アズーム(3496)の強みとは?
株式会社アズームは、2009年に設立された企業で、不動産とITを軸としたいわゆる「不動産テック」事業を行っている企業です。
空いていて特に何も使われていない不動産「遊休不動産」を活用し、不動産オーナーと消費者両方をつなげる仕事として様々な事業を展開しています。
特に強みとなっているのは「駐車場サービス」です。
アズームの駐車場サービスには消費者向けに提供されているサービスと、不動産オーナー向けに提供されているサービスがあります。
消費者向けに提供されているものは、ニーズに合った月極駐車場を探すことができるポータルサイト「カーパーキング」を運営しており、様々な項目から検索できる機能を持っていたり、ユーザーにヒアリングを行い、適した月極駐車場を探して提案してくれたりするサービスも提供されています。
アズームはカーパーキング利用者が駐車場を決定した段階で駐車場オーナーとユーザー両方から手数料をもらい、利益を出しています。
不動産オーナー向けのサービスとしては、マンション・オフィスなどに置かれている駐車場で、借り主がなかなか見つからないという区画をアズームが一括借上げを行い、ユーザーにサブリースするサービスを行っています。
オーナーに対してメリットが大きいだけでなく、アズーム側にとってサブリースによって毎月安定した賃料収入となるため、安定した業績を出すことができるでしょう。
この他にもアズームでは時間貸し駐車場を探せる「コインパサーチ」や空き家情報を提供する「空き家ナビ」、バイク駐車場を探せる「バイクル」、屋外広告を検索できる「アドウォール」などの各種サイトを運営しています。
アズームのIPOにおける注目点は?
続いて、アズームのIPOにおける注目点をご紹介していきましょう。
アズームのIPO概要は以下の通りとなっています。
IPO情報
公募株数 | 250,000株 |
主幹事 | みずほ証券 |
売出株数 | 66,200株 |
単元株数 | 100株 |
仮条件 | 2,900円 ~ 3,000円 |
上場市場 | 東証マザーズ |
業種 | 不動産業 |
IPOスケジュール
ブックビルディング期間 | 9月3日~9月7日 |
公開価格決定日 | 9月10日 |
購入期間 | 9月11日~9月14日 |
上場日 | 9月20日 |
アズームはIPOであまり人気がない不動産業なのですが、駐車場に特化した専門性の高いサービスを提供していることや、インターネットを活用したポータルサイト運営を行っているため注目されやすい不動産テック銘柄であることが言えます。初値は上昇する可能性が高いと予測できます。
業績を見ても2018年9月期の予想が、売上高前年同期比で49%増の18.1億円、経常利益は543.5%増の1.9億円となっていて、大幅な増収・増益が見込めるとしているようです。
過去5年分の業績推移を見ても、売上高は右肩上がりをみせています。
都市部には深刻な駐車場不足問題が起きており、今後もアズームが提供しているサービスがより広く活用されるのではないかと考えられるでしょう。
当選株数合計は316,200株ということもあり、当選本数は少なく当たる可能性は低いと言えます。
主幹事はみずほ証券である他、副幹事がSBI証券、さらに東海東京証券やマネックス証券などもあります。
証券会社の中ならIPOチャレンジポイントが貯められるSBI証券や、引受幹事数が多くさらに抽選は完全公平抽選が導入されているマネックス証券あたりを狙っていきましょう。
アズーム上場後の下落・暴落はあり得る?
アズームの9月6日現在の仮条件は、2,900円~3,000円となっています。
恐らく初値は注目度の高い不動産テック事業であること、ニッチで競合が今のところ少ないサービスを提供していること、賃料によって安定した収入が得られることなどから、5,000円~6,000円にまで上る可能性も考えられます。
ただ、初値は比較的高い予想になりますが、その後の推移で下落・暴落はあり得るのでしょうか?
市況面を見てみると上場前3ヶ月のインデックスでは下降トレンドが続いているということが分かりました。
上昇トレンドであれば初値リターンが高い可能性もあるのですが、下降トレンドがこのまま上場まで続いてしまうと初値、もしくはその後に影響が出てきてしまうことも考えられるでしょう。
また、アズームの上場予定日である9月20日は、テノ・ホールディングスも上場を控えています。
こちらは保育系の企業なのでそこまで大きな影響はないと考えられますが、資金が分散する可能性も否定できません。
銘柄の多くは初値で高値を出したとしても、それを維持・上回ることができないため、株価の調整が入る前に対策はとっておくべきと言えるでしょう。
総括
アズームは不動産業の中でも専門性が高いサービスを提供しており、さらに近年注目度の高い不動産テックを利用する企業であることから、初値でかなりの高値が付く可能性があります。
しかし、初値が高値になったとしてもIPOならではの流動性はなくなってしまい、株価調整が行われ下落もしくは暴落してしまう可能性も考えられます。
IPO当選された方は初値高で狙い、ホールドする際は十分気を付けましょう。
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