今日のS株・明日のS株という株式ブログが、個人投資家の間でひそかに関心を得ているようです。
S株の”S”とは”ストップ高”の株を意味します。
明日ストップ高に期待できる個別銘柄をブログで紹介しているので、気にする投資家が多いのでしょう。
そこで元証券マンの管理人が「今日のS株・明日のS株」の銘柄選びの基準を分析したところ、S株を買うのは難しいことが分かりました。
記事の目次
今日のS株・明日のS株 PTSランキングから選定
今日のS株・明日のS株では、毎日19:00~20:00頃、明日ストップ高に期待できる株を紹介しています。
明日ストップ高に期待できる株は「独自データ解析」を用いて抽出。
抽出方法の詳細は非開示となっていますが、銘柄には共通点がありました。
それは、モーニングスター社が作成している「PTS値上がりランキング」です。
今日のS株・明日のS株の選定銘柄を見ると、PTSランキング上位の銘柄がほとんどを占めているのが分かりました。
つまり、すでに動意付いている銘柄が、今日のS株・明日のS株で紹介されているわけです。
投資家の注目が集まっている最中ですから、急騰前に仕込める可能性は低いでしょう。
今日のS株・明日のS株 「要注目S株候補」2銘柄の結果
それでは2019年11月8日の事例から、S株を仕込むことが出来るのかを確認していきます。
今日のS株・明日のS株では、選んだ銘柄を「要注目S株候補」「要注目銘柄」に区分けしています。
※選定銘柄を見る限り、区分けの仕方は今のところ不明です。
まずは「要注目S株候補」から確認していきます。
11月8日(金)のブログ記事を見ると、ナガオカ(6239)・中央化学(7895)の2銘柄が、翌営業日の11月11日(月)にS株候補として挙げられていました。
11月8日の大引け後、ナガオカは第1四半期決算を発表し、連結経常利益は前年同期比4.5倍の3.5億円に急拡大。中央化学も連結経常利益を2億円から3.09億円に上方修正を発表しました。
2銘柄とも好材料が入り、同日19時公開のPTS値上がりランキングの2位・3位に付いていました。
つまり、「要注目S株候補」に載っている銘柄はすでに投資家が注目し、急騰している可能性が高いと言えます。
繰り返しになりますが、今日のS株・明日のS株の情報公開は19:00~20:00頃です。
当銘柄を買う場合、8日のPTSか11日の始値※で買うことになるので、当時の株価を確認してみます。
※特に買い時の指示はないので、最も早く買える始値で定義します。
11月8日(PTS)
株価893円 ※ストップ高のため購入不可
11月11日
始値893円 ※ストップ高のため購入不可
■中央化学(7895)
11月8日(PTS)
株価635円
11月11日
始値588円 高値598円 終値589円
ナガオカは8日(PTS)・11日両日ともストップ高のため、買えませんでした。
S株候補に挙げられても、仕込めないのではあれば意味がありません。
中央化学は8日(PTS)に株価635円、11日なら始値588円で買えました。
ただ、11日の高値は598円、終値は589円のため、8日(PTS)に買った場合は含み損。11日始値で買えたとしても、高値で売れて+10円。あまり利益を残せない取引です。
11月8日の「要注目S株候補」は迂闊(うかつ)に手を出すと高値掴みしていましたね。
>> 抽出株がストップ高!最新AIが”自動”で選ぶ次の急騰期待株
今日のS株・明日のS株 「要注目銘柄」10銘柄の結果
続きまして「要注目銘柄」の株価を見ていきます。
ブログ記事を見ると「要注目銘柄」は10銘柄ありますが、掲載されているのは5銘柄のみです。
残りの5銘柄はメールマガジンに掲載のため、確認したい方は登録してみるといいでしょう。
では、11月8日の「要注目銘柄」を紹介します。
この10銘柄には業種も市場も統一性はありません。
共通して言えるのは、大引け後に決算や材料が好調で、すでに動意付いている銘柄ということです。「要注目S株候補」と同様ですね。
こちらもPTS値上がりランキングの銘柄と見比べると、選んだ10銘柄中7銘柄がトップ10入りしていました。
「要注目S株候補」のナガオカ・中央化学も合わせると、計9銘柄がPTS値上がりランキングに入っていたこととなります。
100%ではないものの、今日のS株・明日のS株は限りなくPTS値上がりランキングから抽出していると考えられます。
では、「要注目S株候補」同様に、8日のPTSか11日の始値で買った場合の株価を見ていきましょう。
■ケミプロ(4960)
11月8日(PTS)
株価338円
11月11日
始値289円 高値296円 終値274円
■マイスター(4695)
11月8日(PTS)
株価938円
11月11日
始値947円 高値954円 終値946円
■EduLab(4427)
11月8日(PTS)
株価4,650円
11月11日
始値4,720円 ※ストップ高のため購入不可
■親日化学(2395)
11月8日(PTS)
株価695円
11月11日
始値724円 高値725円 終値725円
■JBR(2453)
11月8日(PTS)
株価1,150円
11月11日
始値1,231円 高値1,292円 終値1,246円
■ブレインP(3655)
11月8日(PTS)
株価5,850円
11月11日
始値6,190円 高値6,230円 終値5,690円
■日特建(1929)
11月8日(PTS)
株価767円
11月11日
始値732円 高値763円 終値736円
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〇PTS値上がりランキング未掲載銘柄(3銘柄)
■光ビジ(3948)
11月8日(PTS)
株価不明
11月11日
始値451円 高値455円 終値449円
■AMI(3773)
11月8日(PTS)
株価不明
11月11日
始値1,133円 高値1,133円 終値1,133円
■パルマ(3461)
11月8日(PTS)
株価不明
11月11日
始値990円 高値1,010円 終値985円
上の図を見ると分かりますが、11日の始値で買えた場合、大した利幅が取れないことがお分かりいただけるかと思います。
銘柄によっては、終値ベースで含み損を抱えることも確認できます。
高値掴みとなってしまい、とてもストップ高は狙えそうもありません。
今日のS株・明日のS株の銘柄を買う場合は、含み損を背負うリスクも覚悟した方がいいでしょう。
今日のS株・明日のS株 下落リスクを理解した投資を
主にPTSランキングに載っている銘柄を選定するので、動意づいた株が今日のS株・明日のS株で選ばれます。
材料次第では翌日以降の株価上昇も期待できるでしょう。
しかし、すでに動意づいた株を買うので、今日のS株・明日のS株の銘柄は下落リスクを理解した上で、投資を検討する必要があります。
もし、すぐにでも利益を上げたいと考えている方は、先進技術を搭載した株ツールに頼るのもおすすめです。
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今仕込むべき銘柄を瞬時に分析してくれるため、きっとあなたの株式投資に役立つと思います。
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