【必見】PTS取引のデメリットをメリットに変える取引方法

 2021/01/27

取引時間外でも株の売買ができるPTS。

ザラ場での取引ができないサラリーマン投資家に重宝されています。

とても便利な取引システムですが、PTSのデメリットを理解しなければおもわぬ損をすることも…

今回はPTSのデメリットを挙げつつ有効なPTS取引方法を元証券マンがお教えするので、ぜひ参考にしてみて下さい。

PTSの魅力は「ナイトセッション」

PTS(Proprietary Trading System)とは東証などの証券取引所を通さずに、証券会社のネットワーク上で株の売買ができる私設取引システムです。

PTSには「ジャパンネクストPTS(JNX)※1」「チャイエックスPTS(Chi-X)※2」という2つのシステムが存在します。
※1.運営元:ジャパンネクスト証券 ※2.運営元:チャイエックスジャパン

通常の株式取引は証券取引所を経由して行うので、証券取引所が開いている9:00~11:30(前場)、12:30~15:00(後場)が取引可能な時間です。

一方、PTSは最大23:59まで売買できる「ナイトセッション」が最大のメリット

ジャパンネクストPTS(JNX)
・8:20~16:00
・16:30~23:59

チャイエックスPTS(Chi-X)
・8:00~16:00

日中は仕事でリアルタイムの取引ができない投資家はもちろん、取引時間外の材料発表、海外ニュース、地政学リスクなどにもすばやく対応可能です。
 

夜間取引のできるSBI証券がおすすめ

PTS取引はすべての証券会社で対応している訳ではありません。

また、夜間取引ができる証券会社はSBI証券、松井証券、楽天証券の3社に限られています。

私は取引時間が最も長いSBI証券をおすすめしますが、各証券会社でPTSの条件は異なるので比較してみて下さい。

証券会社 PTSシステム 取引時間帯 信用取引 手数料
SBI証券 ジャパンネクストPTS ・8:20~16:00
・16:30~23:59
50円~
※夜間取引は無料
松井証券 ジャパンネクストPTS ・8:20~15:30
・17:30~23:59
0円~
※取引額で変動
楽天証券 ジャパンネクストPTS ・8:20~16:00
・17:00~23:59
55円~
※コースにより変動
楽天証券 チャイエックスPTS ・8:20~16:00 55円~
※コースにより変動
マネックス証券 ジャパンネクストPTS ・9:00~11:30
・12:30~15:00
95円~
auカブコム証券 ジャパンネクストPTS ・9:00~11:30
・12:30~15:00
90円~

 

PTSの3つのデメリット

長時間の取引ができ便利なPTSにも、意外と知られていないデメリットがあります。

覚えておきたいのは「流動性リスク」「取引反映営業日」「注文方式」の3点です。

まずは流動性リスクから確認しましょう。
 

PTSのデメリット①:流動性リスク

市場内取引と異なり市場参加者が限定されるため、必然的に流動性が低くなるのがPTSのデメリットです。

下記の流動性リスクを覚えておきましょう。

・売買したくても注文ができない
・適切な株価で売買ができない

PTS取引を行える証券会社はSBI証券、松井証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券の5つです。

そのため流動性の低い銘柄は板が薄くなり「買いたくても買えない」「売りたくても売れない」こともしばしば。

出来高の少ない銘柄の売買は向いていないのがPTS取引のデメリットです。

また、板が薄いと株価が極端になることも。

終値500円の銘柄に対して400円の買い注文、600円の売り注文など、市場内取引では付かない注文をよく見かけます。

PTSでは適切な株価で注文されない流動性リスクにも注意が必要です。
 

PTSのデメリット②:取引は翌営業日扱い

PTSの取引は翌営業日分として処理されます。

要するに、PTSでの約定値は翌日の市場に持ち越されるわけではありません

市場内取引で終値500円の銘柄がPTSで600円まで上昇しても、翌日の市場内取引は前日終値500円からスタートするということです。

PTSでは高値掴みに注意しましょう。

また、資金反映も翌営業日扱いです。

仮に2月1日のPTS(16:30~23:59)で売買した場合、その資金は2月2日計上となるので資金反映は2月3日となります。

売買資金を翌日の投資に回せないことを覚えておいて下さい。
 

PTSのデメリット③:「成行」「逆指値」注文は不可

PTSで使える注文方法は「指値」のみです。

「成行」や「逆指値」での注文ができないので、注文制限が設けられている点はデメリットと言えるでしょう。

ちなみにPTSでは信用取引もできます。

しかし、市場の空いているデイタイム(9:00~15:00)にしか取引できないので、基本的には現物取引を指値注文で行うことになります。
 

「流動性リスク」で損をした事例

PTSの流動性リスクにより高値掴みとなった事例を紹介します。

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)は12月29日のPTSで株価777円を付けたにもかかわらず、翌営業日の市場内取引は始値473円で寄り付きました。

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)のPTS

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)のPTS

PTSで株価777円を付けた背景を確認しましょう。

ウィルソン・ラーニング ワールドワイドは23日の好材料で株価上昇。

「24日S高 → 25日S高 → 26・27日寄らず → 28日S高」という急騰が続き、29日のPTSでようやく値が付きました。

連日買えない日が続いたことで、同銘柄を狙っていた投資家は「チャンス」と捉えたのでしょう。

適切な株価かどうか分からないまま売り注文の777円を買ったようです。

流動性が乏しく成行買いのできないPTSでは、今回のように売り注文に合わす形で約定するケースは珍しくありません。

目の前の売り注文に飛びつくようなことはしないように注意して下さい。
 

PTSは「売り場」として活用

PTSを有効活用するには「買い場ではなく売り場」として使いましょう。

というのも、PTSは流動性が乏しい観点からボラティリティが高くなりやすく、あまり気配値は参考になりません。

先述のウィルソン・ラーニング ワールドワイドの事例もそうですね。

市場内取引では付かない株価で高値売りを実現させ、売りのメリットを最大限活かしていました。

PTSは買いではなく売りです。
 
強気に値幅上限で売り注文

PTSの取引開始時間より前に、値幅上限ギリギリで売り注文を出すことをおすすめします。

決算発表、材料などのイベントに投資家はとても敏感です。

取引時間外でいつ・どのような好材料が発表されるか分からないので、強気に高値売り注文を出しておくと、勢いで買われることがあります

外的要因も重要です。

日本市場の約6割は海外投資家といわれており、海外市場の影響を受けることは珍しくありません。

保有株に好影響を与えるニュースが取引時間外で流れたときに、PTSで売り注文を出しておけば大きな利益を狙うこともできます。
 

PTS取引に役立つ情報サイト

PTSの株価情報を得るには「PTS Information Network」と「モーニングスター」がおすすめです。

「PTS Information Network」は銘柄の気配確認。

「モーニングスター」は株式ランキングでPTSの動きを掴みます。

PTS Information Network

PTS Information Networkは、日本証券業協会(JSDA) が提供するPTSの情報サイトです。

「銘柄による検索」で銘柄名もしくは証券コードを入力すると最新のPTS取引情報を見ることができます。

ジャパンネクストPTSでの買い・売り気配はどうなのか、チャイエックスPTSではいくらで約定したのか。

リアルタイムで各証券所のPTS取引を比較できるのはPTS Information Networkだけです。

>> PTS Information Network

モーニングスター

PTSでの取引値をすぐに知りたい時はモーニングスターの株式ランキングが役立ちます。

PTSランキングとは、値上がり率、値下がり率、出来高、売買代金の多い順に、上位100銘柄をランキング形式で確認できるページです。

保有株が値上がり率上位にランクインしていれば売り注文の参考に。

値下がり率で目立つ銘柄があれば買い検討するのも一つの戦略です。

取引時間外で悪材料が発表されると、悲観的になった投資家が投げ売りするケースは少なくありません。

冷静に分析すれば安値で買えることもあるので、株式ランキングは注視することをおすすめします。

>> モーニングスター
 

PTSのデメリットはメリットに変えられる

PTSは売り場として利用することをおすすめします。

デメリットの一つ「流動性リスク」により、適正価格とはいえない売買注文が目立つのがPTSの特徴です。

PTSのデメリットを理解し、高値で売りつけることに重点をおきましょう。

ぜひ、PTSを利用して大きな利益を狙ってみて下さい。
 

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