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浜本学泰の本が話題
浜本学泰氏は以前当サイトでも検証したトレードスクールであるアーニングアカデミーの運営会社、株式会社アンヤットの代表取締役です。
今回取り上げるのは、その浜本学泰氏が執筆している著書についてです。
現時点で出版されている本は以下の2冊。
- 『対TOPIX業種指数チャートの動きに乗る個人投資家のための「市況株」短期トレード』
- 『世界の“多数派”についていく「事実」を見てから動くFXトレード』
浜本学泰氏が執筆している著書
ざっくり言ってしまうと、株式とFXに関する本ですね。
浜本学泰はどんな人物?
筆者の浜本学泰氏は、日本の中小型成長株に特化して投資信託とヘッジファンドにて2000億円の運用を行っていた人物です。

また浜本学泰氏は、中学生の時に外国為替に興味を持っていたということで、なかなかの早熟です。大学では外国為替・国際金融を専攻して学んでいたそうです。
社会に出てからは、野村證券やメリルリンチ日本證券等で外国為替ではなく株式に関する業務に従事していたことで、このような2本の軸があるというわけですね。
リーマンショックを予測?
さらに逸話として、当時に担っていたファンドマネージャーを自主退職したその日の夜にリーマンショックが起こったそうです。
この時に浜本学泰氏は、「直感が働いた」などというエピソードも語っていますが、もし事実なら恐ろしさすら感じますね。
当時はほとんどの投資銀行がCDO(債務担保証券)を大量に保有していたため、ネガティブな見通しを持てる人物であれば、リーマンショックのような投資銀行の破綻は予測できないことはなかったかもしれません。
しかし浜本学泰氏は、発生したその日に退職しているというのですから驚愕ですね。
浜本学泰の本①『個人投資家のための「市況株」短期トレード』
ではまず、浜本学泰氏が執筆する2冊の本の内の一つ、『対TOPIX業種指数チャートの動きに乗る個人投資家のための「市況株」短期トレード』の内容を覗いていきます。

大半は「市況株」の優位性とその実用について
全8章構成ですが、大半は「市況株」の優位性とその実用について述べています。
浜本学泰氏は「個人投資家は、機関投資家の苦手とされる市況株で勝負すべき」という考え方ですね。
つまり、情報収集力では圧倒的優位に立つ機関投資家と同じ土俵に立たず、テクニカルが効きやすい市況株で勝負するということです。
対TOPIX業種指数を用いた手法の解説
銘柄の選定方法は、TOPIXと伴って対TOPIX業種指数が上昇している市況セクターを選定し、その中から上昇局面にある銘柄を選定するとのことです。一貫してこの手法について丁寧に解説されていますね。
その上昇局面が初心者には分からないのではないのか…という疑問が沸かないこともないですが、基本的に相場に対してある程度の見立てをできる人が、この本の読者対象と思われます。
浜本学泰の本②『「事実」を見てから動くFXトレード』
続いては浜本学泰氏の2冊目の著書『世界の“多数派”についていく「事実」を見てから動くFXトレード』についてです。

FXの根本概念を改めて解説
このタイトルを見てまず思うのが、FXトレードにおいて基本的なことがタイトルになっているということです。
FXなどは特に、プライスアクションがあるから売買判断が行えるもの。それをプライスアクション前にできるのは中央銀行とパイプのある公的基金を運用する機関投資家位でしょう。個人がやったら博打以外の何でもありませんね。
「世界の人達の動きは、基礎的なチャートで解る」というのはFXのような大きい市場において根本概念です。総数が大きいほど多数決が効きやすくなるということですね。
つまり、多くのトレーダーが理解している基本を改めて解説している本と言えます。
紹介される手法は基本に忠実
本書でも浜本学泰氏の独自手法が紹介されており、実取引に使うインジケーターとそのパラメーターが記されています。
インジケーターは移動平均線、ボリンジャ―バンド、一目均衡表、RSIとトップクラスでメジャーなものばかりですね。

時間足によって細かい指示はありますが、パラメーターはほとんどデフォルトです。ここでも基本が丁寧に解説されています。
浜本学泰の本は根本概念を理解するには有用
浜本学泰氏がこの2冊の本において提言していることは、さほど目新しいものではないという気がします。しかし、相場取引においては、目新しいことよりもシンプルな根本概念が遥かに重要です。
そういった点では2冊とも、根本概念の重要性を明確に説いており、その上で有効な銘柄やテクニカルツールの選定、取引手法が教示されていると思います。
ただある程度有識で、この2冊の概念は既に理解しているトレーダーも少なくないと想像できます。基本的にはタメになる良質な書籍だと思いますが、読んでみて「今更だな」と価値を感じれない人も少なくないかもしれません。
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