記事の目次
石川製作所(6208)の検証
山中剛氏が代表取締役を務める株式会社ヤマナカ・インベストメント・ジャパンが運営する山中投資研究所の取引実績の検証です。
サイト内にあるブログには山中理論による取引の実況が挙げられているので、今回はその中から石川製作所(6208)について考察していきます。
石川製作所は、段ボール製函印刷機主体の機械メーカーです。繊維機械で出発し、現在では防衛機器も手掛けています。レンゴーが筆頭株主となっています。
(6208)石川製作所の業績を確認する
2016年度は、資本金、資本準備金、及び利益準備金の額の減少並びに剰余金の処分により繰越利益剰余金の欠損を解消し、財務体質の健全化を図りました。
次に、紙工機械につきましては6年ぶりとなる新機種WINMR250を発表・販売開始し、また、防衛機器に おいては新型機雷を初出荷するなど、話題の多い年となっています。
このような状況の下で、当連結会計年度の受注高は91億95百万円(前連結会計年度比1.5%減)となり、売上高は97億59百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。
損益面については、売上高が前連結会計年度より増加したことなどにより、営業利益は1億52百万円(前連結会計年度比72.5%増)、経常利益は1億34百万円(前連結会計年度比81.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は93百万円(前連結会計年度比53.8%増)となりました。
2017年度については、依然として企業の設備投資に慎重さが見られることから、引き続き先行き不透明な状況で推移するとしています。
このような状況の下において、石川製作所は業績について、売上高84億円、営業利益1億円、経常利益70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円を予想。
アナリストのコンサンセスでは、売上高と営業利益は2016年度と同等、経常損益と親会社株主に帰属する当期純利益においては増益が見込まれています。
あくまで山中理論に忠実な銘柄選定
山中投資研究会が石川製作所を選定した判断根拠は、山中理論の範疇内と思われるので、詳細は判りません。
ただ唯一、PERと経常利益増加率を参考にした銘柄の選定方法が記されています。
どうやら、「PERに対して経常利益率が高い=妙味が高い」という判断をしているようです。
それを踏まえると、石川製作所の10月4日のPERが31.95倍、経常利益増加率が約116%なので、妙味は高いということで、山中投資研究会の選定基準に当てはまる銘柄だとわかります。
ギャン理論・一目均衡表をもとに買い判断
また、山中投資研究会ではギャン理論や一目均衡表等で価格と時間のサイクルを重視していることを強調しています。
ギャン理論は日本ではあまり浸透していませんが、世界のトレーダーの間ではダウ理論やエリオット波動論と並んで有名な理論です。
買いサインが出たという10月4日は、とりあえず一目均衡表で安値から26日目に当たりますね。
ギャン理論では時間と価格の比率を表すギャンラインというものを描いて分析するのですが、その線も当日の下値に沿っています。
より良い水準で楽に利確できた可能性も
推奨文には10月6日の30分足にて売りサインが出ていたと記載されていますが、この日は日足だと4日を起点とした追加のギャンラインからも浮いています。
6日の後場からの売り押された翌営業日に、10月4日を起点にした追加のラインに着地していたことが判ります。
山中投資研究会の売買判断は、あくまでサインに忠実であることがわかりました。そして山中理論自体は批判対象にはなり得ません。
しかし、石川製作所の今回の局面だけを見て言うとすれば、急角度の追加ラインに着地し、高値は安いとは言え6日より良い水準で楽に利確ができると予測できたのではないでしょうか。
山中投資研究会の基本概要
山中投資研究会は、山中剛氏という分析者が要となっています。
個別株と日経225先物、オプションに対して、テクニカルに特化した分析にて作成した投資マニュアルの販売、それに付随してレポートの配信を行っているようです。
ただその対象は、山中投資研究会は独自で編み出した「山中理論」の読者のための会員専用サイトだそうです。
したがって関係の無い閲覧者にとっては、一方的な取引動向と山中剛氏の理論を垣間見れるということになります。
ただ山中理論は、投資媒体や視点によって理論の組み合わせを行う難解なものなので、その分野に通じている人以外、まず理解するのは難しいでしょう。
月刊誌にて公開予想
ちなみに山中投資研究会は、著書や月刊誌等では「公開予想」を行なっている模様です。
過去には、月刊誌「頭で儲ける時代」にて株式市場の公開予想では、日柄による変化点から株価の上下予測を行い、見事的中させたとしています。
また、山中剛氏の理論に関する書籍は、ここ20年近くにわたり出版されています。
そもそも運営元である株式会社ヤマナカ・インベストメント・ジャパンは、投資商材販売の会社です。
投資顧問業の登録が無い事を批判していた他の検証サイトがありましたが、投資助言などは行っていないので問題はありません。
ただ、世間に多い無知感満載の投資情報商材の広告と比較すると、レベルが全く違うので、そのような先入観を持っていると、投資顧問サイトと見紛うのも無理はないかもしれません。
山中投資研究会の口コミ・評判
口コミや検証サイトでの評判も、山中投資研究会に対しての記述は避けているように見えます。
管理者が意味を理解できなければ悪徳業者かどうか評価のしようも無いということでしょう。
そもそもが山中理論に通じた方向けのサイトなので、外部の人が何らかの被害を受けるということもあまり無いと思われます。
山中投資研究会の総評
山中投資研究会に関しては、投資商材に組み込まれている山中剛氏の理論が判らないと検証し難い部分があります。
数値による理論に依存しているため、取引に甘さが見られてもサインや計算値に忠実に遂行していると言われればそれまでです。
先述のとおり、山中投資研究会の投資マニュアルの販売対象となるのは、既存の会員のようです。
口コミにて、投資商材の値段が高過ぎるという書き込みも散見されましたが、その人達は会員なのでしょうか。
そもそも会員は、山中理論を信奉する人でもあるのでしょうから、今更そこに文句は言わないような気がしますが、一方で入会したばかりの方であったら、そういった意見が出るのも頷けます。
また、マニュアルという位ですからこの理論を実行するのは購入者自身という事になるのでしょう。
あくまで想像ですが、これほど多様、かつ難解で上級者向けの手法を、初心者が体現できるとは到底思えません。
口コミはありません