今回は自動銘柄選定ソフトを提供する株式会社MMKという会社の検証を行います。
近年、AIを利用した自動ソフトは株式のみならず証券系投資全般で流行っていますね。
実際のところ評判はどうなのか…選定された銘柄の実績からAIを利用した自動ソフトの精度を考察してみたいと思います。
記事の後半では、代表を務める加藤亮氏のプロフィールにも触れつつ細かく評価していきます。
記事の目次
自動銘柄選定ソフトの評判
株式の場合だと、銘柄の選定をビッグデータの中からAIが様々な条件の下フィルタリングし、最良の銘柄を抽出するといったものです。
元々は機関投資家等が、莫大な費用を掛けて自社開発をして取引に用いていたような代物ですが、近年は個人でも安価で入手することが出来るようになりました。
当サイトで検証しただけでもこれだけのAIを使ったソフトがあります。
株式会社MMKが提供する自動銘柄選定ソフトもそのひとつですね。
しかし問題はその精度にあります。大衆向けに販売されているAIを利用した自動ソフトについて、あまり良い評判を聞いたことがありません。
「この銘柄をどのような根拠で選定したのか理解できない」という意見もたくさん聞きます。
そんな中で株式会社MMKの商品はどうなのかを、サイト上に公開されている選定銘柄実績を見ながら検証していきたいと思います。
ユーシン精機(6482)の検証
株式会社MMKの自動銘柄選定ソフトのプログラム等はもちろん判りませんので、選定銘柄とその取引内容から実力を分析していきたいと思います。
株式会社MMKが選定した銘柄のひとつにユーシン精機(6482)があります。
ロボット製造分野でも注目の銘柄
ユーシン精機は京都府京都市南区に本社を置き、日本においてロボット製造のパイオニアと言える企業です。
そして一番特筆すべきは、世界で初めて「プラスチック製品取出ロボット」を開発し、世に送り出したことにあります。
今や「プラスチック射出成形品の取り出しロボット」を開発している企業は他にもありますが、やはりそれはユーシン精機の代名詞的存在になっています。
9月には、テレビ番組の「賢者の選択Leaders」において、ユーシン精機の特集が組まれましたね。
この分野における特許も数々有しており、事業面での優位性は十分に持ち合わせていると考えられます。
ユーシン精機(6482)の業績を確認する
ユーシン精機の経営状況は、高い水準で安定していると言えるでしょう。
2017年3月期から2019年3月期予想に至る業績推移を見ても、緩やかな右肩上がりながら収益のバランスにもブレがほとんど見られません。
しかし直近の2019年3月期の第一四半期決算では、前年同期比で9.1%の増収となるも、販売商品構成の変化による部材の調達困難、加えて為替差損の計上により減益となっています。
それでも予想PERやPBRは、セオリーでは割高水準となっているものの、23.28倍と1.6倍という位ですから、その事自体が株価推移において不利な影響をおよぼすとは考え難いところです。
押し目を待たず短期目線の買い判断
株式会社MMKの自動選定ソフトのユーシン精機に対する判断は、短期スイングですね。この時期のユーシン精機には、特段材料もありませんでした。
トレンドとしてはダウントレンドとなっていましたが、まさに自動選定ソフトが選定した9月19日が、ダウントレンドが崩壊した日となります。
テクニカル上でダウントレンドは、株価の反発が直近の戻り高値を突破すると崩壊するというメジャーな理論があります。
ユーシン精機の直近戻り高値は9月10日に付けており、それを19日に突破しています。推測ですが、この点も自動銘柄選定ソフトの選定基準に含まれているのではないかという気がします。
ただ、ダウントレンドが崩壊してもアップトレンドに転換したわけではありません。そうなるためには、一度押し目を付け再度高値を更新していく必要があります。
株式会社MMKの自動銘柄選定ソフトがこの点について、どのように判断しているのかは判りませんが、押し目を待たないのであれば短期目線の判断ですね。
チャンスを活かしきれなかった売り判断
9月21日に株価は躍進し、株式会社MMKの自動銘柄選定ソフトは売り判断を行っています。
ただ、この時は短期目線が成功していますが、トレンドは転換したわけではないので、21日のような上昇が起こらずダウントレンドが復活して大きく逆行していくケースも考えられます。
また反対の見方をすれば、今回のようにトレンド転換の見込みがあるのであれば、もっと長い期間を想定できれば、利益を伸ばせたのではないでしょうか。
株式会社MMKの自動銘柄選定ソフトに限らず、機械のトレードはあくまで過去のデータと目前での値動きでシビアに売り買いを判断するので、「目論み」や「展望」という概念がありません。
人間のようなメンタル面での弊害を持たない代わりに、過去に無かった時流を感じ取ることができない分、大きなチャンスも生かしきれないという難点は否めません。
株式会社MMK(自動銘柄選定ソフト)の基本概要
株式会社MMKは、投資顧問等ではなく完全に自社で完成させた自動銘柄選定ソフトの販売している業者であるため、運営について金融商品取引法の規制は受けません。
株式会社MMKはあくまでAIの開発・製造・販売業者です。
代表の加藤亮とは
代表取締役である加藤亮氏のプロフィールを見ると、過去に投資助言会社のコンプライアンス担当を務めていたようです。
その経験が、現在の株式会社MMK設立へと繋がったとは考えにくいですね。
基本的に投資助言のような分析の上での投資判断に対して、機械は過去と現状からの最良選択に尽きるので全く別物と言えます。
AI開発では無名だったにも関わらず、開発に参画し1~2年程度で自動銘柄選定ソフトを完成させたというのが少し違和感を感じてしまいます。
自動銘柄選定ソフトは利益確定が早い?
先述のとおり、人間と機械の投資判断は別物です。なので人間と機械のうちどちらが良いということは簡単には言えません。
しかし、自動ソフト等の場合はどのようなプログラムが組まれているのか解らないので、良し悪しの判断は投資顧問業者を選ぶよりも難しいと言えるでしょう。
さらに自動銘柄選定ソフトは利益確定が早い傾向があるとも言われています。
株式会社MMK(自動銘柄選定ソフト)の総評
株式会社MMK(自動銘柄選定ソフト)のサイトには、中長期目線のものも出ていると言われていますが、それでも株価推移にある程度の動意が発生する事により、銘柄が選定されているはずです。
一番解りやすい差は、一部の投資顧問のように情報を独自に収集することにより、事前に仕込んでおくという芸当を自動銘柄選定ソフトは出来ません。
直近での例を挙げるなら、雅投資顧問の売買判断は綺麗に上昇波の底で買い判断して天井で利確指示を出しています。
あくまで自動銘柄選定ソフトは、公開されている情報と現況から最良を判断するので、人間同士の独自のネットワークにはまだまだ太刀打ちできないように思えます。
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