ディフェンシブ銘柄 コロナ相場での注目3銘柄を紹介

 2020/06/25

ディフェンシブ銘柄とは、景気による影響を受けにくい安定感のある個別銘柄を指します。

主に生活必需品にあたる食品や医療品、ライフラインである電力や鉄道関連の銘柄が該当し、これら業種がディフェンシブ銘柄であることは広く認知されています。

ただし、昨今の新型コロナウィルスであらゆる業種に影響が出たのは事実です。

そこで、代表的なディフェンシブ銘柄だけではなく、コロナ相場だからこそ注目したいディフェンシブ銘柄を元証券マンの管理人が厳選

当記事をご一読いただき、あなたの銘柄選びに役立てていただけますと幸いです。

ディフェンシブ銘柄とは

ディフェンシブ銘柄は、外的要因を受けても比較的株価が落ちづらい銘柄のことを言います。
※企業の商品やサービスが要因ではなく、株価に影響を与える材料。リーマンショックや地政学リスク、最近ではコロナショックが挙げられます。

ディフェンシブは文字通り「守備的」という意味を持ち、景気の変動を受けにくく業績が安定している銘柄です。

景気後退局面で市場の主役になります。

相場の地合いが悪い時の避難先として投資資金が集中しやすいためです。

ただ、安定感がある分、株価の値動きが小幅なのもディフェンシブ銘柄の特徴と言えます。

キャピタルゲインを狙う投資家やトレードスタイルが短期の投資家にはあまりおすすめできません。

ディフェンシブ銘柄は、相場が悪化した時に需要の高い銘柄であり、中・長期のトレードスタイルに向いている銘柄と位置付けることができます。
 

ディフェンシブ銘柄の主要業種

東京証券取引所では、銘柄を33業種に分類しています。

内、ディフェンシブ銘柄として目立つのは6業種。

主要業種は下記の通りです。

 ディフェンシブ銘柄 主要業種

■鉄道
例:JR東日本(9020)、JR西日本(9021)、東急(9005)

■電気・ガス
例:東電HD(9501)、関西電(9503)、東ガス(9531)

■医薬品・医療機器
例:大日本住友(4506)、大正薬HD(4581)、エーザイ(4523)

■食品
例:キリンHD(2503)、味の素(2802)、ヤクルト(2267)

■インフラ整備
例:大成建(1801)、大林組(1802)、鹿島(1812)

■通信・IT
例:NTTドコモ(9437)、KDDI(9433)、SBG(9984)

生活必需品や社会インフラなどは人間が生活する上で欠かせないもので、景気悪化に左右されず一定の需要を見込めます。

外的要因によって市場全体への影響が大きくても、需要があまり変わらないのが上記の主要業種です。

株価が常に安定傾向にあるディフェンシブ銘柄と言えます。

ただ、昨今のコロナ相場は別問題。

経済の打撃はリーマンショック級と言われ、さらに自粛や行動制限により主要業種への影響は軽視できません。

ディフェンシブ銘柄の概念が崩壊しているのが現在のコロナ相場です。

では、コロナ相場だからこそ注目したいディフェンシブ銘柄を3つ解説します。
 

ディフェンシブ銘柄 コロナ相場で注目の3銘柄

今回私が選んだ3銘柄は、ディフェンシブ銘柄の主要業種に捉われずに厳選しています。

着目点はコロナによる「需要」。

1つ目の銘柄はヒロセ通商(7185)です。
 

ヒロセ通商(7185)

ヒロセ通商 公式HP

株価

ヒロセ通商(7185)は日本だけでなく英国・東南アジアにも拠点を置いているFX取引の大手企業です。

主な顧客は小口の個人投資家。

利用者からは「約定力・スワップポイントが高い」「取引コストが安い」など評判は上々のようです。

業績も好調で、20年3月期の連結経常利益は29.7億円(前期比0.2%増)の5期連続で過去最高益を更新。

5期連続増収・増益を記録しています。

では、なぜ当銘柄をディフェンシブ銘柄として挙げたのか。

理由は下記の通り。

 ディフェンシブ銘柄 選定理由

・5期連続増収、増益の好業績
・家に居ながらスマホ1つで取引が出来る
・郵送不要。オンラインで口座開設ができる
・優待利回り5.38%。優待、配当が充実

全国で緊急事態宣言が解除されたと言えど、外出者の数は間違いなく減少しています。

また、企業の雇用回復も不透明。

失業者・休業者の改善は未だ見通せず、自宅時間を強いられる状況は続いています。

その状況の中、手軽に口座開設ができ、スマホ1つで取引出来る同社のサービスは今後もより注目が集まるでしょう。

最近はインターネットサイトやSNSで頻繁に広告を配信。

新規会員獲得を狙い、更なる増収増益を目指すヒロセ通商の経営戦略が垣間見えます。

また、同社の優待利回りは5.38%と非常に高水準
※東証一部上場企業の平均利回りは2.41%

インカムゲイン目的の投資家に人気となる同社は、コロナ相場に置けるディフェンシブ銘柄にピッタリだと思います。
 

カンロ(2216)

2つ目の銘柄はカンロ(2216)です。

カンロ 公式HP

株価

カンロは「のど飴」が主力のキャンディー大手、三菱商事が販売総代理店の食料品企業です。

同社の業績も好調で、20年12月期第1四半期(1-3月)の経常利益(非連結)は前年同期比4.3億円(10.3%増)まで成長。

1-6月期(上期)計画の4億円に対する進捗率は109.8%と、すでに上回っています。

また、配当も1株あたり30円(2019年12月期) → 32円(2020年12月期)に増加予定。

株主還元を大事にしている企業です。

そんなカンロをディフェンシブ銘柄に選定した理由は4つ。

 ディフェンシブ銘柄 選定理由

・好調な業績
・配当も増加傾向、優待有り
・日常的なマスク着用で飴などが売れる
・チャートの日足が安定している

今後、世間の「アメ需要」が消費を後押しすると私は予測しています。

と言うのも、外出中のマスク着用者はしばらく減少しません。

常にマスクを付けている状態のため、気分転換をしたい方が増えると思います。

例として挙がるのはアメやガムです。

着々と営業再開する小売店、公共の乗り物での移動者も増加しているので、手を伸ばす方が多くなると考えられます。

特に夏場はミント系のものが売れ行き好調かもしれませんね。

後の業績に影響を与えてくれると思います。
 

リソー教育(4714)

3つ目の銘柄はリソー教育(4714)です。

リソー教育 公式HP

株価

リソー教育は首都圏地盤に個別指導塾「TOMAS」を運営。

幼児教育、家庭教師派遣、英会話など教育事業全般を手広く展開しています。

20年2月期の連結経常利益は27.4億円(前期比8.2%増)に伸び、4期連続で過去最高益を更新。

5期連続増収、6期連続増益となりました。

今期の年間配当は未定としているものの、前期と変わらず期末配当は3円(年間配当12円)を保っています。

では、コロナ相場のディフェンシブ銘柄として挙げた理由は下記の通りです。

 ディフェンシブ銘柄 選定理由

・6期連続増益の業績
・駆け込み需要が多い
・オンライン英語の需要増加
・大学受験など夏季のスケジュールが詰まっている

新型コロナウィルスの影響により学習塾の需要は増加傾向。

従来の受験対策だけでなく、小・中・高の授業再開遅延により、学習塾で遅れ分をカバーする学生が増えています

さらに、夏休み期間中の学生塾のスケジュールはびっしりの様子。

全国の学校で夏休みの短縮検討はされているようですが、並行して学習塾のオンライン授業などを受ける学生は増加するでしょう。

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ディフェンシブ銘柄 大事なのは「需要」の見極め

生活必需品に関わる主要業種でなくとも、安定性のあるディフェンシブ銘柄はあります。

景気変動時の業績やチャートを踏まえつつ、需要を見極めることが大切です。

ここでいう需要とは、消費者の需要

物事の背景を考えながら、不安定相場に負けない勢いがあるのかを吟味します。

是非、ディフェンシブ銘柄選びの参考にしてみて下さい。

他にもテーマに沿った銘柄選びを行いました。

この機会に5G関連銘柄 AI関連銘柄 の記事もあわせて確認して下さい。
 

ディフェンシブ銘柄 主要業種を無視した3銘柄

※下記の3銘柄は、2020年2月14日時に厳選した銘柄です。

はせがわ(8230)

はせがわ(8230) 公式HP

はせがわ(8230)は仏壇・仏具の小売専門店で業界首位の企業です。

小売り業以外にも、墓石や屋内墓苑の販売を積極化。

リーディングカンパニーとして業界をけん引しています。

また、業界では珍しくネット通販戦略を立てており、楽天やロハコに続きアマゾンにも出店しました。

そんなはせがわの需要は高齢化社会です。

日本の総人口は2050年に9,515万人まで減少する想定で、内65歳以上の高齢者は3,764万人(39.6%)と言われています。

これは2004年12月にピークを迎えた総人口12,784万人、高齢者2,505万人(19.6%)だったことを踏まえると、急激な高齢化推移です。

避けられない社会問題を前に、時代に合わせて運営戦略を練るはせがわはディフェンシブ銘柄としての期待が持てます。

株価チャート ※週足

はせがわ(8230) 株価チャート

株価

財務指標 ※2020年2月12日時点

業績 ※四季報2020年1集より

ご覧の通り、財務指標・業績は芳しくありません。

消費増税後の影響もあり、主力の仏壇・仏具、墓石や屋内墓苑の売上は低下。

システム構築による投資費用や、物流拠点移設による負担も重荷となりました。

しかし、注目すべきはチャートと配当金です。

2019年は米中貿易摩擦やトランプリスクなど、様々な外的要因が発生したものの、はせがわのチャートはほぼ横ばいで推移しました。

外的要因の影響をほとんど受けていない証拠です。

また、業績が落ち込んでいながらも、配当金を維持。

投資家還元の姿勢が伺えます。

先述の生活必需品ではありませんが、ディフェンシブ銘柄として評価できると言えます。

株価400円前後(2月12日現在)のため、少額投資家も手を出しやすい銘柄でしょう。

 

アートネイチャー(7823)

アートネイチャー 公式HP

アートネイチャー(7823)は男性向けかつらや増毛商品で業界トップの企業。

女性向け商品も業界2位と、着々とシェアを伸ばしています。

今回、ディフェンシブ銘柄として同社を厳選した理由は、コンプレックス商品が事業の主軸だからです。

現日本は高齢化社会の進展やストレス社会に加え、アンチエイジング志向の高まりをみせています。

日本人は劣等感に強い人種です。

毛髪市場の拡大に期待できる中、外的要因があるからといって需要停滞するとは考え難いです。

では、アートネイチャーの財務指標と業績を見ていきます。

株価チャート ※週足

アートネイチャー(7823) 株価チャート

株価

財務指標 ※2020年2月12日時点

業績 ※四季報2020年1集より

PBR1倍以下、PER15倍以下で2月12日時点の株価は割安と言えます。

自己資本比率も59.4%と高い水準です。アートネイチャーの財務指標は申し分ないでしょう。

次に業績を見てみます。

2018年こそ男性向け商品の売上高減少や、販売スタッフの営業基盤整備によって純利益は減少。

しかし、その後は順調な回復を見せています。

増毛新商品の売れ行きも好調でありながら、さらなる裾野を広げるために自社サイト経由で育毛剤を発売。

四季報2020年1集も年々右肩上がりで想定していました。

外的要因に左右されずらい、ディフェンシブ銘柄と考えられます。

 

ヴィレッジヴァンガード(2769)

ヴィレッジヴァンガード

ヴィレッジヴァンガード(2769)は「遊べる本屋」をコンセプトに書籍、CD、雑貨、食品等の複合小売店を展開。

サブカルチャーの聖地とまで言われた同店は、独創的な空間を提供し続けています。

本屋でありながら、売上の中心は雑貨や食品。

ヴィレッジヴァンガードらしい商品ラインナップが、顧客にワクワク感を与えられているようです。

これがディフェンシブ銘柄の選定理由です。

ヴィレッジヴァンガードは顧客が根強いファンとなり、リピーターとして戻ってきます。

景気変動を受けず業績が安定しやすいので、連想売りが起きずらいのも特徴です。

チャートからも見て取れます。

株価チャート ※週足

ヴィレッジヴァンガード(2769) 株価チャート

株価

財務指標 ※2020年2月12日時点

業績 ※四季報2020年1集より

2019年1月からヴィレッジヴァンガードの株価は横ばいに推移。

はせがわ(8230)同様、外的要因による株価への影響をほとんど受けていません

チャートに動きがあったのは株主優待です。

権利確定月(11月)に向け、7月頃から徐々に個人投資家の買いが集まる展開でした。

ヴィレッジヴァンガードの株主優待は10,000円相当のお買物券。

優待利回りも9.96%(2月12日現在)と高く、人気優待の1つと言えます。

また、配当利回り1.39%(2月12日現在)で配当金は14円です。

総合利回り11.35%もの還元を受けられるので、中長期保有に適したディフェンシブ銘柄です。

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