戸松信博さんと言えば、ベトナム株や中国株投資の第一人者として名を馳せたアナリストの一人。
昨今はグローバルリンクアドバイザーズで代表取締役を務め、アジア株だけでなく、日本株の分析にも従事しています。
また、マネーポストやみんなの株式(7月16日以降停止)でも執筆。
個人投資家の投資サポートを努めています。
そこで、元証券マンの管理人が戸松信博さんの日本株予想から分析力を判断。
評判通りの実績に期待できるかを評価するので、実力が気になる投資家の方は参考にしてみて下さい。
戸松信博 「ファンダメンタルズ」と「需給」で銘柄選定
戸松信博さんの銘柄の選び方は、「ファンダメンタルズ」を中心に「他者の見解」も踏まえて判断するようです。
重要なのはファンダメンタルだけをみるだけではなく、株価もしっかりと動いているか(ファンダメンタルが良くても株価が動いていない場合は何か問題があることが多く、上昇相場においては取り残されるケースが多いのです)、アナリストの予想はどうなっているかなど、需給部分の要因もしっかりと確認して銘柄を選定することだと思います。
引用元:グローバルリンクアドバイザーズ 公式サイト
複数の観点から客観的に分析できるのは戸松信博さんの強みと言えます。
では、上記の視点を基に分析力を確認します。
今回はマネーポストで連載中の「戸松信博の明日の爆騰株を探せ! 」より、豆蔵ホールディングス(3756)※を抽出。
※システム構築・開発支援コンサルを主力とするIT企業
テーマが「明日の爆騰株」なので、推奨翌日からの株価動向に注目していきましょう。
戸松信博 「3つ」の銘柄選定要因
「戸松信博の明日の爆騰株を探せ!」は毎週月曜日20時に更新されます。
豆蔵ホールディングス(3756)は11月18日に紹介された銘柄のため、買いは翌日19日(火)です。
では、下記の豆蔵ホールディングスのチャートをご覧下さい。
買い日から買いの勢いが弱く、陰線を形成。
翌日以降も買いが集中するわけでもなく、今現在(12月24日)も買い値を越える日はありません。
推奨日から1ヶ月以上も含み損が続く結果となりました。
なぜ、実力者でありながら読みが外れてしまったのか。
まずは戸松信博さんが買いとした理由を探るべく、豆蔵ホールディングスのファンダメンタルズと需給部分を分析してみました。
ポジティブ要因
・実質無借金経営(有利子負債約22億円ありながら、約60億円の現金を保有)
・DX※推奨の動き
※デジタルトランスフォーメーションの略称。データやデジタル技術によってビジネスに変革をもたらす考え方。
ネガティブ要因
・材料出尽くし感
・11月8日の第2四半期決算で失望売り(上方修正の期待が高かった)
→ ネガティブ材料が出尽くし、戸松信博さんは19日を押し目と読みました。
参照元:豆蔵ホールディングス:DX投資を追い風に株価上昇を期待|マネーポストWEB
■ 需給部分
レーティング ★★★★★(5.0)
・証券アナリストの予想は強気でした。
戸松信博さんは上記要因を踏まえ、豆蔵ホールディングスの株価上昇に期待したと考えられます。
業績は好調※な銘柄です。
※11月8日の第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は11.5億円(前年同期比25.1%増)に着地。
ネガティブ要因も発表があったわけではなく投資家の思惑です。
戸松信博さんが想定したように、トレンド反転する日はそう遠くないように思えます。
しかし、「明日の爆騰株」の観点では選定銘柄を誤っていますし、そもそもテクニカル分析で見ると買いのタイミングは不適切でした。
手を出してはいけなかった理由を紹介します。
戸松信博 推奨時は下落トレンド…。気付けなかった下落サイン
もう一度豆蔵ホールディングスのチャートをご覧下さい。
8月13日と11月11日のチャートのマド開けにより「離れ小島」のように見えると思います。
このチャートパターンを「アイランド・リバーサル」と言います。
アイランド・リバーサルは現れる相場によって判断の意味合いが変わります。上昇トレンド中なら天井、下落トレンド中なら底を指します。
豆蔵ホールディングスのアイランド・リバーサルは上昇トレンド中に発生したので、下落トレンドとなる可能性が高いのです。
ファンダメンタル分析と需給で判断する戸松信博さんの投資法を否定するわけではありませんが、もしテクニカル分析も駆使していれば違う判断だったかもしれません。
現に、相場を先読みしてアイランド・リバーサルを見極めたTMJ投資顧問 ※という投資顧問業者も存在します。
知名度の高いアナリストだからといって、一貫して質の高い分析が出来るわけではありません。
投資で成功するには、柔軟に対応できる分析力が求められます。
今回の豆蔵ホールディングスの推奨はあと一歩足りていなかったように感じました。
戸松信博 緻密な銘柄分析に期待
やはり、推奨直後に含み損が続いたのは問題でした。
原因は戸松信博さんの分析の偏りです。
ファンダメンタルズ分析とコンセンサスの目の付け所は悪くなかったものの、テクニカル分析が活きていません。
買い日に下落サインが出ていたのは致命的でした。
実践していなかったのか、見落としていたのかは定かではありませんが、実力のあるアナリストなだけに残念でした。
先述のTMJ投資顧問もそうですが、世間で目立たなくても腕の良いアナリストが在籍するサービスは存在します。
戸松信博さんの分析力と金商登録を持っている助言サービス を比較しながら、あなたに合った投資方法を見つけてください。
口コミはありません