MACDの使い方 実践で見極める術を元証券マンが解説

 2018/07/24

MACD

MACD(マックディー)は2つの移動平均線(MACD線・シグナル線)の動きから、相場の周期とタイミングをとらえる指標です。

トレンド発生を見極めやすいことからも活用頻度が高く、便利な指標なので身に付けておいて損はないはず。

そこで、MACDの使い方から実際の相場で役立つポイントを、元証券マンの管理人が解説します。あなたの株式投資に、お役立ていただければと思います。

MACD(マックディー)とは?

まずテクニカル分析には「トレンド系」と「オシレーター系」が存在します。

トレンド系は、相場の方向性を計測し「順張り」に。オシレーター系は、相場の過熱感からその転換を推測し「逆張り」するために用います。

MACDは、オシレーター系のテクニカルツールの一つで、「Moving Average Convergence / Divergence Trading Method」の頭文字を取った名称です。

MACDの使い方は簡単で、MACD線・シグナル線という2つの移動平均線を用います。特定の条件下で「ゴールデンクロス」「デッドクロス」が出ていたら、売買のタイミングと判断出来ます。

算出方法は下記の通りです。

 算出方法

・MACD線 :短期指数平滑移動平均-長期指数平滑移動平均
・シグナル線:MACDの値を一定期間で平均

では、2つの線がどのような動きを見せた時に売買判断のサインとなるのかを見ていきましょう。

 

MACDの使い方 売買サインのポイント

買いサイン:ゴールデンクロス

MACD線がマイナス圏でゴールデンクロス(シグナル線を上抜けた状態)をした時、上昇トレンドに反転する可能性が高いので買いサインとなります。

MACD ゴールデンクロス

MACD ゴールデンクロス

 

売りサイン:デッドクロス

MACD線がプラス圏でデッドクロス(シグナル線を下回った状態)をした時、下落トレンドへの転換を示唆するので売りサインとなります。

MACD デッドクロス

MACD デッドクロス

 

MACDの使い方 トレードスタイルで設定期間を変更

トレードスタイルに合わせて設定期間(パラメータ)の値を変更すると、トレンドを掴みやすくしたり、売買サインの出現量を調整することができます。

設定すべきパラメータはトレードスタイルによって異なるため、投資方法に合わせたパラメータを組むことが重要となります。

パラメータは「短期・中期・長期」の3種類に分かれています。推奨パターンは下記の通りです。

MACD パラーメーター設定

MACD パラーメーター設定

ご覧の通り、シグナル線は共通して9日なので、MACD線の日数のみ調整をすることになります。

基本的には中期パラメータが初期設定されていることが多く、最も投資家に知られている設定値です。

中期パラメータでも十分に活用できますが、自分の手法にあったパラメータを設定することで売買タイミングを決めやすくなります。大事な設定になるので役立ててください。

 

MACDの使い方 ダマシを回避する注意点

MACD線・シグナル線の使い方はシンプルな分、気を付けなくてはならない点もあります。

それは「ダマシ」の発生です。

ダマシとは、予想に反して教科書通りにならない動きになることを指します。

下記、楽天(4755)の株価推移のチャート図をご覧ください。

楽天(4755) ゴールデンクロス・デッドクロスの「ダマシ」

楽天(4755) ゴールデンクロス・デッドクロスの「ダマシ」

丸で囲っている部分が「ダマシ」が起きているところです。ゴールデンクロス・デッドクロスをしそうな部分で反落しています。

MACDを使うにはダマシを回避することも大事となるので、騙されないための注意点をお伝えします。

短時間足には注意

MACDは従来の移動平均線と比べ、トレンド察知が早く実際の株価の値動きに近い指標です。

その分、株価変動による影響を受けやすいため、わずかな売買サインでもクロスが発生してしまうことがあります

短時間足ほどクロス発生も起こりやすく、日足以上の時間足を使うようにしましょう。

ゴールデンクロスの角度には注意

ゴールデンクロスになったとしても、角度がゆるやかな時はダマシに注意が必要です。

トレンド察知が早いMACDは、トレンド転換をしない時もゴールデンクロスをすることがあります。そこで買いに入ってしまうと…。

投資顧問業者の中にはゆるやかなゴールデンクロスでも判断に成功 しているところもあるので、使い方を参考にしてみるのはいいと思います。

 

MACDの使い方 ダイバージェンスは警告の証

ゴールデンクロス・デッドクロスが見極められるようになってきたら、ダイバージェンスについても理解しておきましょう。

ダイバージェンスとは乖離(かいり)という意味で、株価と指標(MACD)が逆行することを指します。トレンドが弱まっているのを知らせてくれるサインです。

ダイバージェンスのポイントをお伝えします。

 ダイバージェンスのポイント

・日足以上の長さでチャートを見る
・長いヒゲがついた時にしばしば発生しやすい
・すぐに本格的に動き出すわけではない

下記のチャートをご覧ください。

ダイバージェンスが起きたからといって、すぐにトレンド転換していないことが分かります。

何度か株価上下した後に本格的に動き出すものなので、「ダイバージェンス=警告サイン」と考えましょう。

ダイバージェンスを見つけ次第、買う(売る)か、株数を増やす(減らす)かの行動に移すのがいいと思います。

 

MACDの使い方 重要な3つのポイント

MACDの使い方のポイントをまとめます。

 ポイント

・ゴールデンクロスならマイナス圏、デッドクロスならプラス圏でのクロスが狙い目
・急角度のクロスに注目
・ダイバージェンスには注意

指標を見極められるように、あなたも意識しながらMACDを使ってみて下さい。

また、テクニカル分析には「トレンド系」「オシレーター系」のテクニカルツールをセットで使えると、投資精度が向上しより効果的です。

MACDはオシレーター系なので、例えばボリンジャーバンド などのトレンド系も合わせてみることもおすすめします。

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