波乗り株投資法 チャート分析・ロスカット不要説を検証

 2020/10/05

下山敬三の波乗り株投資法
https://shimoyamakeizo.com/

下山敬三氏の波乗り株投資法に個人投資家の注目が集まっています。

おそらくyahooファイナンスなどでたびたび株アカデミーの広告が表示されるためです。
※波乗り株投資法を教えている株式オンラインスクール

“分析不要”で”ロスカット”もしない投資法のようなので、私も大変興味があります。

そこで、元証券マンの管理人が波乗り株投資法の使い方を検証しながら、再現性のある投資法なのかを評価します。

波乗り株投資法を取得しようか悩んでいる投資家の方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

下山敬三の波乗り株投資法 5つの特徴

波乗り株投資法の仕組は「株式の裁定取引 」です。

サヤ取りを繰り返して利益を積み上げる投資手法なので、経験値やチャートを見定める眼が必要になります。

とても「初心者でも簡単」な投資法とは言えません。

詳しい内容を見ていきます。

下山敬三氏の波乗り株投資法の5つの特徴です。

・ロスカットしない
・取引するのは1銘柄
・予想や分析もしない
・1日5分の取引でOK
・注文決済タイミングは自由

※波乗り株投資法の特徴はこちら からどうぞ。

分析不要で”予想しない”投資法と掲げ、「一般的な現物株取引や信用取引とは一線を画す」と下山敬三氏は公式サイトで述べています。

株式投資の常識を覆した投資手法ですね。

ロスカット不要は「買い」「売り」の両建てで利益を狙うためでしょう。
 

下山敬三の波乗り株投資法 値動きのある大型株が狙い目

波乗り株投資法は1銘柄で取引を行います。

目的は資金管理をしやすくするため。

複数銘柄で両建て取引をすると、買建て売建てが多く混乱してしまいます。

そのため、複数銘柄でチャレンジしたい方は、1銘柄でサヤ取りの感覚を身に付けてから実践することをおすすめします。

それでは個別銘柄の選び方を見ていきます。

・信用取引が可能な銘柄
・東証一部上場銘柄
・倒産しにくい銘柄
・出来高100万以上、売買代金30億円以上
・1日の値動きが大きい銘柄

チャートの形がレンジ相場になりやすい大型株に目を向けましょう

波乗り株投資法では、トレンド転換しやすい個別銘柄は値動きが偏るため裁定取引には向いていないようです。

出来高や値動きが少ない銘柄は利ザヤを抜けないので、なるべく1日の変動幅のある銘柄が適当

尚、下山敬三氏はブリヂストン(5108)で波乗り株投資法を実践しているようです。

 

下山敬三の波乗り株投資法 4つのルール

波乗り株投資法では下記のルールを用います。

・信用取引口座を使用。レバレッジ3倍で取り組む
・資金を5分割して5つのポジションを取る
・買建て、売建ての両建てを使う
・ロスカットはしない

例えば50万円の投資資金で実践する場合、

①信用取引でレバレッジ3倍。(50万円 → 150万円)
②1ポジション30万円(150万÷5=30万円)で両建てする。

買建てと売建て、ポジションの組み合わせは好きに決めていいとのこと。

「買い・売り・買い・買い・売り」でもよければ、「売り・売り・買い・売り・売り」でも大丈夫です。

しかし、5ポジション全てを買いもしくは売りはルール外なので注意をして下さい。

全て同一のポジションを取ってしまうと、万が一反対ポジションに相場が偏ったら含み損を拡大させます。

リスク分散の意味を成しません。

必ず最低一つは反対ポジションを持つことを心がけましょう。

下記の動画では、下山敬三氏が波乗り株投資法の使い方を紹介しています。

 

下山敬三の波乗り株投資法 語られていないリスクを紹介

大変魅力的に見える波乗り株投資法ですが、公式サイトや動画には注意点やリスクの説明はありませんでした。

絶対に負けない投資法など世の中には存在しません。

そこで、公式サイトや動画では紹介されていなかった投資リスクを証券マン目線で指摘します。
 

「信用取引」に注意

波乗り株投資法に用いるのは「信用取引」です。

信用取引とは現金や株式を証券会社に担保として預け、レバレッジをかけた投資方法。

入金している金額の最大3倍まで取引ができるので、利幅を大きく狙えるのが特徴です。
※波乗り株投資法では3倍の信用取引を推奨

しかし、便利な反面リスクもあります。

担保金が一定水準以下、もしくは株価変動幅が20%を割り込むと「追証」が発生します。
※「追加保証金」の略称。買建てもしくは売建て銘柄の含み損、担保にしている株の値下がりで保証金率が下がると発生。追加で保証金を入れなければならない状態。

追証が払えない場合、強制決済されるだけでなく証券会社によっては遅延損害金も発生

業者から株を借りて取引するわけですから、相応のリスクを負うことになります。
 
信用期限は6ヵ月

追証が発生しなくとも、買建て・売建てした銘柄には反対売買の期限があります。

期限は新規建てから6ヵ月。

含み損があろうがなかろうが、問答無用で強制決済されます。

波乗り株投資法はリスクヘッジのために信用取引を使うので、追証が発生する可能性は少ないです。

しかし、相場は常に変化する生き物。

急騰や暴落が起きた場合、被るリスクは把握しておく必要があります。

信用取引の仕組みを理解していない投資家に対して、下山敬三氏のフォローは不親切であると言えるでしょう。
 

「トレンド」を見極める力

下山敬三氏の波乗り株投資法は「予想や分析は不要」と言っていますがこれは語弊です。

相場のトレンドを読む必要は大いにあります。

波乗り株投資法は銘柄を保有し続けるわけではなく、サヤ取りを繰り返します。

選んだ銘柄の相場が横ばい・上昇・下降トレンドのどこに該当するかを見極める力は必須です。

トレンドを読み外すと予測通りに株価は推移せず、含み損を抱えるリスクは高まります。

下山敬三氏の「分析は要らない」「株を始めたばかりの初心者でも稼げる」といった言葉を鵜呑みに波乗り株投資法を実践するのは危険です。

後に痛い目を見ることを忠告しておきます。

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下山敬三の波乗り株投資法 ロスカット例は高値安値ポジション

「ロスカットをしない」投資法が魅力の波乗り株投資法ですが、機械的にせざるを得ない状況は生じます。

強制ロスカットとなり得る環境は高値(安値)ポジションで買い建て(売り建て)をした場合です。

強制ロスカットの一例を紹介します。

下記のチャートは、波乗り株投資法の銘柄選定条件に該当した楽天(4755)で5つのポジションを取りました。

楽天(4755) 5つの売買ポジション

③の買いに注目です。

③は高値買い掴みとなり、なかなか利ザヤを取れそうなタイミングはありません。

ロスカットしないのが波乗り株投資法のルールのためホールドを続けます。

しかし、波乗り株投資法を行うのは信用取引です。

先述の通り信用取引の買建て・売建て株の期限は6ヵ月。

満期を迎えた「③の買い」は利ザヤを取れなくとも強制ロスカットせざるを得ません。

その際の損失額を計算してみました。

 シミュレーション例

・投資金30万円(投資金50万円をレバレッジで150万円。150万円÷5=30万円)
・買い株価1,093円
・信用取引の満期時(6ヵ月)株価900円

①買い株数:200株
100株買い計算
②1株当たりの損失額:-193円
900円(満期時株価)-1,093円(買い株価)=-193円
③合計損失額:38,600円
200株×193円=38,600円の損失(1株あたり193円のロスカット)

上記のリスクを下山敬三次の公式サイトや動画では解説されていません。

「ロスカットしない」「注文決済タイミングは自由」という言葉通りに100%ならないことは念頭に置いてください。

 

下山敬三の波乗り株投資法 リスクの理解は必要

下山敬三氏の波乗り株投資法は、上手に使いこなすことができれば再現性のある投資法だと思います。

規定通りにポジションを取れれば、1日1回のトレードでも回数を重ねて利益を積めるでしょう。

しかし、活用にはチャートの形が読める事、またリスクを忘れてはいけません。

トレンド相場で実践したら大きな含み損を抱える可能性や、信用取引による強制ロスカットなど注意点は多々あります。

「初心者でも簡単」という言葉に踊らされないように気を付けて下さい。

波乗り株投資法以外にも役立つ投資法はいくつもあります。

例えばウルフ村田 氏や中原良太 氏の投資法も参考になるかもしれないので、是非目を通してみて下さい。

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 この記事のコメント

全9件
  1. この道40年 より:

    再現性はあると思う。両建ては別に珍しい手法ではない、相場師朗も使ってるし、玄人さんなら知ってるはず。
    ナンピンではないので強制決済のことを知っていれば使えると思います。
    個々のサイトの人が言うようにチャートもきちんと見て決算時期などのイベントも考慮してやれば結果は出るよ。
    もちろん、下山氏のいうほったらかしみたいなのはダメです。

  2. 元正規開拓者 より:

    ルールでは同一方向は3%以上あけなければならない。「③の買い」は時間差相殺で数回に分けた相殺決済(相殺売却)で∓0にできたはず。管理者が言われるように利用するのは最適化移動平均線~何日がよいか分かりませんが、未来の株価が上がる下がるを予想するスキルは必要。これと波乗りルールがあれば鬼に金棒だろう。

  3. 山田 より:

    ナンピンは危険だと思います。下がっても買い足しするのは、その後価格が上昇することが前提です。ならば上昇タイミングでエントリーしなおせば良いだけです。相場の未来は分からないのに、反転することを前提としたポジションキープは単なるギャンブルです。含み損を抱えるような場所でエントリーすることがそもそもの問題です。

  4. 匿名 より:

    株素人が本だけ読んではじめました。まだ、2ヶ月半ですが、月利7%程度で負け知らずです。運が良かっただけでしょうか?

  5. 田中検事 より:

    少し株を勉強した方が動画を見れば、直ぐに誤りに気付きます?
    まず、儲からないよね❗️

    • 匿名 より:

      ルールでは同一方向は3%以上あけなければならない。「③の買い」は時間差相殺で数回に分けた相殺決済(相殺売却)で∓0にできたはず。管理者が言われるように利用するのは最適化移動平均線~何日がよいか分かりませんが、未来の株価が上がる下がるを予想するスキルは必要。これと波乗りルールがあれば鬼に金棒だろう。

  6. 匿名 より:

    参考になりました。
    競馬で儲かるならみんな競馬してるって言っておきながら、自分のうねり手法は必ず儲かると吹いている。
    自分で自分の首を締める。
    地頭の悪い人の手法だと思いました。

  7. むーん より:

    リスクのない取引なんてありません。だからこそ、相殺決済という考え方があります。
    それに5ポジション目の売り1,040円は値幅が近いのでルール違反ですよ。。。

  8. 上市園 より:

    ポジション調整と相殺決済がきめて

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