現在、IPS細胞が広く知られるようになり、再生医療市場に注目が集まっています。市場規模はまだ発達途上ですが、将来的に大きな市場に成長する可能性も否定できません。
そこで今回は再生医療関連市場のおすすめ銘柄3選を紹介します。
記事の目次
再生医療とは?注目される理由
そもそも再生医療というのは病気やケガ、障害などによって失われてしまった組織や機能を細胞治療を用いて回復させる治療方法を指します。
この再生医療はまだまだ研究段階ではあるものの、将来的にはこれまで根本的な治療法がなかった腎不全であったり、多くの患者・予備軍がいる糖尿病の治療にもつながると期待されています。
注目度を高めた「iPS細胞」
近年、京都大学の山中伸弥教授の研究がノーベル賞を受賞し「iPS細胞」が広く知られるようになったことから再生医療自体にも注目が集まるようになりました。
また、最近ではiPS細胞から作られた神経細胞を使ってパーキンソン病の治療を行う臨床試験の計画が承認されたことでも話題となりました。
これまでiPS細胞の研究などは進められており、肝臓・腎臓・膵臓などの臓器においてiPS細胞の培養・移植は成功してきています。
治験で有効性や安全性が確認されれば大きな前進
しかし、パーキンソン病は神経細胞を脳に移植しなくてはならず、これは世界的にも初の治験となるのです。
既に8月1日から治験は本格的に指導されており、もしこの治験で有効性や安全性が確保できた場合、医療において大きな前進につながることでしょう。
再生医療の市場規模
再生医療の市場規模は将来的にどのようになっていくと予測できるのでしょうか?
上記ではiPS細胞を中心に紹介してきましたが、実際のところはiPS細胞に関するものだけではありません。
高コストにより市場規模は未だ小さい
例えば体性幹細胞や骨髄バンク、細胞シートなども再生医療技術の一つです。
ただ、これらの技術に関してもまだまだビジネスモデルがしっかりと確立されておらず、高コストになりやすいため、市場規模は未だに小さいままとなっています。
この課題を解決するためにも安倍政権の「日本再興戦略」において再生医療等製品の早期実現を明言しています。
収益化の構築がカギ
しかし2013年に行われた法整備では再生医療製品の開発を促進させるまでには至っておらず、現在産業として企業が新規参入する状況にはなっていません。
今後、市場が確立された時に収益化がしっかりと構築されている状態を作れるかどうかが課題となってくることでしょう。
将来的には世界で約30兆円の市場規模!?
しかし、そもそも再生医療市場は現段階で業績につながっていなくても期待先行によって銘柄が買われている状況であり長期的に注視する必要があります。
市場は2025年に世界で約30兆円、日本では約3兆円の市場規模にも及ぶと推定されており、10年後には再生医療が一般化されている可能性も示唆されています。
その可能性を考えると、今のうちから関連銘柄には注目しておいた方が良いと言えます。
再生医療関連銘柄にはどのようなものがある?
では、どういった銘柄が再生医療関連となっているのでしょうか?意外な関連市場も含めて解説します。
培地や試薬に関連する企業銘柄
まず挙げられるのは再生医療自体に参入している民間企業銘柄ですね。
さらに、再生医療で用いられている培地や試薬、培養容器など医療・研究関係の消耗品類を製造している企業の銘柄は再生医療市場が盛り上がりを見せることで、同様に株価上昇が見られる可能性も高いです。
また、iPS細胞の観点から細胞加工施設や自動培養装置などの設備、臨床細胞ソースや細胞培養下降受託、臨床試験受託などのサービス、創薬支援細胞といった創薬応用などの企業も関連銘柄に入ると言えるでしょう。
大穴?意外な関連市場・銘柄
意外なところでは、民間保険やITソリューション、産業育成や人材育成支援を行っている企業なども関連銘柄に含まれます。
再生医療によってもしも糖尿病などが根本的に治療できるようになれば保険内容なども一新される可能性はあります。
また今後、医療現場に留まらず再生医療事業全体にもITソリューションの活用が見られれば、より効率的にその技術を展開させることができるかもしれません。
このようなことから、意外な市場にも関連銘柄は隠れていると言えるのです。
再生医療関連銘柄おすすめ3選
再生医療市場についてご紹介してきましたが、現在はまだまだ発展途上とも言える市場です。
そのため、関連銘柄の中には低位株も少なくないです。
JCRファーマ(4552)
JCRファーマ株式会社は、主に医薬品や原料の製造・販売、輸出入医療用機器や実験用機器の販売や輸出入を行う企業です。
再生医療においては造血幹細胞の移植後に発症するとされている急性移植片対宿主病の治療製品「テムセルHS注」を2016年より販売しています。
現在もバイオ医薬品の研究・開発を続けており、今後も再生医療に関わる医薬品製造がなされる可能性は高いと言えるでしょう。
2018年5月には血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤の第二相臨床試験がブラジルで開始するという発表を受けたことから、株価は急騰しています。
しかし、その後6月末に製造販売を行っていた一部製品の自主回収が行われ、それに嫌気した売りが続きました。
一時7,300円まで上昇した株価は現在5,180円と下落してしまいましたが、市場動向によっては再び上昇する可能性は十分にあると言えます。
ニプロ(8086)
ニプロ株式会社は医療機器事業と医薬事業、ファーマパッケージング事業の3つの事業形態を中心に展開している企業です。
ニプロの総合研究所・生産技術センターや医薬品研究所では細胞・再生医療等製品の開発を行っています。
例えばES細胞やiPS細胞、間葉系幹細胞用自動培養装置の開発、さらに脳梗塞・脊髄損傷を治療するための細胞医薬品の実用化に向けた研究開発が行われています。
そんなニプロの株価は2018年5月に入ってから2018年3月期連結業績の売上高や営業利益、純利益が下振れを起こし、減益着地することが明らかになったことで年初来安値を記録しています。
その後下落と横ばいが続きましたが、8月7日現在までに少しずつ上昇しており、終値1,366円を記録しています。
武田薬品工業(4502)
武田薬品工業株式会社は、天明元年創業、大正14年設立された老舗の医薬品製造・販売メーカーです。
武田薬品工業の行っている研究開発は主に、がんや消化器系疾患、神経精神疾患、ワクチンを中心に行われていますが、現在京都大学とiPS細胞の臨床試験応用のための共同研究がなされています。
株価も少しずつ上昇しており、今後は1,000円以上上昇するのではないかとの声も見られています。
特に上記で紹介したiPS細胞の治験を行う京都大学との共同研究となるため、株価の動向にも注目すべき銘柄と言えるでしょう。
国の後押しで期待が高まる
iPS細胞などの再生医療市場は現段階では市場規模も小さいものの、今後は国からの支援を受けて大きな市場規模へと発展する可能性が高いです。
そのため、上記を含めた再生医療関連銘柄にぜひ注目してみましょう。
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