サンバイオショックで東証マザーズ急落!今後の株価はどうなる?

 2019/02/04

サンバイオ(9434)株価急騰のきっかけは?

以前より注目度の高かったサンバイオですが、2018年11月の初頭に動意を見せ、以降株価が上昇を続けていました。

この急動意のきっかけとなったのは、11月1日に発表されたIRです。

内容は、かねてより開発中であった細胞治療薬「SB623」の日米による国際共同治験2相で、主要評価項目を達成したというものでした。

詳しいリリースなどについては2019年バイオ関連銘柄の将来性を予想!特許承認で株価は?の記事でも言及しましたが、この発表により翌2日の株価は大きく反応し、4日連続でストップ高を付けました。

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細胞治療薬「SB623」とは?

サンバイオが開発を手掛ける「SB623」とは、健康な成人の骨髄液より抽出した自己再生能力を持つ多能性細胞(間葉系幹細胞)を加工の上、培養した再生細胞薬です。

「SB623」を投与することにより、神経細胞の再生を促進させ、脳内の失われた機能を回復させると見込まれています。

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一般的に再生医療は、患者自身から抽出した細胞を調整して患者の体内に戻す自家移植と、他人から抽出した細胞を患者の体内に注入する他家移植に分けられます。

自家移植の場合は細胞の均質性が低く、そもそも量産化を目的としていないため、費用が高額化するという課題があります。いわゆる、実用化の妨げとなっているわけですね。

対して、サンバイオが手掛けるSB623は他家移植による均質の細胞を量産化した医薬品です。

つまり同一の製品を量産化して、多くの患者を治療できるという利点があります。しかも投与は局所麻酔で可能なため、翌日退院も可能とされています。

サンバイオの「SB623」は、このような量産技術が既に確立されているため、従来の製薬と同様のモデルを適用でき、低コストでの販売も可能となります。

今回の治験は、慢性期の外傷性脳損傷(TBI)を対象に行われています。

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つまり、運動障害を伴う外傷性脳損傷を持つ61人の患者に、このSB623を投与して経過観察を行うということですね。

その結果、機能の改善度を24時間単位で示す指標が、投薬したグループが正常を100とすると8.7ポイント改善したとのこと。

比較対照となる薬を投与しなかったグループの改善度が2.4ポイントであったことから、大幅な差が見られています。

治験をクリアしたSB623の次の段階は?

11月1日のサンバイオIRで発表されたように、治験で達成された主要評価項目(Fugl-Meyer Motor Scale)は、「プライマリーエンドポイント」と呼ばれ、クリアすれば医薬品としての有効性が示せたという指標となります。

つまりこのプライマリーエンドポイントを達成することが治験を実施する上での目標であり、達成できれば概ね問題なく次の段階に進むことができます。

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今回、サンバイオにとってプライマリーエンドポイントを達成した意味は、非常に大きいものでした。

日本国内では「再生医療等製品に関する法律」があり、それには通常行われる治験のステップ(治験3相)というものがあります。しかしサンバイオのSB623はそれを行わずに、条件付きで早期承認を目指すことができるからです。

元々サンバイオは、日本人起業家が米国で創設した会社ですが、日本でこの制度が施行されたことにより、日本に移転してきたという経緯があります。

早速サンバイオは、2019年の早い時期にも承認申請を行う見通しであることを示しました。順調に進めば、SB623は世界に先駆けて日本で導入されることとなります。

また同時に、米国でも「再生医療等製品に関する法律」に類似する条件付き早期承認制度の活用を含めて検討し、早期の承認を目指すとしています。

“世界初”の細胞医薬品の実用化が見えてきた

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米国における条件付き早期承認制度とは、2014年11月に制定された再生医療等の製品を対象とした新しい制度です。

まず、SB623の安全性が確認された段階で承認が下り、以降は実際に患者の治療を行いながらデータを収集します。

このような段取りの下、サンバイオはSB623の本承認取得を7年以内という期間を想定しています。

脳の神経機能を再生させる世界初の細胞医薬品の実用化が、いよいよ現実味を帯びてきたことで、サンバイオは世界中の再生細胞治療開発に携わる企業から注目を集めています。

株価の強い反応も、この実用化に対して起きているものと言えるでしょう。

サンバイオってどんな会社?

サンバイオは日本、および世界初となる、再生細胞薬の開発を手掛けている創薬ベンチャーです。

会社としての沿革は、以下のとおりです。

  • 2001年2月:米国カリフォルニア州のシリコンバレーで、米国にてサンバイオを設立。
  • 2013年2月:日本法人サンバイオを設立。
  • 2014年1月:日本国内において「医薬品医療機器等法」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行されたことを受け、日米親子逆転の企業再編を実施。
  • 2015年4月東証マザーズに新規上場。

主に脳神経に係る疾患分野で、慢性期脳梗塞、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性、パーキンソン病、脊髄損傷、アルツハイマー病といった、未だ有効な治療法がない治療ニーズを充たすための再生細胞薬の開発を行い、将来的に販売を目指しています。

創業科学者は、脳神経領域の再生医療・iPS研究で世界第一人者の慶応義塾大学の岡野栄之教授です。

サンバイオ サンバイオショック 株価 岡野栄之教授

岡野栄之教授

研究内容が画科的であることもあり、提携研究機関も米スタンフォード大学、米ピッツバーグ大学、米ノースウェスタン大学と同分野の主要に先駆的機関が多いですね。

サンバイオの業績

サンバイオは、2018年1月期にカリフォルニア州再生医療機構より、SB623の臨床試験に対する本補助金のうち18百万米ドルを既に受領。

そこから、679百万円が営業外収益として計上されています。

また、北米にて大日本住友製薬と締結しているSB623の共同開発と販売ライセンス契約における開発協力金収入等の計上により、直近通期決算期である2018年1月期の各科目は改善しています。

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業績推移

研究会社であるため万年赤字となっていますが、近い将来にSB623が実用化されれば、黒字転換はほぼ間違いないでしょう。

直近までのサンバイオの株価推移は?

サンバイオの株価は、11月1日に発表されたSB623の治験による主要評価項目を達成の報道以降も上昇を継続しています。

基本的にSB623の実用化に向けた期待が大きいため、株価は買われやすくなっていますね。

上値抵抗ラインに差し掛かっても、その度ブレイクアウトを果たしており、ゾーンを切り上げています。

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気づいてみれば、主要評価項目を達成の報道前から株価は4倍にも膨れ上がっています。

さらに2019年に入ってからは、全体相場の反発に加え、バイオ関連銘柄が活況となっていたこともあり、上げ足を加速。

中でもサンバイオは、米カリフォルニア州再生医療機構から経過観察終了達成分の0.01億ドルを受領したり、SB623のプログラムに慢性期脳出血を追加する等、材料を連発し、バイオ関連銘柄を牽引する存在となりました。

既に時価総額は5,000億円を突破し、マザーズ市場の中では、2位のメルカリに大差をつけています。

サンバイオショック!東証マザーズが大暴落…

2019年1月30日にサンバイオの株価は、はじめてゾーンの下限を割り込み急落しています。

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原因は、前日の29日にサンバイオとSB623の共同開発者である大日本住友製薬が、慢性期脳梗塞を対象としてフェーズ2b臨床試験で、主要評価項目を達成できなかったと発表したことによります。

この発表によるサンバイオの下落は、バイオセクターをはじめとした他の銘柄にも波及していますね。

マザーズ全体でも8%の下落で引けています。それだけサンバイオの影響力は強くなっているということです。

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このサンバイオの買い煽りをしていたウルフ村田氏は、このサンバイオショックで大炎上になりましたね。

 

サンバイオの今後の株価はどうなる?

しかし普通に考えれば、今まで株価が上げ過ぎていた感は否めません。むしろ、調整が入らない方が不自然と言えるでしょう。

今回の治験で、主要評価項目を達成できなかったとはいえ、SB623の実用化への期待が無くなるとは思えませんし、押し目では乗り遅れた買いも入ってくる可能性も考えられるため、むしろチャンスの呼び水なのかもしれませんね。

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