを利用している実感が持てると思えます。
スナップアップ投資顧問の基本概要
それでは、スナップアップ投資顧問の運営会社である株式会社ストックジャパンの運営状況を検証するため、下記に項目を当てはめてみます。
- 登録番号の表記がある 〇40
- 代表者名の表記がある 〇20
- 分析者名の表記がある ×5
- 事業範囲の表記がある 〇5
- 住所表記がある 〇10
- 連絡先表記がある 〇10
- その他、特商法の表記がある 〇10
総計で95点となりました。
分析者の表記はありませんが、おそらく代表取締役である有宗良治氏でしょう。有宗氏のルーツは大和証券で、その後は外資系の証券会社で主に営業畑を歩んできたそうです。
一つ気になるのが、スナップアップ投資顧問の公式サイトでは有宗良治氏を「元エース」と指しています。前職の大和証券株式会社では営業部の「元エース」だったそうですが、今回のアクサスホールディングスの取引での売買タイミングを見ると、本当に「エース」と呼ばれていたのかは甚だ疑問です。
スナップアップ投資顧問のサイト内には、12の本則という社訓が掲載されているのが特徴的ですが、これもその出身セクションの影響を受けているのでしょうね。
ただ営業畑出身者の場合、運用セクション出身者と違い、その職位等によって相場分析力がマチマチである傾向が見られます。提供コンテンツ等は、一般的に投資顧問で提供しているようなものですね。
スナップアップ投資顧問の評価
スナップアップ投資顧問は、推奨銘柄の売買タイミングが気になりました。
コンプライアンスはクリアしていますし、口コミ評判も今のところそこまで荒れてはいないです。
スナップアップ投資顧問が実力のある投資顧問とはまだ言い切れませんが、引き続き銘柄分析を行い実力の判断をしていきます。
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