上場から株価430倍のファーストリテイリング、株価340倍のヤフーなどは過去に大化けした代表株。
「社会が求めるサービス」を提供し続けたことで大化けをしました。
株価は市場の需給関係で動くことは今も昔も変わりないので、過去の大化け株をヒントにすれば有望株は見つかります。
着目するポイントを知り、将来の大化け株を掴みましょう。
記事の目次
過去の大化け株から学ぶ、中長期投資株の見つけ方
過去の大化け株に習う、有望株を見つけるポイントは2つです。
→ 社会のどのような課題を解決していくのかを知る
②:市場規模の大きさを知る
→ みんなが必要とするサービスなのかを知る
「そんなの当たり前じゃないか」と拍子抜けする方もいるかもしれませんが、これが過去の大化け株に共通する最大のポイントなのです。
例を挙げるなら株価430倍に大化けしたファーストリテイリング。
顧客が求める”安価で高品質の服”を提供しながら、業界の課題”新素材の開発”にも向き合い、従来の衣料品にはない機能性を持つ”ヒートテック”などを次々に販売しています。
このように社会の課題解決をしながら、みんなが必要とするサービスを提供する企業が株価の大化けに期待できるのです。
創業の動機、市場規模から探す大化け株の見つけ方を紹介します。
社長名鑑
300社以上の上場企業、急成長中の未上場企業の社長インタビュー動画・記事を読める社長名鑑。
企業の経営戦略やビジョンはもちろん、社長の事業に対する想いや価値観まで知れるので、どんな目的を持って会社を成長させていくのかを読み取ることができます。
企業のホームページや四季報では伝わらない「生の声」を聞ける情報サイトです。
社長の話を聞きつつ「こんなサービスが世に出たら便利そう」と感じたら金のタマゴかもしれません。
ジャパンストックチャンネル
上場企業の社長が成長戦略を語ってくれる株情報番組です。
IR資料ではなかなか読み取りづらかったり、聞くことのできない企業の裏側も知れるので成長予測に一役も二役も買います。
イメージしずらいビジネスモデルも字幕・図解でわかるのも魅力。
週3回(月・水・金)と更新頻度も高いので多くの有望企業に出会えます。
IPOの総合評価
過去の大化け株は世の中にまだない革新的な商品や、競合のいないニッチなサービスを提供して大化けをしました。
“ウォークマン”が大ヒットしたソニー、”使い捨てカメラ”を作った富士フィルム。昨今では工具通販のニッチ分野を切り開き”工具のアマゾン”と呼ばれるモノタロウも大化け株です。
このような新しい市場を作る企業は、IPOの時点で目を付けておけば中長期での大化けも夢ではありません。
IPOスケジュール や庶民のIPO といったIPO株を紹介するサイトでは、近々IPOする株をランク評価※しています。
※「S > A > B > C > D」の五段階評価。
「高評価=市場注目度が高い」と捉えられるので、複数のサイトで高評価を受けるIPO株は世間が必要とするサービスを提供するかもしれません。
中長期投資で大事なのは投資企業が社会で求められ続けるのかを見極めることです。
売り時は「上昇トレンド」の終了
数年保有するような長期銘柄はトレンド転換で売り時を判断します。
売りタイミングを判断する流れは下記の通り。
大化け株の売り時
②:短期線(12ヵ月)、中期線(24ヵ月)の移動平均線を設定
③:短期線が中期線を角度をつけてデッドクロスしたら売り
移動平均線が角度をつけてデッドクロスすると上昇トレンドが終了し、長期間の横ばいもしくは下落の可能性が高まります。
長期銘柄はトレンドが続く限り値幅を取りにいく投資スタイルです。
せっかく積み上げた利益を目減りさせないように、トレンド転換を見極めやすい移動平均線の活用がおすすめです。
デッドクロスは
・利益成長に暗雲が漂う時
・競合企業の成長がいちじるしい時
に投資家心理がネガティブとなり、デッドクロスを形成する前兆となるので覚えておきましょう。
「材料」で短期急騰した株の長期投資は注意
見つけた大化け株候補が短期急騰している場合は、長期投資に不向きかもしれません。
過去の大化け株から例を挙げるならスマホゲームの「パズドラ」が大ヒットしたガンホー(3765)。
大化け時は大手ゲーム開発企業もスマホゲームに注力しておらず、ダウンロード数、話題性により株価は一気に火がつきました。
約1年3ヶ月の間で株価81倍(20円 → 1633円)ですよ。
このように需要と供給が伴わず、勢いで上がる株は注意が必要です。
1月末に米ゲームストップ株が1ヶ月で約20倍急騰したのも同様です。
多数の億り人が誕生したことは予測できますが、逆に言うと高値掴みで大損した投資家も多かった模様。
これが「材料」「トレンド」で短期急騰する大化け株の怖さでもあります。
過去の大化け株のように長期投資で儲けやすいのは、業績の成長に伴ってじわじわ株価上昇するような銘柄です。
過去10年の大化け株には「独自性」がある
アパレル革命を起こしたファーストリテイリング、ITバブルで跳ねたヤフーのように、株価が大化けするような株は独自性を持っています。
独自性とは0→1を生み出すようなものではなく切り口を変えた強みを持つ企業のことです。
過去10年※の間に大化けした株からもその理由がわかりました。
※2012/2~2021/2の10年間
企業名 | 証券コード | 上昇率 | 高値(高値日) | 安値(安値日) | 現在株価 | 大化け理由 |
---|---|---|---|---|---|---|
エスプール | 2471 | 157.7倍 | 1,104 (21/02/18) | 7 (12/02/24) | 株価 | 障がい者の雇用支援。社会ニーズを満たして機関も好感。 |
トリケミカル研究所 | 4369 | 136.2倍 | 5,042 (21/01/14) | 37 (12/08/17) | 株価 | ニッチ企業。半導体製造で使う高機能化学品の分野で競合なし |
RAIZAPグループ | 3038 | 128.7倍 | 1,545 (17/11/24) | 12 (12/03/09) | 株価 | 社会現象。「結果にコミット」のキャッチフレーズでダイエットブームをけん引 |
リミックスポイント | 3825 | 122.8倍 | 1,843 (18/05/25) | 15 (12/06/1) | 株価 | 仮想通貨ブームで取引所に高期待 |
レーザーテック | 6920 | 119.7倍 | 15,690 (21/01/15) | 131 (12/07/27) | 株価 | グローバルニッチ銘柄。EUV露光装置を手掛ける唯一の企業 |
ガンホー | 3765 | 116.6倍 | 16,330 (20/05/17) | 140 (12/05/18) | 株価 | スマホゲーム「パズドラ」大ヒットにより業績拡大期待 |
ペッパーフードサービス | 3053 | 114.3倍 | 8,230 (17/11/2) | 72 (12/02/24) | 株価 | 肉量の調節、立ち食い、低価格で「いきなりステーキ」が大ヒット |
出前館 | 2484 | 105倍 | 4,200 (20/12/18) | 40 (12/06/08) | 株価 | コロナ禍で宅配サービスの需要増 |
ディップ | 2379 | 88倍 | 3,700 (20/02/10) | 42 (12/10/19) | 株価 | リーマンショックの不況の中「バイトル」など人材派遣サービスが需要 |
MonotaRo | 3064 | 60.8倍 | 6,940 (21/02/22) | 114 (12/02/24) | 株価 | 中小製造業の「かゆいところに手が届く」通販サイトとして成長 |
「結果にコミットする」というキャッチフレーズで一大ブームを巻き起こしたRAIZAPグループ(2928)。コロナ禍で宅配需要が増した出前館(2484)。
大化け株が生まれたのはダイエット市場や宅配市場など、昔からある市場の株ばかりです。
大化けした過去の株は新しい市場を生み出したわけではなく、みんなが必要とするサービスを提供できたからこそ大化けしました。
既存市場の「あったらいいな」に応えるようなサービスを強みとする企業は目を付けておきたいところです。
大化けする株は「業績」がしっかり
過去10年で大化けした株は不安定な相場でも安定した業績をほこっていました。
たとえばトリケミカル研究所、エスプール、レーザーテックは順調に最高益連続期数を更新。
新型コロナウィルス、米大統領選挙、米中貿易摩擦などのあらゆる外的要因の影響を受けても業績はしっかり。
社会の課題解決をしながら独自性を持つ企業は業績がついてくるということです。
不況でも業績を伸ばせる企業は狙いどころといえます。
少し古い話ですが、2012年頃の日本経済はリーマンショック・東日本大震災の余波により大不況。
日経平均株価は8200円台にまで落ち込み下値を模索する展開でした。
ほとんどの日本株に元気がない中、ファーストリテイリング、キーエンス、ドンキホーテHD(現パン・パシフィックHD)といった独自性を持っている有望株は自力回復。
地合いを無視して2012年6月頃にはリーマンショック前の株価水準まで回復しました。
不況にも強い銘柄は投資家から好感を持たれやすいので大化け期待も高まります。
大化け株で「富」を築いた投資家
サラリーマンでありながら資産数億円を築いたスゴ腕投資家のエナフン氏。
葬儀会社のティア(2485)やリサイクルショップのトレジャーファクトリー(3093)など、みんなが必要とする「身近な企業」を狙って資産を増やしました。
米著名ファンドマネージャーのピーター・リンチを真似た手法ですね。
「日常生活や趣味の中に大化け株は潜んでいる」と考え、需要が伸びそうな企業に投資をするのです。
先述のティア(2485)にエナフン氏が目を付けた理由も「高齢化で需要が見込める」「景気に左右されない」ため。
エナフン氏はリーマン・ショック後の2009年頃にティア株を買ったようなので、高齢化社会の需要+映画おくりびとの話題にも乗り、株価は大きく上昇しました。
このように日常生活で「何が求められるのか」を考えることでチャンスは掴めるものです。
世間や経済の流れに敏感なサラリーマンには理に適った投資法だと思います。
大化け株はAIが発掘してくれる時代
過去の大化け株から分かったのは、社会の課題解決をしながら独自性のある企業は大化けしやすいということ。
これから求められる需要・今から伸びる需要を察知して、割安な頃に仕込んでおくことが重要です。
紹介した「過去の大化け株から学ぶ、中長期投資株の見つけ方」を参考に未来の大化け株を掴んでみて下さい。
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