ウルフ村田が推奨のニチダイで【大損害】。当時の状況を分析

ウルフ村田のセミナー参加者からニチダイ(6467)に関する被害報告がありました。

複数の口コミサイト等で、損害を受けた本人と思われる口コミが多く見られたため、どうやら信憑性は高そうですね。

それでは、ウルフ村田はどのような取引指示を行っていたのか、ニチダイの値動きから細かく検証していきます。

ウルフ村田 セミナー生にニチダイ(6467)を推奨

元々セミナーでは「株価5～10倍まで上昇する銘柄を選定」「取引方法を伝授」というコンセプトが主ですが、ウルフ村田のセミナー生には、直接実取引の助言も行っているそうです。

メディア等での露出も多いことから、良くも悪くも知名度の高いウルフ村田氏。大体30万円と言われる高額な参加費も手伝って、内容の充実度を期待してセミナーを希望する人も多いそうです。

そんなウルフ村田氏が選定する銘柄ですから、セミナー生の期待度もMAXといったところでしょう。

しかしこのウルフ村田氏が推奨した銘柄、およびその取引指示により、実際に取引を行っていたセミナー生を奈落の底に落とすことになったのが、今回のニチダイ事件です。

ウルフ村田の推奨前ニチダイ(6467)は急伸していた

ウルフ村田氏が、セミナー生に推奨した銘柄はニチダイ(6467)です。

※ニチダイはJASDAQに上場している独立系の金型メーカーで、複雑形状の精密鍛造金型で強みを有している企業です。ターボチャージャー部品製造も手掛けており、近年では当事業が第2の収益の柱となっています。

ウルフ村田買い指示前のニチダイ(6467)株価

ニチダイの株式は2018年に入った辺りから買いが入ってきており、2月1日の大引け後には2018年3月期第3四半期の決算発表がされました。

この内容が、累計の連結経常利益は前年同期比2.1倍の6億8000万円に急拡大し、通期計画の7億2000万円に対する進捗率は94.4％に達し5年平均の70.6％も上回るといった強いものであったため、ニチダイの株価は急伸していきます。

このニチダイのサプライズ決算は一部では事前に認識されていたこともあったようで、株価を釣り上げようとする動きも見られました。

また2018年1月はそれまで上昇を続けていた日経平均が反落し、大幅な下落相場となっている時分であったため、物色の対象となった銘柄でもありました。

ウルフ村田 ニチダイ取引指示の詳細

このような思惑が重なっていたことから、特に押し目では勢い良く買いが入りやすく3月16日に3,980円の高値を付けることになります。

当時、ニチダイを推奨していた投資顧問も多くありました。その中でもTMJ投資顧問は2018年1月16日という早期に推奨し、一回目の急伸の高値を付けた2018年2月7日にて383％上昇をしています。

参考）TMJ投資顧問のニチダイ(6467)推奨

取引指示を受けていた顧客は207万円の利益を享受できていました。このように、ニチダイ自体の注目は高く、大きい利益を得られる銘柄のハズでしたが…。

一体なぜ、TMJ投資顧問の会員とは異なりウルフ村田氏のセミナー生達はニチダイで大きな損失を被ってしまったのでしょうか？

推奨した時期が遅かった

口コミの中の複数の内容を見ると、どうやらウルフ村田氏がニチダイを推奨した時期が遅かったということですね。

経過を考察するに、買い判断が成されたのが恐らく2018年3月22日かと思われます。

ウルフ村田 ニチダイ(6467) 買い指示

この日のニチダイの株価は前日の下落を引き継ぐ推移となっていますが、安値付近では買いが入り十字足を形成しています。

これがウルフ村田にニチダイの株価がさらなる上昇を予感させてしまったのでしょう。

普通であればこれだけ上昇を続けてきたニチダイですから、既に買い判断は見送るべき水準にあったと言えます。

損切りすべきタイミングで謎のホールド推奨

ニチダイは2017年に入って四半期近くも強い上昇を見せてきたため、これがウルフ村田に刷り込まれてしまったのでしょう。

冷静な判断ができれば、十字足を形成した22日の翌23日に上髭付けて下落しているので、既に損切りをして良い段階です。

ウルフ村田 ニチダイ(6467) ホールド指示後の暴落

しかしネックラインを下抜けていなかったことが起因したのでしょうか。ウルフ村田氏は、ニチダイを買い推奨したセミナー生にホールドさせたそうです。

これが仇となり、週明けの26日にネックラインを割り込みストップ安に…。ここから下落が本格化したということですね。

暴落後に取引指示をひっくり返した

ウルフ村田は、後にセミナー生へ「損切りをするべき局面であった」と言い訳しました。口コミを見ていると「売りサインが出ていた」と言っていたそうです。

ウルフ村田氏の視点が順張りなのか逆張りなのか判りませんので、どの日を指しているのか定かではありません。チャートを見る限りでは3月23日か26日でしょう。

26日はネックラインを下抜けているので言うまでもありませんが、もし23日のことを指しているのであればウルフ村田氏は自身の取引指示を事後に180度ひっくり返したことになります。

もしそうであれば、ウルフ村田氏の人間性に懸念を覚えてしまいますね。口コミの内容を見ると、結局サインの発生を指摘したのは何日も経った後だったそうです。

ウルフ村田 ニチダイ事件のまとめ

そもそもウルフ村田氏は現在、名誉棄損罪で3年間の執行猶予中の身となっているはずです。

その公判では、ウルフ村田氏自身が「継続して株トレードで年間億の利益をあげている」という自身の触れ込みを「マスコミが勝手に作ったイメージである」と述べています。

つまり、ウルフ村田氏には人に教示できるようなトレード能力は無いということを自ら露呈したということですね。それにもかかわらず、ウルフ村田氏はまた投資セミナーを開催しており、多くの人が参加しているというのが驚きです。

その上で今回の件が起きたので、さすがにセミナー生の目も覚めるではないかと思われますが…。

同じニチダイ(6467)の推奨でも、含み損を持たせたウルフ村田氏の情報と、207万円の利益を確定させたTMJ投資顧問の情報では天と地の差です。

情報の利用の仕方次第で、結果は180度変わることが立証された取引でもありました。