ロボアドバイザーのウェルスナビがIPOします。
2020年最大規模のIPOと注目されていますが、大きな利益は期待できないかもしれません。
ウェルスナビのIPOに注意が必要な理由をまとめました。
記事の目次
ウェルスナビのIPOは12月22日
ウェルスナビのIPOは2020年12月22日東証マザーズ市場を予定しています。
項目 | 内容 |
---|---|
抽選期間 | 12月7日(月)~12月11日(金) |
当選発表日 | 12月14日(月) |
購入期間 | 12月15日(火)~12月18日(金) |
上場日 | 12月22日(火) |
市場 | マザーズ市場 |
時価総額 | 500~600億円 |
主幹事 | SBI証券、大和証券 |
想定価格 | 1,100円 |
初値予想 | 1,200円~1,400円 |
当選株数 | 17,153,700株 ※当選は171,537枚(売買単位:100株) |
当選株数の多いIPO案件のためIPO当選価値が低いです。
初値予想は1,200円~1,400円ほどなので、100株当選で数千円の利益止まりかもしれません。
ちなみに6月~9月の4ヶ月間で計26銘柄IPOしましたが、初値割れが起きたのは9月にIPOした雪国まいたけ(1375)のみ。
同社の当選株数は14,837,300株とかなり多い部類でした。
ウェルスナビは事業性、将来性への期待が高い企業ですが、雪国まいたけ同様に当選株数の多さはネックです。
※ちなみに9月IPOで初値10.9倍を付けたヘッドウォータース(4011)は当選株数115,000株でした。
ウェルスナビのセカンダリー投資は様子見
IPO直後は利確売りにより、直近安値を拾うチャンスはありそうです。
ただ、ここで飛びつかずにチャートの動向を見ることをおすすめします。
ウェルスナビの株価が下落する可能性は3つです。
株価下落要因
②2019年12月期の経常損益は20.5億円(前期は17.1億円)の赤字
→ 技術開発、広告宣伝で先行投資中
③売出株の増加
→ ベンチャーキャピタルの出資が多いため
①はともかく②・③は短期目線でネガティブ要因になります。
先行投資の影響で投資家還元策(配当・優待・自社株買い)はしばらく期待できそうもありません。
IPOで調達予定の資金も人材採用、開発体制の拡充、新サービス開発、マーケティングに充てるとしているので、引き続き企業成長を重視するようです。
出資者にベンチャーキャピタルが多いのも懸念。
ウェルスナビの上位10名の株主構成の内7名がベンチャーキャピタルです。
ベンチャーキャピタル総数は20社以上と言われています。
ロックアップは90日~180日で予想されますが、ベンチャーキャピタル数、持ち株数が多いので、ロックアップ解除後に売り圧が強まる可能性は考慮しましょう。
>> ウェルスナビIPOの初値越えは確実?AIが選ぶ次の急騰テーマ株
ウェルスナビは国内最大手のロボアドバイザー
ウェルスナビは全自動のおまかせ「投資一任型」ロボアドバイザーです。
上昇銘柄を自動抽出する循環物色アナライザー とはAIのタイプが異なります。
「長期・積立・分散」という機関投資家が実践している資産運用方法をウェルスナビのAIが解析。
年齢や年収、運用目的などの顧客情報を基に、世界約50ヶ国1万1000銘柄に自動で分散投資してくれます。
強気な手数料 業績向上に期待
ウェルスナビは預かり資産の1%を運用手数料として受け取っているので、これが同社の売上(粗利益)となります。
1%はかなり強気な手数料設定です。
例えば楽天・全米株式インデックスマザーファンドは0.162%、米国ETFのS&P500は0.0968%、手数料1%を下回る投資商品は多々存在します。
それでもウェルスナビは昨今のコロナ禍、老後の資産形成ブームの後押しもあり需要が増加。
2020年10月現在で開設口座数は約34万口座、預かり資産残高は3000億円を越えているので、当期の売上高は約30億円(預かり資産の1%)の見込みです。
業界では高水準の手数料でも、上場することで顧客の安心感をもたらします。
安心を選ぶ投資家が増えることでウェルスナビの利用者増加、同社の業績向上に期待できそうです。
会社概要
商号 | ウェルスナビ株式会社 |
本社所在地 | 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル9F |
金融商品取引業者 | 関東財務局長(金商)第2884号 |
資本金 | 52億6,045万円(資本剰余金含む) |
事業内容 | 金融商品取引業 |
資本提携先 | SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、DBJキャピタル |
ウェルスナビのIPO リスク検討は必要
将来性ある優良企業とはいえ、IPO投資で大きな利益を期待できるかは別物の話です。
当選株数、出資元の状況など、様々なリスクを考慮しながら投資の検討をして下さい。
もしセカンダリー投資を狙う場合は業績、売出株のデメリットも考慮に。
目先の安値で飛びつかず、しばらくチャートの動きを見てからエントリー判断を下すのがいいでしょう。
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