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パークシャーテクノロジー(3993)の検証
前回検証したエンジュクの進捗です。エンジュクに登録するとメールが送られてきます。そこには、推奨銘柄の実況や結果報告が掲載されています。
エンジュクはIPOの銘柄推奨を主軸としていますが、その他にもセカンダリーや既存銘柄の売買指示も一部行っています。
今回はエンジュクが推奨したセカンダリー銘柄の一つであるパークシャーテクノロジー(3993)を検証していきたいと思います。
銘柄名 | パークシャーテクノロジー(3993) |
買い推奨 | 5,145円 |
売り推奨 | 7,340円 |
パークシャーテクノロジーは、2017年9月22日にマザーズに上場した AIベンチャーで、画像認識・自動対話のアルゴリズムライセンス事業、アルゴリズムソフトウエアの販売を行っています。
パークシャーテクノロジー(3993)の業績を確認する
2016年度の人工知能(AI)技術領域においては、アルゴリズムの活用による既存ソフトウエアの高度化、効率化を目指すニーズの高まりを受け、市場環境は良好な状況が続いていました。
こうした環境の中で、パークシャーテクノロジーグループは、既存案件の積み上げ及び新規案件の獲得を推し進めると共に、新たなアルゴリズムソフトウエアの開発や優秀な人材の確保を進めるなど積極的な投資を行ってきたことを挙げています。
この結果、当連結会計年度の売上高は934,057千円、営業利益は395,217千円、経常利益は384,199千円、親会社に帰属す る当期純利益は268,305千円となりました。
2017年度のアルゴリズムライセンス事業については、良好な市場環境を背景に、アルゴリズムライセンスの積み上げ、およびアルゴリズムソフトウエアの拡販を見込んでいます。
また、自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学 習技術に関わるアルゴリズムソリューションの潜在的な成長機会は非常に大きいものと考えており、優秀な人材の採用、およびアルゴリズムソフトウエアの開発を推し進めることで、継続的な成長を目指していく方針。
以上のことから、パークシャーテクノロジーによる連結業績予想は、売上高1,400百万円(前年度比49.9%増)、営業利益560百 万円(前年度比41.7%増)、経常利益550百万円(前年度比43.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益375百万円(前年度比39.8%増)が見込まれています。
一方、アナリストのコンサンセスは、売上高は同様で、損益部門の増益幅はさらに大きくなると予想されています。
セカンダリーを狙った理由は?
エンジュクが、パークシャーテクノロジーの推奨を行った時点の価格5,145円をチャートで検証してみると、該当するのは上場日である2017年9月22日です。
エンジュクは、パークシャーテクノロジーをセカンダリー銘柄として扱っていますので、恐らく公開後6,200円の高値を付けて利益確定の売りが一段落したところを買い拾う判断だったのでしょう。
初値狙いの方が高利益だったのでは?
エンジュクがどのような基準でIPOとセカンダリーを分けているのかは不明ですが、発行済み総数やエンジュクのセクターから考慮すると、公開価格が2,400円、初値が5,480円という躍進も納得ができるものでしょう。
したがってパークシャーテクノロジーは、IPOの対象にするべき銘柄であると考えられますが、なぜわざわざセカンダリー指定としたのでしょうか。利益確定後に回転させるのであれば理解できます。
弱気な売却推奨
しかし、その割には7,340円という控え目な売却推奨を行っている感があります。
7,340円に触れているのは9月26日、27日となりますが、26日の始値がまさにその価格なので、27日は26日に超えられなかった7,500円の手前に売りがあると踏んで売り逃げたことになります。
しかし、27日の安値から反発した株価推移と、その値動きの軽さを考慮すれば、7,500円の上抜けは容易に予測できたのではないでしょうか。
大林組(1802)の検証
今回、検証する投資顧問は、エンジュク株式会社の投資教育サイトです。
投資顧問サイトの検証という趣旨とは若干ズレますが、投資顧問の形態も多様化しており良い評判を聞かないサイトも多くあります。
基本的に投資顧問業を行うためには、金融商品取引業者としての登録が必要となりますが、投資情報サイト等は、運営形態によって届出が不要となります。
そのため、最悪の場合、悪徳業者がはびこる無法地帯と成る可能性も内包しています。
したがって今回はエンジュクのような投資情報サイトの検証をしていきたいと思います。
複数の投資顧問サイトの窓口
現にエンジュクは、複数の他の投資情報サイトにリンクするなど窓口サイトとなっているため、仕組みが複雑な上に検証対象が多数となります。
今回だけで全てを見通すことは難しいので、まずは窓口であるエンジュクを主体に、項目毎にリンクしているサイトの内容を抜粋し、それらをもとにエンジュクの評価をしようと思います。
早速ですが、エンジュクのサイト上では、推奨銘柄の公開などは当然ありません。
エンジュクは銘柄推奨や取引指示を行うことが業務ではありませんし、またそれを行うための金商も有していません。
そして、リンクしているサイトも投資顧問などではなくただの株情報サイトばかりです。
上総介の投資日記から大林組(1802)を選択
ただその中の一つである「上総介の投資日記」というサイトには、講師、つまりサイトの管理人が行った取引の文面がありましたので、これを参考にしたいと思います。
そもそもエンジュクは、投資塾を運営しているサイト。
実際の教授はリンクしている専門化が管理するサイトにて行う仕組みとなっているので、リンクサイトがエンジュクのポテンシャルの一つと考えて良いでしょう。
それでは、エンジュクからのリンクサイトである上総介の投資日記に綴られている取引の記録の中から、大林組(1802)を検証してみます。
銘柄名 | 大林組(1802) |
買い | 2017年10月6日/価格不明 |
利確売り | 2017年10月6日/価格不明 |
その後の最高値 | 2017年10月6日/価格不明 |
パフォーマンス | ±0 |
上総介の投資日記の管理者である上総介氏のトレードスタイルはデイトレードとのことです。
推奨日は10月6日とわかるのですが、取引時間や価格は記されていません。
しかし、損益が±0と記載されているので、本日の値動きと比較して上総介の投資日記、及びエンジュクの力量はある程度測れるかと思われます。
大林組は誰もが知っているゼネコン業界の最大手の一角を担っていますが、その取り扱い事業は非常に多岐に渡ります。
大林組(1802)の業績を確認する
主軸としては、やはり建設業務で、主に首都圏と関西で地域開発や都市開発、環境整備に加えその他建設に関する事業を行っています。
土木面では、調査、測量、企画、立案、設計、監理等のエンジニアリングやマネージメント、それに伴い下請け企業や他社向けに建設用コンクリート製品、耐火・不燃建築材料、内外装建築材料、家具及び建築用木工品といった建設資材の製造、販売も手掛けています。
そして、大林組が建設事業の他に特に力を注いでいるのが不動産業です。
従来の不動産の売買、交換、貸借及びその仲介並びに所有、管理を行っていますが、不動産関連の特別目的会社及び不動産投資信託に対する出資及び出資持分の売買・仲介・管理といった不動産に関連する金融部門も扱っています。
金融業といえば、金融商品取引法に基づく第二種金融商品取引業も手掛け、当サイトの検証対象にもなっている及び投資助言・代理業にも着手しています。
勿論、金銭の貸付、債務の保証や保険代理業並びに生命保険の募集に関する業務も業務の範囲です。
その他にも介護施設や福利厚生施設の運営、旅行業に人材派遣、資源エネルギー開発や海洋、宇宙開発まで行っています。
やはり肝となる建設業、及び不動産業に関わる部分では、道路、鉄道、港湾、空港、河川施設、上下水道、庁舎、教育文化施設、廃棄物処理施設、医療施設といった大規模な公共施設の企画、建設、保有、維持管理及び運営が主要事業となっています。
2016年度の国内の建設市場においては、公共工事、民間工事の発注がともに堅調に推移しており、2015年度に引き続き良好な受注環境にありました。この様な背景もあり、建設事業売上高は前期比で5.3%増加しており、主に海外での建築受注量が増加した事が目立っています。
損益の面では、主として当社の国内工事における工事利益率の改善に伴い完成工事総利益が増加したことなどから、営業利益が前期比で25.7%増、経常利益は26.0%増、 親会社株主に帰属する当期純る駅は49.0%増と大幅な利益率向上が見られました。
2017年度の大林組側の予想は小幅な増収増益となっていますが、それに対するアナリストのコンサンセスはもう少し強いものとなっています。
大林組(1802)株価から売買タイミングを考察
上総介の投資日記に記述のある大林組に関する取引情報は、あまりにも情報が少ないのでトレード上の心理に沿っての推測になります。
5分足で見ても10月6日は小動きであるため1円毎にゾーンが出来ています。
ただ、小さいレンジ内でトレードをしようと考える人はいないでしょうから、基本的にレンジを上抜けたところで動意が出たと判断し買いを入れることになるでしょう。
そうなるとチャートの紫のラインが買った水準であり、売った水準であると予測できます。
このラインは、上値の抵抗を上抜けた時の水準であり、10月6日中に何箇所か存在していますが、その中でも確率が高そうなのがこの三本の紫のラインの水準です。
ブレイクを匂わせるも結局反落し、その後に何とか同戻水準まで戻る動きをしているからです。
三本の紫のラインの水準のうち、緑の丸で囲った部分の何処かで実際買って売っていると考えられます。ちなみにそれぞれのラインの一番右端だとしたら、そこを売りとなります。
買い参戦が早すぎたのでは?
たしかに日足で見れば緩やかな上昇トレンドとなっていますし、10月6日は寄付きで大きく上昇した後に反落して小幅なレンジを形成していました。
よって、まずはその寄値に向かっていくと思うかもしれませんが、株価は反落後、上昇前の水準まで下がっています。
この下値が前営業日より上昇していれば、買いポイントになるかもしれませんが、結局は同水準で、後場にはさらに一段株価を下げています。
14:55にはさらに一段上げて紫のラインを上抜けているので、10月6日中に買うとしたらココでしょう。
少なくとも直近の上値まではまだ余地がありますし、25分移動平均線も上抜けています。
もしも、前引け前の下値の水準で頭が重くなっても、今度は一番下の紫のラインが下値抵抗と成り得るでしょう。
情報が少ない点を考慮しても、上総介氏のこの日の買い参戦は時期早尚であったと言えますね。
これがエンジュクにて教示を行っているサイトであるとしたら、不安が生じるところです。
エンジュクの基本概要
エンジュクのサイトからは、リンク先のサイトを閲覧することは可能ですが、そもそもどこで課金されるのかが判らないですし、どのようなコンテンツなのかも理解し難いです。
よくよくサイトを熟考していくと、閲覧できるリンクサイトは無料コンテンツの一つで、他にも無料の銘柄配信サービスがある模様です。
有料コンテンツはさらに複雑な表記となっています。どうやらこれは投資塾の商材のようです。
基本的に料金などの記載がありませんので、詳細については恐らく無料登録後に判明するという仕組みでしょう。
- ぶせな塾
- オプションキャッシュフロ-クラブ
- ふりーパパ投資塾
- 投資日記ステーション
エンジュクの口コミ・評判
口コミサイトの評価は、あまり芳しくなく特に有料コンテンツに登録した後の連絡の繋がりが良くないということが挙げられています。
まあ会員が何人いるか判りませんが、一人が一つのカテゴリのサポート全てをやるとしたら限界も出てくるでしょう。
エンジュク株式会社の運営状態を検証するため、下記の項目に当てはめてみます。
- 登録番号の表記がある ×40
- 代表者名の表記がある ○20
- 分析者名の表記がある ×5
- 事業範囲の表記がある ○5
- 住所表記がある ○10
- 連絡先表記がある ○10
- その他、特商法の表記がある ○10
総計で55点となりました。
エンジュク株式会社に関して、エンジュクのサイトには分析者名、及び金商登録の表記がありません。
エンジュク株式会社は投資教育商材に特化した会社
エンジュク株式会社は「お金のことをなんでも解決できる場作り」をミッションとして掲げているため投資顧問ではないということですね。
セミナー、DVDパッケージ、セミナー、オンライン塾という販売品目の表記を見ても、エンジュク株式会社は教育商材の製作、販売に特化した会社であることが判ります。
また代表取締役である長谷川桂介氏の名前を検索すると、ベンチャー企業紹介サイトが出てきました。
やはりエンジュク株式会社は投資教育を専門に行っている企業である様ですが、結局のところ現在はエンジュクのサイトによる広告費用が利益の主軸となっている様です。
いわゆる、先程の上総介の投資日記の様な他サイトの広告代理店で集客をしているだけで、エンジュクとしての強みはよくわかりません。
エンジュクの総評
エンジュク株式会社は投資関連業務を行ってはいますが、塾にしてもリンクサイトにしても、実際にコンテンツとなる専門の方々の力量に寄るところになり、エンジュク株式会社自体には証券投資に関するノウハウが特にあるわけではないと推測できます。
これは逆を返せば、エンジュクと協業する投資専門の方々の力量をエンジュク側は判断できないとも言えるでしょう。
さらに、もしも良からぬことを考えている協業者がいたら、被害を受けるのは利用者ということになります。
先述の口コミサイトにあったように、被害を受けた上に連絡が繋がらないとなれば利用者は不安でしょう。
エンジュクはあくまでも実際にコンテンツを提供する専門の方々へのつなぎ役なのかもしれませんが、紹介サイトの立場をとる以上は、紹介先の見極めも必要となるでしょう。
節操なく様々なサイトへ繋ぐフロントサイトとなっておいて、もしその先で利用者が何かの被害に合ったとしても、「広告代理だから」という言い逃れをされてしまうのであれば、非常に酷い話です。
エンジュクの立場では実際にそれが出来てしまいます。
したがってエンジュクの先の専門の方々のサイトをお金を払って利用することには、自己責任の度合いが非常に高くなります。
専門の方々の塾なども、内容はあくまで明確でない手法の教授であると予想できますので、金商に関する規制に当たりません。
つまり、監督してくれる機関が無いということなので、どんな目に遭っても何かの保障もされないということです。
それなのにわりと有料コンテンツの料金設定は高額です。やはりお金を投じてその分の利益を得たいのであれば、取引力・サポート力に優れ、金商登録のあるれっきとした投資顧問をはじめから頼った方が安心です。
一度、TMJ投資顧問 などの助言業者と比較してみるのも良いと思います。
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