2018年末からのPayPayキャンペーンイベント第一弾で、株価や売り上げに影響のあった関連銘柄を分析。
さらに、2月から始まったキャンペーン第二弾で注目すべきPayPay関連銘柄を挙げていきます。
記事の目次
PayPay(ペイペイ)で話題のキャッシュレス決済
PayPay株式会社はモバイルペイメント等、電子決済サービスの開発・提供を行うソフトバンクとヤフーの共同出資会社であり、2018年6月15日に設立されました。
そもそも電子決済サービスは以前から忙しく開発され利用され続けていましたが、PayPayが一世を風靡したきっかけは「PayPay祭り」です。
期間中PayPayサービスを利用して決済をすると、以下のような特典が受けられるとTwitterなどのSNSで瞬く間に話題となり、各企業と消費者の両方が潤ったイベントとなったようです。
・20%分のポイントバック
・40回に1回の確率で全額相当ポイントバック(上限10万円まで)
・ペイペイの新規ユーザー登録をすると500円分のポイントチャージ
・従来のビックポイントも別途もらうことができる
上記は第一弾の内容で、第二弾で一回あたりの上限金額が1,000円となり、その代わりに当選確率が高くなるなど変更がされました。
近隣国の中国に後れを取りながらも、現在は日本でもキャッシュレス化促進は国策となっています。
そのため、今後も長期的に需要拡大が期待できるテーマ株の一つです。
PayPayキャンペーン第一弾で上がった関連銘柄
「PayPay祭り」とは特定の買い物に対して電子決済を行うことで20%〜あわよくば100%が還元されるキャンペーンイベントです。
その第一弾は2018年12月4日からスタートしました。
実は、第一弾は2019年3月末まで行われるはずだったのですが、相次ぐシステムダウンやイベント予算の達成、経済効果による景気の変動によりわずか10日で終了しました。
しかしこの短期間の間に株価が上がった関連銘柄がいくつかあります。
ビッグカメラ(3048)
まず、第一弾で最も盛り上がった企業の内、代表的なビックカメラを挙げていきます。もしかするとPayPay参加企業の中で最も利益を出した企業と言えるかもしれません。
家電量販大手のビックカメラはペイペイによる100億円還元キャンペーンの効果で1月10日、2018年12月の売上高が前年同月比23.4%増となったそうです。※品目別では、パソコンなどの情報通信機器が最も伸びが高く、前月比33.3%増
株価の値動きとしては、2018年7月27日のバーコードやQRコードを使ったスマホで電子決済できるサービス提供の発表で上がるかと予想されましたが、予想に反して1800円台から1300円台に約1ヶ月で急落しました。
その後、還元キャンペーンに乗じて一時1600円台まで回復しましたが、年末から2019年2月にかけて下落が続き1200円台を維持しています。
今後の予想としては、右肩上がりというよりはインバウンド効果を含め徐々にプラスとなっていき持久戦になるのではと考えられます。
ヤフー(4689)
こちらの会社は皆さんもご存知の通りPayPayの設立に深く大きく関わっています。
「Yahoo!ショッピング」とPayPayの連携が代表的ですが、実際に株価としてどのような値動きがあったのか簡単に紹介していきます。
結果から言うと、株価にとっていい影響は有りませんでした。原因は「全体的な減収減益が信頼されづらかった」という感じでしょうか。
プレスリリース後も300円台で維持され続け、一時400円台となりましたがすぐに下落。
株初心者としては非常に買いやすい会社ではありますが、PayPayという氷山の一角で判断するのではなくIRもしっかりと確認して全体を俯瞰して判断を行いましょう。
富士通(6702)
PayPayと関係があるの?と思われる方が多いかもしれません。簡単に内容と値動きについて説明していきます。
PayPay関連銘柄として挙げた理由は、子会社である富士通エフ・アイ・ピーが凸版印刷と連携し提供している複数QRコード導入サービス「スイッチングゲートウェイ」です。
こちらは既に中国で大々的に普及しているサービスで様々な決済サービスの複数導入を短期間・低コストで導入できるシステムとして注目されています。
これによって昨今まで部門売りをしていた富士通の株価が息を吹き返し、一時6500円台であった株価も現在では7700円台まで回復しています。
また、PayPayはジャパンネット銀行と連携し11月頃よりサービスを打ち出していますが、そのジャパンネット銀行に出資をしている1社が富士通です。
PayPayともパイプを持ちつつそういったサービスに乗り出す富士通は今後も非常に有望とされています。
ユニー・ファミリーマート(8028)
いち早くPayPayと連携したのがファミリーマートです。実はこの段階でセブンイレブンはPayPayサービスに対応できておらず、ファミマの一人勝ちともささやかれていました。その後はミニストップやローソン等も進出しています。
結果としてセブンイレブンを追い抜くとまでは言いませんが、売り上げや店舗数全てが順調なファミリーマートは、今後も株価は右肩上がりとなると予想されます。
直近の値動きとしては12月の還元祭りまで順調に推移し、キャンペーン終了とほぼ同時に下落が始まっています。
生活必需品を扱う小売業ですので第二弾の発表に伴い株価も再び上昇しています。
買うタイミングに注意すれば今後も安定型の有望株と言えるでしょう。
PayPayキャンペーン第二弾関連銘柄
PayPayキャンペーン第二弾は2019年2月4日に開催が報道されました。開催期間は2月12日から5月31日まで予定されています。
PayPayで支払えば20%還元される点は第一弾と同じですが、1回あたりの還元金額上限が1,000円に設定されています。キャンペーン期間内での還元総額も一人当たり最大5万円までと、少々控えめな設定です。
第一弾では家電やゲームを取り扱うビックカメラなどが最も恩恵を受けましたが、第二弾は日雑品やファストフードを扱う企業の方が有望ではないかと思われます。
そのため第二弾で新たに注目できるPayPay関連銘柄は、コンビニなどの小売りや外食系の企業銘柄です。
コロワイド(7616)
コロワイドは外食産業を中心に展開する持株会社です。
グループの主な運営ブランドは「ステーキの宮」や「かまどか」「牛角」「温野菜」「かっぱ寿司」「焼き鳥センター」など、多くの人気店が挙げられます。
そのコロワイドがなぜ関連しているのか。
実は3月1日にPayPayはコロワイドグループとサービス連携をすることを決定しました。
現段階では運営ブランドの全てと連携するわけではないですが、第二弾のキャンペーンに参画している店舗数も多く、コロワイドの株価は再び上昇の姿勢に入っています。
牛角など一般家庭向け飲食店のPayPay導入によってどこまで売り上げを伸ばしていくのか非常に楽しみです。
サービス連携決定による直近の値動きについては、プレスリリースから数日のためまだ影響は出ていませんが、全体的には外食産業市場の衰退に伴い右肩下がりの状態です。
2,200円台まで1度下がる可能性もありますので、現在の2400円台からどのタイミングで息を吹き返すかがポイントです。
エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)
当会社は皆さんもご存じだとは思いますが、大阪・梅田エリアを中心に主に小売り事業を展開する会社です。
百貨店では阪急阪神百貨店、食品ではイズミヤなどが有名企業として挙げられます。
今回第二弾のキャンペーンではこういった百貨店でも適用されることになりました。
イベントで言えばバレンタイン、日雑品で言えば化粧品や食料品に適用されているため、普段の買い物としてペイペイを利用する方、基準額到達の為に中頻度多額のショッピングをする方が多くなるのではないでしょうか?
直近の値動きとしては2019年に入りインバウンド収益が横ばいに落ち着いたことで一時株価は値下がりしています。
還元キャンペーンの終了にかけて多少回復する見込みは有ります。
ただし、しばらくの間は1400円台から1500円台の間を行き来する可能性が強いため、株初心者の方は買いのタイミングを計っておくと良いでしょう。
ローソン(2651)
ローソンは3月26日からPayPay導入に乗り出すとリリースしました。
日雑品のリピート率が高い企業ですので、PayPay還元キャンペーンにより購入頻度や購入単価が上がるのではと予想しています。
ただし、コンビニ激戦区の都内においては、中々普段の商品だけで競合他社に打ち勝つのは難しいでしょうから、商品をどう打ち出していくかという部分も見極めていく必要があります。
直近の値動きとしては横ばい状態を続けています。
現段階では6600円ですが一時7600円台にもなっていますので、上がる可能性は非常に高いと考えられます。
こういった銘柄は初心者向けとは言えないと思いますが、長期運用をしたいという方はおすすめの株価推移となっています。
その他注目すべき電子決済・QRコード関連銘柄
ほかの電子決済・QRコード関連銘柄もPayPay関連銘柄とあわせてチェックしておくことをおすすめします。
・LINE Pay(3938)/QR決済サービス
・ソリトンシステムズ(3040)/サイバーセキュリティ
・FFRI(3692)/サイバーセキュリティ
・セキュアヴェイル(3042)/サイバーセキュリティ
・楽天Pay(4755)/ QR決済サービス
そのほかのキャッシュレス化関連銘柄。
次にキャッシュレス化がされるであろう業界・関連銘柄は?
おすすめは、百貨店、特に注目すべきなのは三越伊勢丹ホールディングス(3099)です。
当会社は先進的な改革に乗り出す力が強く今後全面的にキャッシュレスの導入を行うと考えられます。
なぜ今乗り出していないのか?その理由は、ITを苦手とする高齢者が顧客の大半を占めていることにあります。ですので、現時点ではまだ導入に踏み出していません。
しかし、次期高齢者はスマホに耐性がある世代のため、機を見て導入しようという計画があるようです。
PayPay等のQR決済サービス導入により、よりインバウンドや新規ユーザーを取り込み、売り上げを上げていくのではと予想しています。
ぜひ、今後注目してみてください。
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