株価が2倍、10倍になるような大化け株には特徴があります。
一言でまとめると「着々と業績を上げながらも注目されていない小規模企業」が大化けしやすいです。
過去の事例も参考にしながら大化け株の特徴を元証券マンがお教えします。
記事の目次
大化け株の特徴
大化け株の特徴は大きく3つです。
・時価総額の小さい企業
・毎期売上が伸びている企業
・独自のビジネスモデルを持っている企業
「オンライン英会話の代名詞」と言えるレアジョブ(6096)、「独自ペプチド配合の育毛剤」が大ヒット中のファーマフーズ(2929)はこれら特徴を抑えて大化けした企業です。
それでは各特徴を詳しく見ていきましょう。
時価総額の小さい企業
時価総額の小さい企業は大化け株になりやすい特徴があります。
売上・利益が少なく成長余地が大きいためです。
たとえば時価総額26.5兆円のトヨタ自動車がこれから10倍、20倍に膨れることは考え難いですが、時価総額100億円の企業ならありえない話ではないと思います。
同じ10倍でも26.5兆円→265兆円と100億円→1000億円では雲泥の差ですからね。
時価総額が小さい企業は大化け株の前提条件です。
アナリストレポートのない企業は狙い目
金融機関や証券会社に所属するアナリストが独自の視点で企業分析するレポートをアナリストレポートと言います。
このアナリストレポートが出回っていない企業。つまり、世間の注目を集めていない企業を探してみて下さい。
人の手垢が付くと思惑が株価に反映されやすくなり投資妙味に欠けることがあります。
材料発表のサプライズ感も薄れるので、大化けしづらくなったり、大化けするまでの期間が延びることにも繋がるのです。
証券リサーチセンター やフィスコ 、Yahooファイナンス でアナリストレポートは閲覧できます。
毎期売上が増加している企業
「売上なくして利益なし」というランチェスター戦略の言葉通り、毎期売上を伸ばしてる企業は大化け株になりやすいです。
将来性のある企業と市場から評価されるためでしょう。
たとえば昨年大化けしたJストリーム。
毎期売上10%以上伸びている同社の成長力はもちろん、市場のテーマ性もあいまって株価は一気に火がつきました。
「順調に売上を伸ばせる企業なら利益は後からついてくる」と捉える投資家によって買いが集まるのです。
純利益3倍でテンバガーが目安
株を買った時から純利益3倍ほどに膨れるとテンバガーが見えてきます。
企業コンサルティング事業が柱のアイアールジャパンホールディングスは純利益8.2億円(2018年) → 24.4億円(2020年)に成長、その間に株価はテンバガーを達成しました。
毎期売上を伸ばし続けることで純利益も膨れあがった一例です。
独自のビジネスモデルを持っている企業
他社にない独自のビジネスモデルを備えている企業も大化け株の特徴です。
独自のビジネスモデルとは0→1を生み出すようなものではなく、切り口を変えてサービス提供ができている企業のことです。
例に挙げるならかつ丼の「かつや」を全国展開するアークランドサービスホールディングス。
これまで値が張って手を出しずらかったかつ丼を、牛丼チェーン店をマネた作りでいつでも・どこでも・安く食べられるよう仕組み化させたのは同社です。
サラリーマンを中心に人気化し業績向上、アークランドサービスホールディングスの株価は大化けしました。
このように既存のサービスを組み合わせることで、独自のビジネスモデルを形成する企業も大化けすることがあります。
既存の事業や産業を効率化させるようなアイデアを持った会社は大化け株の特徴のひとつと言えるでしょう。
大化け株の特徴 発掘するための条件
大化け株の3つの特徴のうち「時価総額の小さい企業」「毎期売上が伸びている企業」はスクリーニングすることができます。
調整する条件は下記の通り。
・株価500円以下
・上場7年以内
・売上高成長率10%以上
まずは「時価総額の小さい企業」を見つけていきます。
時価総額300億円以下の企業
「株価 × 発行済株式数」で求める時価総額は会社の規模を表します。
会社規模は小さいと業績が何倍にも膨れることがあるので、成長段階と考えられる時価総額300億円以下を狙うのがおすすめです。
300億円を上回ると機関投資家の参入が増え、一挙に上昇基調に乗ってしまうこともあります。
大化け時に乗り遅れないように、利益幅を最大限狙えるように、時価総額300億円を下回る「ダイヤモンドの原石」から探すのがベターです。
500円以下の低位株
ほとんどの大化け株は株価500円以下の低位株なことが多いです。
低資金の個人投資家が参入できるので、話題性が出たときに一気に注目が集まり株価急騰しやすいのが特徴です。
ただ、安価なゆえ2つの注意点があります。
■ 注意点①:仕手筋
仕手筋が多額の資金を投じて市場操作しやすいのも低位株の特徴です。
「低位株=仕手筋が狙う株」と考えていいと思います。
2019年にREVOLUTION(8894)の株価8円→84円まで急騰したのも、仕手筋が大量買い・空売りで市場操作を行ったことでテンバガーを達成しました。
もしスクリーニングした低位株のチャートが急騰・暴落を繰り返していた場合は見送ることをおすすめします。
■ 注意点②:倒産リスク
マザーズやジャスダック市場に上場している新興市場株の場合、倒産リスクも否定できません。
東証一部と比べると体力のない新興市場株は、業績悪化や新事業の立ち上げ失敗などにより倒産することもゼロではありません。
たとえ低位株であっても陰りの見える企業も避けることをおすすめします。
上場7年以内のオーナー企業
オーナー企業とは、創業者もしくはその一族が経営の実権を握っている企業を指します。
長期的な経営を実現できることがメリットです。
いわゆるサラリーマン経営者は2~3年という短期間で評価されることが多い中、オーナー経営者なら長期的な戦略で株主利益を追求することができます。
また、経営者であると同時に自社株の大量保有者なので「業績を上げて株価を上げる」気持ちが強いのもプラス面です。
たとえば柳井会長がユニクロを展開するファーストリテイリング、似鳥会長の率いるニトリHDはオーナー企業がオーナー企業に位置付けられます。
売上高成長率10%以上
直近3年間で売上高成長率10%以上の企業なら、今後の業績に期待できることが多いです。
売上の伸びはとても重要です。
利益は売上を伸ばすこと、経費を削減することで向上できますが、後者の場合いずれ頭打ちが来てしまうので、常に売上を伸ばしていく必要があります。
「売上なくして利益なし」です。
成長力の高い企業なら業績上振れすることも珍しくないので、株価大化けの材料が出やすいのも特徴といえます。
売上成長率 計算式
大化け株の特徴 テーマ株・材料株は条件外でも上昇
時価総額、低位株、上場7年以内、オーナー企業、売上高成長率、、
これら条件を満たしていなくとも、テーマ株・材料株であれば一気に大化けすることもあります。
たとえば今流行りのバイオベンチャー関連株。
開発中の医薬品を自社発売にこぎ着けられなくても、製薬会社に開発権を譲渡してライセンス料を受け取ることで株価急騰することも。
スマホゲームの制作や配信を手掛ける会社なら、ヒット作が一つでも出れば売上が爆発的に増加して株価が大きく上昇します。
このようにテーマや材料株の特徴を理解して大化け株を見つけるのも一つの手です。
最近では大化けテーマ株を自動解析、スクリーニングしてくれる最新鋭AIソフトが注目されているので、大きな利益を狙ってみたい方は利用するのもいいと思います。
大化け株の特徴 時価総額は特に注目
いま一度大化け株の特徴をまとめます。
・時価総額の小さい企業
・毎期売上が伸びている企業
・独自のビジネスモデルを持っている企業
特に「時価総額の小ささ」は最注目ポイントです。
時価総額が大きく成熟していると成長力はどうしても落ちてしまうので、大化け株を狙うなら、投資妙味のある時価総額の小さい企業に絞っていきましょう。
当サイトでは他にも大化け株のチャートパターン や大化け株の見つけ方 、元証券マンが予想する大化け株候補10選 などもまとめているので、ぜひ覗いてみて下さい。
口コミはありません