いま、市場で注目を集めている株式テーマが水素関連株。
菅首相は2050年までに温暖化ガスの排出量を「実質ゼロ」にする目標を掲げ、グリーン社会の実現へ本腰を入れています。
水素関連は息の長いテーマになること間違いなしです。
そこで、まだまだ株価上昇に期待できる水素関連株の本命を元証券マンが厳選しました。
記事の目次
水素関連株 本命3銘柄
水素関連株の本命は「木村化工機(6378)」「ENEOS(5020)」「長野計器(7715)」。
好材料が出れば物色の波に乗ることができ、長い目で見ても十分ポテンシャルを秘めている3銘柄です。
まずは木村化工機に期待できる理由から見ていきましょう。
木村化工機(6378)
プラント向け機械メーカーの木村化工機(6378)。
同社を水素関連株の本命とした理由は、燃料電池の実用化に期待しているため。
木村化工機は2019年11月、澤藤電機(6901)・岐阜大学と共同でアンモニア排水から高純度水素を製造し、燃料電池で発電することに成功した世界初の企業です。
実用化されればグリーン社会実現を大きく後押しする材料となり、大幅な株価上昇に期待できます。
すでに燃料電池の発電成功から1年以上経過。
木村化工機の燃料電池の実用化はそう遠くない未来だと推測できます。
【株価】661円(2021/1/18現在)
【時価総額】137.4億円
【上場年月日】1961/10
【上場株式数 (浮動株式数)】20,600千株 (13,390千株)
株価チャートも見てみましょう。
5日・25日・75日移動平均線はすべて上向き上昇トレンドを形成。
チャートの形がカップウィズハンドルのようにも見えるので、株価上昇に期待できそうです。
ENEOSホールディングス(5020)
ガソリンスタンド国内最大手のENEOSホールディングス(5020)。
水素ステーションのシェア拡大で需要が伸びる水素関連株の本命です。
政府は2030年代半ばに新車販売からガソリン車をなくすことを検討、電動自動車が主流となる未来を見据えています。
ENEOSは2020年10月現在、四大都市圏で44ヵ所の水素ステーションを展開。
向こう10年で水素ステーションを大幅増加させることが想像できます。
【株価】417.9円(2021/1/18現在)
【時価総額】13,476億円
【上場年月日】2010/4
【上場株式数 (浮動株式数)】3,230,282千株 (2,422,712千株)
ENEOSは中・長期投資に向いている水素関連株です。
週足チャートではちょうど初動を確認できたばかり。
水素ステーション需要だけでなくコロナ禍による経済復旧の動きが加速すれば、右肩上がりの上昇トレンドが形成されると推測します。
長野計器(7715)
機械式圧力計がグループ世界シェア首位の長野計器(7715)。
水素関連機器を手掛けており、水素需要増加にともない勢いづく可能性が高い水素関連株の本命です。
自動車や産業機械、半導体メーカーなどに計測機器を販売する同社。
水素ステーションであつかう高圧ガス圧力計測器の販売実績(特許取得)もあるので、守備範囲の広さは評価できます。
足元の業績は限定的ですがテーマ性は申し分ありません。
水素関連の中小型株として関心が高まるでしょう。
ちなみに世界シェア首位を取っている企業はウォーレン・バフェット氏が好む銘柄です。
業績転換すれば、昨年日本5大商株へ投資していたように、同社の株も狙うことも…?
【株価】989円(2021/1/18現在)
【時価総額】190.4億円
【上場年月日】1998/12
【上場株式数 (浮動株式数)】3,230,282千株 (2,422,712千株)
ボックス相場を上抜けた時がトレンド形成する合図です。
ENEOS同様、中・長期投資で狙うなら見逃せない水素関連の本命株です。
水素関連株 注目したい出遅れ銘柄
本命株のほかにも注目しておきたい水素関連株を紹介します。
水素関連は息の長いテーマなので、出遅れ株は知っておいて損なしです。
出遅れ株は下記の通り。
銘柄名 | 時価総額 | 上場日 | 株価(1月18日終値) | 特色 |
---|---|---|---|---|
山王(3411) | 85億円 | 2007/10 | 1700円 | 電子機器用コネクターのメッキ加工会社。金メッキが主。国内で5G等先端品対応。比にも工場 |
エア・ウォーター(4088) | 3993億円 | 1950/4 | 1744円 | 産業ガス2位、医療用酸素で首位。加工食品・農業、医療機器、ケミカル等でM&A戦略を推進 |
新日本理化(4406) | 112億円 | 1949/9 | 294円 | 石化製品の機能性樹脂原料・添加剤、オレオ誘導体に重点。油脂製品も。水素添加技術に強み |
中国工業(5974) | 39億円 | 1961/11 | 991円 | 家庭用LPガス容器の最大手。飼料タンク、子会社でトラック輸送も展開。水素容器開発に注力 |
三菱化工機(6331) | 277億円 | 1950/3 | 3475円 | LPG容器用バルブで首位も、不動産が利益柱。韓国子会社で海外展開。水素自動車関連に注力 |
加地テック(6391) | 121億円 | 1962/7 | 6950円 | 石化などプラント向け特殊ガス圧縮機製造。燃料電池車用水素設備も。三井E&S連結子会社 |
ハマイ(6497) | 101億円 | 1972/6 | 1340円 | LPG容器用バルブで首位も、不動産が利益柱。韓国子会社で海外展開。水素自動車関連に注力 |
八千代工業(7298) | 146億円 | 1994/10 | 599円 | ホンダ子会社。ホンダ向け約9割。軽自動車組み立て撤退で燃料タンク、ルーフ等部品に軸足 |
東京計器(7721) | 160億円 | 1949/5 | 951円 | 商船用航海計器の先駆。航空計器、防衛省向け機器、油空圧機器、流体機器等も。官需は下期偏在 |
岩谷産業(8088) | 4187億円 | 1962/8 | 7250円 | 産業・家庭用ガス専門商社。LPガス首位。合成樹脂、鉱物原料等も。水素事業を次の柱に育成 |
ポエック(9264) | 72億円 | 2017/11 | 3100円 | 水処理機器販売から出発し、動力、防災関連等へと拡大。技術サービス営業が強み。全国展開 |
UEX(9888) | 64億円 | 1990/10 | 530円 | ステンレス専門の鉄鋼商社、生産材が主体。大同、日本製鉄と親密。中国で加工品の製販も |
水素関連銘柄とは
水素関連株とは、ざっくりいうと水素自動車に関連して恩恵を受ける企業を指します。
水素は二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーです。
2050年の温暖化ガス排出量「実質ゼロ」に向け、政府は環境にやさしいエコカーを増やす必要があり、水素自動車の開発需要が高まっているのです。
富士経済グループのレポート によると、国内の水素関連市場規模は2018年度の73億円から2030年には4085億円までの成長を予測。
飛躍的な拡大が想定されています。
短期的にも、長期的にも注目される水素関連株は、2021年の本命テーマと評価できるでしょう。
水素関連株は国策銘柄
「水素関連株 = 国策銘柄」とも位置付けられます。
菅首相は就任後初めての所信表明演説で「グリーン社会の実現」について言及。
菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。我が国は、二〇五〇年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。
力強い声明でした。
政府は「野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間、2兆円の基金を創設して支援する」とも述べ、水素関連株は長期の国策テーマとなることが分かっています。
これから政府は様々な対策を打ち出すでしょう。
国民一人ひとりの生活習慣を改善することに焦点を置き、自動車や家電などから「省エネ」を推進していく方法が考えられます。
水素自動車に本腰を入れるのは必然です。
そのため、いつ材料が出ても物色の波に乗れるように、水素関連株はしっかり押さえておきましょう。
水素関連株 2021年注目のテーマ
水素関連株は中・長期の息の長いテーマです。
これから政府の政策も期待できるので、水素関連の本命株を参考にしたテーマ株投資を検討して下さい。
また、テンバガー化する銘柄はテーマ株が多いです。
テーマに乗って業績が毎期上向けばテンバガー化も夢ではありません。
長期投資を見据えれば株価10倍も夢ではないテーマだと思います。
今注目の「投資テーマ株」を確認↓
・2021年のテンバガー候補
・2021年のテーマ株
・水素関連株
・DX銘柄
・スガノミクス銘柄
・国策銘柄
・AI(人工知能)
・5G関連銘柄
・バイオ株
・ディフェンシブ関連銘柄
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