2019年1月18日に2019年度予算案を修正するという異例の対応が決定しましたが、これによって株相場はどうなるのか?
追い風となるセクターと2月に期待できる大化け銘柄を3つ、直近株価の解説付きで紹介します。
記事の目次
2019年度予算案修正、前代未聞の対応
2018年12月21日に一度は閣議決定された2019年度の予算案において、1月18日の閣議で政府は修正を決定しました。
一度決定された予算案を修正するというのは、前代未聞、異例の対応です。
そんな異例の対応を取ることとなった要因は、賃金や労働時間を示す毎月勤労統計で不適切な調査が成されていたというものでした。
この件が発覚したことにより、本来より少なかった雇用保険の失業給付などを本人に追加給付するための費用を計上する必要が生じることとなります。
つまり雇用保険などの追加給付に伴い、一般会計からの国庫負担が増える総額は当初案より増えるということですね。その増額分は約6億5000万円となりました。
このズレを追及していくと、不適切な調査が始まった2004年から2011年分の調査資料がすでに廃棄されていたことが明らかに。
2010年より前の雇用保険のデータや、事業所から集めた個別データの一部などが、見つかっていないとのことです。
特に現在の連立与党が社会保障の削減に躍起になっていることは、世の中がまことしやかに気付いていたことではあります。
したがって今回発覚した不適切調査も意図的に行われていたという見方も一部ではあるようですね。
国土交通省関連銘柄にとっては追い風?
社会保障を削った予算を充てたい分野と言えば、やはり次世代社会への先行投資や有力者の利点が多い部分に傾向していくのでしょう。
例のごとく国土交通省関連への予算は伸びを見せていますね。
大抵、国土交通省関連の予算の充当には現与党政府が力を入れたいはずなので、予算案が閣議決定されると同時に関連銘柄が買われやすくなります。
今回起こった予算案の修正も、結局は先述のとおり厚生労働省に割り当てる分の増額を行わなければなりませんが、既に決まっている部分の予算が下方修正をされるということは考え難いところです。
しかし政府与党側からすると、4月の地方選挙前に今回の予算案修正は、支持率保持の観点からすると痛い失態と言えます。
これを払拭するために、やはりどうにかして株価を上げるために2月以降施策を打ってくることも考えられます。
既に予算が確保されている国土交通省関連銘柄にとってはさらなる追い風となるかもしれません。
基本的に道路に関する工事を請け負う企業は、国土交通省に割り当てられる予算への依存度が必然的に高くなります。
税金を基にした国の予算から工事経費、請け負う工事の規模、そして自身の報酬が決まるからですね。
国土交通省関連銘柄とはどんなセクター?
また道路以外にも、国土交通省関連銘柄に該当するセクターはたくさんあります。
例えば、現在日本で懸念されている空き家問題です。空き家は街の景観を悪化させるだけではなく、災害や犯罪の温床となり得ます。
今後は継続的な人口減少に伴って、空き家はさらに増えていくと予想されており、対策は急務となっています。
近年は国土交通省でも、空き家や空き地等の流通活性化に向けて積極的に取り組んでいますね。
具体的には、空き家・空き地バンクの構築等を行っており、それを請け負う企業も、結局は国土交通省から割り当てられる予算を当てにしていることは否めません。
そして道路工事と一言で言っても、実際の施工業者のみならず、計測や調査、必要機材の開発・製造といった非常に幅広い企業が該当しますが、それらのほとんどが、政府が国土交通省に割り当てる予算によって成り立っているとも言えます。
2月に期待の大化け銘柄!国土交通省関連株とは?
2019年度の予算が確保されたことによる安堵感もさることながら、道路をはじめとした公共工事は予算消化のため年度末に集中する傾向があります。
既に施工中のものも多くありますが、これから着手する短期的な補修工事などで売上が向上する企業もあるハズです。
そのような見通しを前提にして上昇が見込める国土交通省による公共事業関連株をいくつか挙げてみたいと思います。
基本的に大企業が多い公共事業関連株ですが、その中でも小型で比較的に商いが少ない株は、上昇時に高い割合の利益を獲得できる可能性が高くなり得ます。
つまり、国土交通省関連株は大化けする可能性も期待できるということですね。
テノックス(1905)
建設における基礎工事の大手企業です。テノコラム工法等、独自で開発した3つの工法を武器に、公共関連から民間建築関連を開拓し続けています。
2019年3月期の業績予想は、売上高は前年同期比でほぼ横ばいであるものの、各利益部門は増益予想となっています。
にもかかわらず、現時点でPERが8倍、PBRが0.6倍という割安水準にあります。
テノックスの株価は、2017年11月に高値を付けて反落していますが、途中戻り高値を付け、既に2段階の下落を果たしています。
直近安値を付けた2018年10月以降は底堅く推移しており、2018年12月には瞬間的ながら動意を見せたことにより、値動きの軽さが窺えます。
同時に下では、買い手の意欲も高まっているように思えますね。
目線はまだ下ですが、2月以降先述の直近戻り高値を超えていくようであれば、割安さも手伝い株価は急伸する可能性が考えられます。
ニッパンレンタル(4669)
中堅の土木・道路、建設機械のレンタルを展開している企業です。
補修やメンテナンスの受注も多く、主要エリアを信越・北関東主体から南関東へシフトしています。
2017年12月期に高稼働の建築工事向け機械の導入を増強し稼働を促進。「販売キャンペーン」も同時に強化しています。
管理センターの拡充により機械管理の効率化を図るといった取り組みで増収増益。2019年12月度の予想はさらに躍進しており、業績は右肩上がりの様相を見せています。
それでもPERが8%、PBRが0.96倍という割安水準にあることから、上余地は多いと言えるでしょう。
低位で推移していたニッパンレンタルの株価ですが、2018年2月辺りから商いが継続して大きくなっています。
概ね上り下りで5ヵ月程の波を形成し終え、2018年の終盤には仕掛け売りのような下落があります。
2019年に入り既に反発は始まっていますが、新たに波を作るための上昇余地はまだまだあります。
先に述べたとおり割安水準でもあるので、2月以降の上昇も期待できそうです。
GA technologies(3491)
AIを活用した中古不動産の総合プラットフォームの開発・運営を行っている企業です。
近年では、空き家の流動運営にもクラウドファンディングも行っています。
具体的にはReTech領域において、AIを活用した中古不動産流通ポータルサービス「Renosy」や、不動産オーナー向けアプリ「Renosy Insight」を開発し運営しています。
現在、フィンテック、保険を絡め、不動産業に留まらない構想に着手しだしています。
2018年12月11日の週に付けた直近押し安値を割り込んだため、現在トレンドが無い状態です。
フィボナッチ1/3戻しに抑えられてそのまま下落すると思いきや反発し、再びフィボナッチ1/3戻し水準を超えています。
同水準上にあった3,500円のラインを上抜けたため買いが活発化していますね。
2018年2月の上場来高値以降の調整後の反発による高値でもあり、半値戻しでもある4,200円の水準を上抜けてくるようであれば、上昇余地は一気に拡大します。
2月の全体相場を予想!
サイクルから鑑みるに全体相場は、2月の特に3連休以降に年初から上昇してきた分の調整に入る可能性があります。
目先は21,000円水準を超えるかが判断基準でしょうが、2月の3週目の株価目安としては値幅が狭過ぎるようにも思えます。
年初からの反発が強いためいったん下落して谷を形成しそうなことも考慮すると、12月13日に付けた直近戻り高値である21,871円が目安として丁度良いかもしれません。
2月に期待の大化け銘柄のまとめ
小型の建設株は比較的全体に流され難い部分もありますが、それが2月の3週目以降に該当するかは判りません。
ただもし該当するのであれば、株価が下がる他の銘柄から資金が流れ込むこともあり得るでしょう。そうなれば、大化け銘柄となる可能性すらあります。
ただし上昇余地はあっても、先に上げたような国土交通省関連株が2月の前半から上げていた場合には注意が必要です。
そのほか、2月に下がる株・上がる株については、以下の記事でも取り上げています。
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